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受験生 Q & A

天災の歴史、その時代の人々の動きについて学べますか?

質問

天災の歴史やその時代の人々の動きについて貴学の史学科で学ぶことはできますか?

回答

質問ありがとうございます。できます。
アジア・日本史系中国前現代史担当の大川裕子准教授は、中国の環境史が専門で、気候変動や水害への適応、開発とそれに伴う災害などについて、多くの研究業績があります。同じく日本古代史担当の北條勝貴教授は、東アジア環境文化史が専門で、『日本災害史』(吉川弘文館、2006年)、『日本歴史災害事典』(同、2012年)にも執筆しており、東日本大震災の際の文化財レスキュー活動にも従事しました。また昨年度は、ヨーロッパ・アメリカ史系西洋近世史担当の坂野正則教授が、「パリ・ノートルダム大聖堂の再生へ向けて-歴史/信仰/空間から考える-」と題するシンポジウムを主催しましたが、これなども火災(天災/人災が相半ばしますが)に対する政治的・文化的対応の研究といえるでしょう。
他にも各種の講義で、水害、土砂災害、地震、疫病などがトピックとして扱われており、輪講「現代歴史学の課題」などの統一テーマとなることもあります。各教員とも、専攻する時代・地域に則った専門的アドバイスをすることは可能ですので、あとは学生さんの頑張り次第ということになると思います。

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食文化の歴史についての研究は可能ですか?

質問

歴史から見た食文化についての研究は可能ですか?

回答

ご質問ありがとうございます。可能です。
この種のご質問には、まず必ずこうお答えすることにしているのですが、本校に限らずどの大学でも、歴史に関係することであれば、基本的に史学科で研究できないことはありません。たとえその大学に、テーマに関係する研究を行っている教員がいなくとも、調査方法や研究方法は共通していますので、指導は可能だからです。
そのうえでですが、本学科には、食文化について研究論文を執筆している教員が複数います。
新年度から中国前近代史を担当される大川裕子准教授は、秦漢期の環境史がご専門で、生業から食文化に関わる種々の業績があります。日本中世の中澤克昭教授は、狩猟文化との関わりから、『肉食の社会史』という単著を上梓されています。日本古代の北條勝貴教授には、稲作中心主義の相対化や、宗教と生業・食文化に関する論考があります。
大学へ入ってどの時代、どの地域の研究に進むかにもよりますが、本学科では所属するゼミ以外の教員からもアドバイスをもらえる状態は整っていますので、どの方向へ進んでも食文化史の研究は可能だと思います。

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社会人入学で、働きながらの履修は可能でしょうか?

質問

社会人として働いており、3年次編入試験での入学を検討しております。仮に入学出来た場合でも、働きながらの勉強を想定しておりますが、単位取得等、現実的に両立は可能なものでしょうか?

回答

ご質問いただきありがとうございます。
現在、史学科への編入学の事例で最も多いのは、上智短大からの編入のために特別に設けられている枠です。
この場合、短大で履修済みの科目と史学科のカリキュラムとの照合を行い、振替可能なものについては卒業に必要な単位として認めてゆきます。
同じ上智学院で教育方針を共有している部分もあるのですが、やはり歴史学の専門教育を受けているわけではありませんので、専門科目のほとんどは新たに履修しなければなりません。卒業論文を書く準備が整うまでに相当の時間を要し、編入から卒業まで3年かかってしまうのが普通です。
上智短大枠以外の編入学については、より条件が厳しくなるといえます。
そのうえで、あなたの勤務形態も問題となるでしょう。
もしフルタイムで勤務されているとなりますと、各科目の担当教員の配慮があったとしても、卒業に必要な単位を確保してゆくのは、残念ながら相当に困難と思われます。
もしよろしければ、卒業された学部・学科のほか、勤務形態などについても付記いただき、あらためてご質問ください。

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東アジアの古代政治史を学ぶことはできますか?

質問

古代政治史に興味があるのですが、上智大学で学ぶことはできますか。特に日本を含む東アジアにおける政の始まりにとても興味があります?

回答

ご質問ありがとうございます。可能です。
この種のご質問には、まず必ずこうお答えすることにしているのですが、本校に限らずどの大学でも、歴史に関係することであれば、基本的に史学科で研究できないことはありません。たとえその大学に、テーマに関係する研究を行っている教員がいなくとも、調査方法や研究方法は共通していますので、指導は可能だからです。
そのうえでですが、まずマツリゴトの概念が問題です。現代歴史学における政治史は、単なる人間関係史や事件史(個々人の関係や恨み辛みといった感情のもつれ、利害関係、事件の連鎖などから政治を説明する立場)ではなく、経済や社会、宗教、そして気候変動など環境との関係のなかで、総合的に考えてゆく立場が一般的です。起源に注目するとなれば、祭政一致の状態ですので、神話や祭儀、信仰習俗などへの視点は欠かせません。新学期から中国近現代史を担当される大川裕子准教授は、治水や開発と国家・王権の問題について多くの研究業績があります。日本古代史の北條勝貴教授は、東アジアにおける諸宗教の相互関係、権力との結びつきについて研究されています。古い時代には考古学の知識も必要ですが、本学科には考古学を専門とする教員はいないものの、非常勤の先生方ご担当の考古学関係科目は開講されています。
種々の先生方にご指導いただきながら、古代政治史の研究を進めることに問題はなかろうと思います。

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寺社の建築物、神社の歴史を学べますか?

質問

神社やお寺の歴史ある建築物について学んだり、神社の歴史などについて研究することは出来ますか?

回答

お問い合わせありがとうございます。可能です。
本学科の日本古代史担当である北條勝貴教授は、国立歴史民俗博物館の共同研究「神仏信仰の通史的研究」にも古代担当で参加され、相応の研究業績があります。國學院大学や皇学館大学の、神仏習合をめぐるシンポジウムにも登壇しています。
神社の起源については、弥生時代の巨大建築をめぐる起源論争以降、考古・文献・民俗の研究者が協働して解明してゆかねばならない課題となっています。本学はカトリックの大学であり、また古い寺社の集中している西日本とは環境も異なりますが、宗教的な寛容さのなかにあって、各大学や研究機関と情報交換をしつつ研究を進めています。
また、本学科と関連の深い学芸員課程には、神奈川県立金沢文庫の学芸課長を務められていた西岡芳文教授がおり、日本仏教史・日本美術史・陰陽道史などのテーマで授業を行っています。文学部横断型プログラムでは、国立歴史民俗博物館から松尾恒一教授をお招きし、寺院の法会や神社の祭礼を含む列島の宗教民俗について、東アジア的な視野から講義していただいています。
毎年の卒業論文にも、宗教関係を扱ったものは多くあります。学生の積極的な取り組み次第で、どのような研究も可能でしょう。

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日本史から西洋史へ転向しても大丈夫ですか?

質問

高校では、高1は世界史、高2からの選択科目は日本史をやっていたんですが、大学入学後に西洋史に転向しても大丈夫でしょうか?

回答

ご質問ありがとうございます。
高校までで学んでいる世界史・日本史は、あくまで過去の事象に対する定説について、概念や因果関係を理解し、記憶するものに過ぎません。大学で学ぶ「歴史学」は、それらを基礎知識としながら、実際に自ら史資料を読解し、過去を探究して「歴史」を叙述してゆく学問です。よって、高校で学んできた知識は、持っていれば便利に使えますが、不可欠なものではありません。大学に入学して、新しく学んでゆくことのほうが、遙かに多いと思います。
1年生ではまず、歴史学界の先進的な知識のあらましを伝える、各時代・地域の「アジア・日本史系概説」「ヨーロッパ・アメリカ史系概説」を受講しますが、それぞれが高校で学んだ以上の新鮮な情報に満ちていると思います。実際、これらを受講した段階で、世界史で受験をしたけれども日本史のゼミに進みたい、あるいは逆に、日本史で受験したけれども西洋史のゼミで勉強してみたい、という学生が少なからず出てきます。
すべてはまず、入学してから。新鮮な環境のなかで、新たな決断をするのもよいと思います。

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史学科で海外留学することはできますか?

質問

史学科へ入っても海外留学することはできますか? また、実際に留学を行った先輩方はいらっしゃいますか?

回答

お問い合わせありがとうございます。
もちろん、史学科からも海外留学をすることは可能です。
上智大学の留学制度について、詳しくは下記URLから、2019年度の留学ガイドブックをダウンロードして参照してください。

https://www.sophia.ac.jp/jpn/global/international/exchange/itd24t0000003mcl-att/StudyAbroadHandbook2019.pdf

主に長期留学では交換留学と一般留学、短期留学では語学の短期研修などがあります。
交換留学は、大学が定めた協定校へ受け入れてもらうもので、協定校への学費納入は免除されます。
一般留学の場合、留学先は自由に選べますが、学費は上智・留学先の両方に納付しなければなりません。
また交換留学の場合、学内での選考があり、語学能力と学業成績の高い順に、志望先へ割り当てられてゆきます。
よって、アメリカやヨーロッパなど人気の高い留学先は、どうしても、外国語学部や文学部の英文学科、仏文学科などの学生が選ばれてしまうことが多くなります。
もちろん、史学科からも、優秀な学生は志望どおりの場所へ留学していますし、一般留学をする学生も少なからずいます。
そのほか、夏休みや春休みなどを使って、語学のスキルアップのために短期留学する学生も多いです。

入学したら、いろいろ挑戦してみてください。

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近世の社会と庶民信仰を研究できますか?

質問

近世における社会と庶民信仰を研究できますか?

回答

お問い合わせありがとうございました。もちろん、研究することは可能です。
大学は、基本的には指導教員の専門分野に関係なく、自主的に研究を進めてゆけるところです。
そのうえで、「近世における社会と庶民信仰」というテーマで卒業論文を書く、ということになれば、日本近世史のゼミに所属することになります。
川村信三教授のゼミですが、教授は中世後期から近世にかけての、宗教をめぐる日欧交渉史が専門です。
キリスト教はもちろんですが、浄土真宗をはじめとする仏教にも造詣が深く、両者の比較研究もなさっています。
さらに、横断型人文学プログラムには、国立歴史民俗学博物館から民俗学の研究者をお招きし、列島の宗教民俗やそれを解明するフィールドワークの授業を担当していただいています。また史学科と関わりの深い学芸員課程には、神奈川県立金澤文庫の学芸課長を務めておられた西岡芳文教授がおられ、中世以降の仏教や宗教民俗に関わる講義も担当されています。
これらの授業を受け、自分の知識を広げながら、上記のテーマを掘り下げてゆくことは充分可能でしょう。

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マイノリティの歴史について、領域を超えて学べますか?

質問

LGBTに興味を持ったことがきっかけで、マイノリティの歴史について研究したいと思っています。日本史や西洋史、東洋史や時代を越えて学びたいと思っています。このようなことは、文学部史学科で出来ることでしょうか?

回答

領域を超えていろいろな授業をとることは可能で、上智の史学科ではむしろそうしなければならない制度になっています。とくに1年生の「〇〇史概説」は領域を超えて履修しなければなりません。また、上級生になっても、領域に関係なく講義は受講できます。領域を超えた問題関心はいつも持っておくべきことです。
ただし、マイノリティといってもいろいろな種類のものがあり、それぞれの条件や性質は異なります。抽象的にマイノリティを論じても歴史学ではあまり意味がありません。歴史学は個別事例を詳しく調査して過去の事実を解明し、そこから現在や未来の問題を考えるものだからです。抽象的なマイノリティ論ではなく、具体的な「〇〇人」や「▽▽者」を深く研究し、それをレポートや論文にします。したがって、上級生になるにつれて、自分の専攻する地域や時代の個別事例に特化していくことになります。しかし、領域を超えた問題関心を持っていれば、そこから現在や未来の問題にひきつけて考えられるようになると思います。

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日本と世界の城の比較、宗教と建物の関係などを研究できますか?

質問

日本の城と世界の城を比べたり、宗教と建物(主に中世の日本の城、安土城とか)についての関係などを研究することはできますか?

回答

お問い合わせ、ありがとうございました。
はい、できます。
城の研究といっても、アプローチの仕方(方法)はいくつかの学問分野に分かれますが、史学科には、日本中世の城郭について文献や絵画を史料として研究している教員がいますので、そのアドヴァイスをうけて、研究をすることができます。また、キリシタン史を専門とする教員もいますので、安土城とその時代について、宗教史や日欧交渉史の立場からアドヴァイスをうけることもできるでしょう。世界の城との比較については、イタリアを中心とする西洋中世史、フランスを中心とする西洋近世史の教員がいますし、前近代の中国史を専門とする教員も着任の予定ですから、それらの教員から各地域の学び方についてアドヴァイスをうけながら、自分で研究を進めることになるでしょう。
なお、建物の構造を専門的に研究する場合は、建築史(建築学)を学ぶ必要がありますし、発掘調査によって出土した遺構・遺物によって研究する場合は、考古学を学ぶ必要があります。しかし、本学に建築史を専門とする教員も日本考古学を専門とする教員もいませんので、それらの方法を専門的に学んで研究したいのであれば、他大学を調べてみてください。

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