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受験生 Q & A

戦国武将の研究はできますか?

質問

私は戦国武将が好きで戦国時代に興味があるのですが、史学科では戦国武将について研究することはできますか?

回答

ご質問ありがとうございます。回答が遅れ、申し訳ありません。
さて、戦国武将の研究とのこと。本学の史学科では、2人の教員が専門です。
おひとりは、近世史ゼミ担当の、川村信三教授。日欧交渉史・キリシタン史がご専門で、戦国時代を研究したい学生は、概ね川村先生のゼミに所属します。大河ドラマ『黒田官兵衛』、ハリウッド映画『沈黙』の時代考証・キリシタン考証もされています。
もうおひとりは、中世史ゼミ担当の、中澤克昭教授。狩猟や城郭・武力の研究がご専門で、真田氏の研究でも知られており、真田昌幸が徳川勢を破った第一次上田合戦の、新史料を発見したことでも話題になりました。
なかなか、これだけのスタッフを揃えている史学科は、他大学にはないと思います。
中世か近世、どちらかのゼミに所属し、もう一方の先生からアドバイスを受けることも可能です。
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選挙権拡大の歴史的過程や背景を学びたいのですが?

質問

私は現代の日本の投票率の低下について関心があり、問題解決のために選挙権拡大の歴史的過程や背景を学びたいと考えているのですが史学科で学ぶことは可能でしょうか?

回答

お問い合わせありがとうございました。回答が遅れ、申し訳ありません。
大変アクチュアルな問題意識でよいと思います。分野としては近現代史になりますが、投票率の低さの原因や背景を問うとなれば、もちろん投票権の拡大の問題のほか、現在の小選挙区制と市民の意思との乖離、いわゆる一票の格差の問題、政治への期待の減退、政治参加や社会運動の忌避など、極めて広汎な事象を扱わないと、納得のゆく回答は得られないのではないかと思います。
そのうえで、質問者さんの問題意識にきちんと応えてくれる学問が、政治学なのか社会学なのか、あるいは歴史学なのか、もう一度検討してみる必要があるでしょう。あくまで過去から現在に至る通時的な変化を扱いたいなら歴史学、現在の複雑な情況を共時的に解き明かしたいなら政治学、社会学などのほうがよいかもしれません。

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女性と演劇について、史学科と社会学科ではどちらが?

質問

私は芸術という点で女性が舞台に立てるようになった成り立ちや、日本特有の宝塚歌劇団にある男役という文化が海外には存在しない理由について学びたいと考えています。女性の格差について学びたいのですが、史学科と社会学科ではどちらの方が学びやすいなどはありますか?

回答

お問い合わせありがとうございました。また、回答が遅くなり申し訳ありません。
簡単にいえば、現代の事象を共時的に扱うならば社会学、過去からの流れを踏まえて考えるならば歴史学のほうがよいだろう、と思います。
近年はジェンダー史研究が大きな発展を遂げており、そのうち異性装の歴史は、宗教や芸術の如何を問わず注目を集め、専門の研究書や入門書も刊行され始めています。現在、本学科にはジェンダー史を専門に研究している教員はいませんが、東洋史には大澤正昭名誉教授以来女性史研究の伝統があり、西洋史でも井上茂子教授が、『女の皮膚の下』という女性史・身体論の名著を翻訳しています。日本史の北條勝貴教授にも、東アジア前近代の性的マイノリティーに迫った論文があります。社会学その他、他学科の先生方にもアドバイスをいただきながら、本学科で、演劇における異性装を卒業研究にまとめてゆくことは可能でしょう。
ちなみに、女性が男性の役を演じることは、宝塚歌劇団だけでなく、オペラのズボン役などにみることができます。それから、宝塚歌劇団の成立は必ずしも「女性の地位の向上」ではなく、温泉街において男性客へ「若い女性の出し物をみせる」という、男性優位社会の眼差しが前提となっていたことにも注意が必要です。

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平安〜幕末の日本刀について学べますか?

質問

平安時代から幕末の日本刀に興味があります。関連するような授業やゼミはありますでしょうか?

回答

お問い合わせありがとうございます。また、回答が遅れて申し訳ありません。
なかなか刀剣に特化したゼミというものは存在しませんが、日本中世史担当の中澤克昭教授は、狩猟や城郭、武力をめぐる社会史が専門です。中澤ゼミに所属している現4年生の平岡愛唯さんは、YouTube にある史学科の学科紹介動画にも登場してもらっていますが、刀剣の研究者になることを目標に、日々研鑽を積んでいます。明日のオープン・キャンパスでも、文学部の学部紹介に平岡さんが登壇しますので、もし参加のご予定があれば、どこかで捕まえて情況を質問してみてください。実地にいろいろなことが分かると思います。

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ポリネシア史やオセアニア史を学ぶことは出来ますか?

質問

ポリネシア史やオセアニア史を学べますか?

回答

お問い合わせありがとうございます。返信が遅くなりまして、申し訳ありません。

さて、ポリネシア史やオセアニア史の件ですが、残念ながら、本学史学科では専門の教員がおらず、現在のところ、これをカバーする授業も開講されていません。以前は、外国語学部の地域研究でそうした分野・地域もカバーできましたし、史学科にも同地域の考古学・人類学を専門とする教員がおり、大学院生も巣立っていました。国立民族学博物館で同地域を研究されている小野林太郎教授などは、その頃の本学の出身です。しかし現在でも、オセアニア地域とのネットワークがあり、交換留学生が派遣されています。こちらにその体験談がありますので、参照してみてください。そのうえで、外国語学部や総合グローバル学部へも問い合わせをしてみてください。

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中世ヨーロッパ史を調べるうえで、幾つか質問があります。

質問

中世ヨーロッパ史を調べるうえで、幾つか疑問が生じています。下記のとおりですが、部分的にでも教えていただけると嬉しいです。
① 史料をどう調べたり、読んだりされているのでしょうか。
② どこまで調べるべきでしょうか。
③ テーマを決めた方が良いでしょうか。

回答

ご質問ありがとうございます。よく勉強されているようですね。

ヨーロッパ中世を研究する場合、「司教」を始めとした聖職者が残した記録は、避けて通ることができません。彼らは、少なくとも中世の初期までは、社会の知的営為をほぼ独占的に担っていた存在であり、政治的にも大きな役割を果していたからです。日本語で読めるものとしては、トゥールのグレゴリウス『歴史十巻(フランク史)』、尊師ベーダ『イングランド教会』、エインハルドゥス『カール大帝伝』などがあるので、手にとって読まれるといいでしょう。あと中世では『黄金伝説』という聖人伝が一種のベストセラーとして有名ですが、これを編纂・執筆したのは、ジェノヴァ大司教のヤコブス・デ・ウォラギネという人物です。彼がなぜ、こうした本を製作したのかも興味深いです(この書も邦訳があります)。

ヨーロッパ中世の元々の史料は、「マニュスクリプト」(手稿・写本)というかたちで文書館などに所蔵されています。使用されている言語はラテン語や古英語・古仏語などです。こう聞くとハードルが高いように感じるかもしれませんが、活字化されたもの(「刊行史料」)や英訳などの現代語訳も多数あります。また欧米の第一線の研究者でも、すべて写本から見ているわけではないですよ。

あと西洋中世史の卒業論文では、必ずしも「史料」から議論を起こす必要はなく、欧米の研究をきちんと消化して自分なりに考えてみる方がよいと指導しています。ただし、論文や研究書を正しく理解する場合、史料についての基礎知識は必須です。史学科では、1年次の必修科目でその事をきちんと学ぶことができます。また上智大学ではラテン語などの古典語も学べますし、図書館には貴重な資料が豊富にあります。西洋中世史を学ぶには格好の大学だといっても過言ではないでしょう。

最後にテーマについてですが、現段階でこまかく絞る必要なく、西洋史の他の時代や日本史や東洋史も広く学んでおく方がよいのかなと思います。現役の学生をみていますと、2年生の段階でだいたいの領域(地域と時代)を決め、3年生の間に自分の関心と先行研究を踏まえてテーマを決めているようです。それでも毎年、優れた卒業論文がたくさん提出されています。上智大学の史学科は少人数制で、2年次から実質的なゼミが始まりますので、指導教員や先輩のきめ細かいアドバイスが受けられるのもメリットだと思います。

もちろん「貴族階級」というのも、中世ではきわめて重要な存在で、テーマとして興味深いです。よく勉強している質問者さんが、上智大学史学科にご入学され、ともに学べることを楽しみにしています。

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真田幸村について深く学べますか?

質問

私は中世後期に興味があり、特に真田幸村の研究をしたいと考えています。上智大学で深く学ぶことは可能でしょうか?

回答

年度開始の瑣事に紛れ、回答が遅れてしまい申し訳ありません。お訊ねの件ですが、ズバリ可能です。
真田の問題は、本学科の日本中世史担当 中澤克昭教授の専門のひとつです。下記の真田関係書籍は、中澤教授によるものです。

・『人をあるく 真田氏三代と信濃・大坂の合戦』吉川弘文館、2016年
・『甲信越の名城を歩く:長野編』吉川弘文館、2017年

また、中澤教授が発見した上田合戦の新史料のことは、こちらの新聞記事にもなっています。
真田が研究したければ、ぜひ本学科を受験してください!

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日本近代の美術史(特に版画)を学べますか?

質問

日本近代の美術史(特に版画)を学ぶことは可能でしょうか。もし不可能であれば、どのような形で日本の美術史を学べるのか教えて下さい。

回答

年度交替の瑣事に紛れ、回答が遅れてしまい申し訳ありません。
まず、本学の史学科の場合ですが、「日本美術史」に関する授業は開講されているものの、専門的に近代版画の研究をしたい場合には、やはりそれなりの大学へ進学したほうがよいと思います。
ざっと専門の研究者のいる大学を調べてみたのですが、本学と同程度の偏差値のところは見当たりません。あとは芸術系の大学か、早稲田大学や東北大学など、美術史を学ぶコースがあるところを選ぶのが先決です。そうしたコースがあれば、近代版画専門の研究者が在籍していなくても、どうすればその研究テーマを専門的に深められるか、しっかり教授してくれます。
そうして基礎を収めたのちに、例えば岩切信一郎さん、桑原規子さん、小山周子さんら、近代版画を扱っている研究者と連絡を取り、アドバイスを受けることもできるでしょう。

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鎌倉時代の研究はできますか?

質問

私は鎌倉時代について研究したいと考えていますが可能でしょうか?

回答

お問い合わせありがとうございます。もちろん可能です。
本学史学科では、2年生以上に所属してゆく専門研究のための演習(2年生はプレゼミ、3年生以上はゼミ)が、時代と地域によって分かれています。例えばアジア・日本史系では、日本古代、日本中世、日本近世、日本近現代、東洋前近代、東洋近現代の6つのプレゼミ・ゼミがあり、それぞれに固有の史料の読解の仕方、社会や文化・国家のあり方に関する専門的知識を、教員や他の受講生との意見交換を通じて身に着けてゆきます。鎌倉時代を研究したい場合は、日本中世のプレゼミ・ゼミに所属します。担当は中澤克昭教授で、中世における武力・城郭のあり方や、狩猟、肉食の様態など、社会史研究が主なご専門です。もちろん、鎌倉時代に関する研究業績も多くお持ちです(こちらを参照)。
質問者さんの関心に応じて、いろいろなアドバイスを受けることができるでしょう。

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神話の研究は可能ですか?

質問

私は、古事記や日本書紀、聖書などといった神話の分野に興味があるのですが、上智大学さんの史学科ではそういったことを学ぶ、あるいは研究するといったことは可能ですか?

回答

ご質問ありがとうございます。
神話の研究は可能です。ただし、専門研究のゼミが時代・地域によって分かれていますので、それが多少の足枷になるかもしれません。『古事記』『日本書紀』ならば日本古代史のゼミ、『聖書』ならば西洋古代史のゼミ、といった具合で、なかなか複数の時代・地域の神話を比較するような研究は難しいかもしれません。
なぜそうしたゼミの構成になっているかというと、学術研究である限り、できるだけ原史料を扱わなければならないので、時代・地域によって言語や文字はもちろん、史料の特性やそれに応じた読解の仕方が異なってくるためです。例えば『古事記』『日本書紀』の場合、7〜8世紀の和化漢文や同書に援用されている種々の漢籍を自由に読めなければ、なかなかオリジナリティのある研究はできません。学部生の段階でどのレベルまで到達できるかは個人差がありますが、複数の時代、地域の史料を自在に読めるようになるには、想像を絶する鍛錬が必要になります。よって、複数の神話を比較するような場合も、特定の時代・地域に軸足を置き、なるべく近い領域の対象を扱うことが現実的です。
なお、神話には、歴史学的に扱う方法(時代や地域との関係において、その生成過程や機能を考察する)のほか、文学や宗教学、人類学などでアプローチする方法があります。自分のやりたいことを実現するために何を学ぶ必要があるのか、充分に情報を集めて判断してください。

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