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受験生 Q & A

中国残留孤児について学べますか?

質問

上智大学の史学科では中国残留孤児について学べますか? プロレタリア文化大革命時の中国社会の動きと在中日本人の暮らしについても研究したいです。

回答

ご質問ありがとうございます。

本学の史学科では、中国近現代史の担当教員として笹川裕史教授がおられます。ご著書に、『中華人民共和国誕生の社会史』『銃後の中国社会』などがあり、民国期から人民共和国時代に至る中国の地域社会について、造詣の深い研究者です。
また、日本近現代史担当として長田彰文教授がおられ、戦前・戦中の、日・米・中国・朝鮮・台湾などの国際関係史を研究されています。
いずれのゼミに所属しても、残留孤児や在中日本人の研究は可能ですし、他の先生方のアドバイスも受けられるでしょう。
近年は中・日関係の悪化により東洋史を研究する学生が減少しており、質問者さんのような関心を持つ生徒さんは貴重です。
他の大学へ進学されたとしても、ぜひ東洋史研究に邁進していってください。

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明の時代の研究で魅力的なテーマは?

質問

中国史に漠然と興味を抱いているのですが、明の時代が特に気になっています。史学科ではどんな研究をするのでしょうか。また明の時代で特に魅力的なテーマのようなものがあれば教えていただきたいです。

回答

ご質問ありがとうございます。

史学科には、前近代中国史を担当する教員がおりますので、明代史を学ぶこともできます。
具体的には、史学科に入るとまず、1年生の時に概説を通じて基礎を学びますが、中国史に関係する概説では「アジア日本史系概説Ⅳ」(新石器時代~唐代)、「アジア日本史系Ⅴ」(宋~清)が隔年で開講されています。
2年生以降は、各自関心のある地域・時代のゼミナールに所属しますが、前近代中国のゼミでは、研究論文を読み最新の研究動向や研究方法を学んだり、漢文史料を読み込みゼミ内で検討・討論を行います。ゼミには明代史を研究テーマとする学生も所属しています。
 明の時代に魅力的なテーマは色々とありますが、海域世界あるいは北方遊牧世界との関係に注目して、広い視野から明という時代を考える研究が重要だと思います。
また当時経済的に発展していた江南地域の社会・経済・文化などについても、豊富に残される歴史史料を使った研究が可能です。

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社会人から進学される方はいますか?

質問

社会人から進学される方はいますか?

回答

ご質問ありがとうございます。また、回答が遅れまして申し訳ありません。
一時期は、社会人入試を利用して入学される方、あるいは、定年等ののちに学士入学をされる方も一定数いらっしゃったのですが、近年は少ない情況です。
しかし、そういう方がおひとりゼミにいらっしゃると、ゼミの意見交換が活発化しますし、若い学生にも大きな刺激になるようです。
われわれスタッフとしましては、常に、社会人の方の入学をお待ちしています。
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戦国武将の研究はできますか?

質問

私は戦国武将が好きで戦国時代に興味があるのですが、史学科では戦国武将について研究することはできますか?

回答

ご質問ありがとうございます。回答が遅れ、申し訳ありません。
さて、戦国武将の研究とのこと。本学の史学科では、2人の教員が専門です。
おひとりは、近世史ゼミ担当の、川村信三教授。日欧交渉史・キリシタン史がご専門で、戦国時代を研究したい学生は、概ね川村先生のゼミに所属します。大河ドラマ『黒田官兵衛』、ハリウッド映画『沈黙』の時代考証・キリシタン考証もされています。
もうおひとりは、中世史ゼミ担当の、中澤克昭教授。狩猟や城郭・武力の研究がご専門で、真田氏の研究でも知られており、真田昌幸が徳川勢を破った第一次上田合戦の、新史料を発見したことでも話題になりました。
なかなか、これだけのスタッフを揃えている史学科は、他大学にはないと思います。
中世か近世、どちらかのゼミに所属し、もう一方の先生からアドバイスを受けることも可能です。
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選挙権拡大の歴史的過程や背景を学びたいのですが?

質問

私は現代の日本の投票率の低下について関心があり、問題解決のために選挙権拡大の歴史的過程や背景を学びたいと考えているのですが史学科で学ぶことは可能でしょうか?

回答

お問い合わせありがとうございました。回答が遅れ、申し訳ありません。
大変アクチュアルな問題意識でよいと思います。分野としては近現代史になりますが、投票率の低さの原因や背景を問うとなれば、もちろん投票権の拡大の問題のほか、現在の小選挙区制と市民の意思との乖離、いわゆる一票の格差の問題、政治への期待の減退、政治参加や社会運動の忌避など、極めて広汎な事象を扱わないと、納得のゆく回答は得られないのではないかと思います。
そのうえで、質問者さんの問題意識にきちんと応えてくれる学問が、政治学なのか社会学なのか、あるいは歴史学なのか、もう一度検討してみる必要があるでしょう。あくまで過去から現在に至る通時的な変化を扱いたいなら歴史学、現在の複雑な情況を共時的に解き明かしたいなら政治学、社会学などのほうがよいかもしれません。

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女性と演劇について、史学科と社会学科ではどちらが?

質問

私は芸術という点で女性が舞台に立てるようになった成り立ちや、日本特有の宝塚歌劇団にある男役という文化が海外には存在しない理由について学びたいと考えています。女性の格差について学びたいのですが、史学科と社会学科ではどちらの方が学びやすいなどはありますか?

回答

お問い合わせありがとうございました。また、回答が遅くなり申し訳ありません。
簡単にいえば、現代の事象を共時的に扱うならば社会学、過去からの流れを踏まえて考えるならば歴史学のほうがよいだろう、と思います。
近年はジェンダー史研究が大きな発展を遂げており、そのうち異性装の歴史は、宗教や芸術の如何を問わず注目を集め、専門の研究書や入門書も刊行され始めています。現在、本学科にはジェンダー史を専門に研究している教員はいませんが、東洋史には大澤正昭名誉教授以来女性史研究の伝統があり、西洋史でも井上茂子教授が、『女の皮膚の下』という女性史・身体論の名著を翻訳しています。日本史の北條勝貴教授にも、東アジア前近代の性的マイノリティーに迫った論文があります。社会学その他、他学科の先生方にもアドバイスをいただきながら、本学科で、演劇における異性装を卒業研究にまとめてゆくことは可能でしょう。
ちなみに、女性が男性の役を演じることは、宝塚歌劇団だけでなく、オペラのズボン役などにみることができます。それから、宝塚歌劇団の成立は必ずしも「女性の地位の向上」ではなく、温泉街において男性客へ「若い女性の出し物をみせる」という、男性優位社会の眼差しが前提となっていたことにも注意が必要です。

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平安〜幕末の日本刀について学べますか?

質問

平安時代から幕末の日本刀に興味があります。関連するような授業やゼミはありますでしょうか?

回答

お問い合わせありがとうございます。また、回答が遅れて申し訳ありません。
なかなか刀剣に特化したゼミというものは存在しませんが、日本中世史担当の中澤克昭教授は、狩猟や城郭、武力をめぐる社会史が専門です。中澤ゼミに所属している現4年生の平岡愛唯さんは、YouTube にある史学科の学科紹介動画にも登場してもらっていますが、刀剣の研究者になることを目標に、日々研鑽を積んでいます。明日のオープン・キャンパスでも、文学部の学部紹介に平岡さんが登壇しますので、もし参加のご予定があれば、どこかで捕まえて情況を質問してみてください。実地にいろいろなことが分かると思います。

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ポリネシア史やオセアニア史を学ぶことは出来ますか?

質問

ポリネシア史やオセアニア史を学べますか?

回答

お問い合わせありがとうございます。返信が遅くなりまして、申し訳ありません。

さて、ポリネシア史やオセアニア史の件ですが、残念ながら、本学史学科では専門の教員がおらず、現在のところ、これをカバーする授業も開講されていません。以前は、外国語学部の地域研究でそうした分野・地域もカバーできましたし、史学科にも同地域の考古学・人類学を専門とする教員がおり、大学院生も巣立っていました。国立民族学博物館で同地域を研究されている小野林太郎教授などは、その頃の本学の出身です。しかし現在でも、オセアニア地域とのネットワークがあり、交換留学生が派遣されています。こちらにその体験談がありますので、参照してみてください。そのうえで、外国語学部や総合グローバル学部へも問い合わせをしてみてください。

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中世ヨーロッパ史を調べるうえで、幾つか質問があります。

質問

中世ヨーロッパ史を調べるうえで、幾つか疑問が生じています。下記のとおりですが、部分的にでも教えていただけると嬉しいです。
① 史料をどう調べたり、読んだりされているのでしょうか。
② どこまで調べるべきでしょうか。
③ テーマを決めた方が良いでしょうか。

回答

ご質問ありがとうございます。よく勉強されているようですね。

ヨーロッパ中世を研究する場合、「司教」を始めとした聖職者が残した記録は、避けて通ることができません。彼らは、少なくとも中世の初期までは、社会の知的営為をほぼ独占的に担っていた存在であり、政治的にも大きな役割を果していたからです。日本語で読めるものとしては、トゥールのグレゴリウス『歴史十巻(フランク史)』、尊師ベーダ『イングランド教会』、エインハルドゥス『カール大帝伝』などがあるので、手にとって読まれるといいでしょう。あと中世では『黄金伝説』という聖人伝が一種のベストセラーとして有名ですが、これを編纂・執筆したのは、ジェノヴァ大司教のヤコブス・デ・ウォラギネという人物です。彼がなぜ、こうした本を製作したのかも興味深いです(この書も邦訳があります)。

ヨーロッパ中世の元々の史料は、「マニュスクリプト」(手稿・写本)というかたちで文書館などに所蔵されています。使用されている言語はラテン語や古英語・古仏語などです。こう聞くとハードルが高いように感じるかもしれませんが、活字化されたもの(「刊行史料」)や英訳などの現代語訳も多数あります。また欧米の第一線の研究者でも、すべて写本から見ているわけではないですよ。

あと西洋中世史の卒業論文では、必ずしも「史料」から議論を起こす必要はなく、欧米の研究をきちんと消化して自分なりに考えてみる方がよいと指導しています。ただし、論文や研究書を正しく理解する場合、史料についての基礎知識は必須です。史学科では、1年次の必修科目でその事をきちんと学ぶことができます。また上智大学ではラテン語などの古典語も学べますし、図書館には貴重な資料が豊富にあります。西洋中世史を学ぶには格好の大学だといっても過言ではないでしょう。

最後にテーマについてですが、現段階でこまかく絞る必要なく、西洋史の他の時代や日本史や東洋史も広く学んでおく方がよいのかなと思います。現役の学生をみていますと、2年生の段階でだいたいの領域(地域と時代)を決め、3年生の間に自分の関心と先行研究を踏まえてテーマを決めているようです。それでも毎年、優れた卒業論文がたくさん提出されています。上智大学の史学科は少人数制で、2年次から実質的なゼミが始まりますので、指導教員や先輩のきめ細かいアドバイスが受けられるのもメリットだと思います。

もちろん「貴族階級」というのも、中世ではきわめて重要な存在で、テーマとして興味深いです。よく勉強している質問者さんが、上智大学史学科にご入学され、ともに学べることを楽しみにしています。

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真田幸村について深く学べますか?

質問

私は中世後期に興味があり、特に真田幸村の研究をしたいと考えています。上智大学で深く学ぶことは可能でしょうか?

回答

年度開始の瑣事に紛れ、回答が遅れてしまい申し訳ありません。お訊ねの件ですが、ズバリ可能です。
真田の問題は、本学科の日本中世史担当 中澤克昭教授の専門のひとつです。下記の真田関係書籍は、中澤教授によるものです。

・『人をあるく 真田氏三代と信濃・大坂の合戦』吉川弘文館、2016年
・『甲信越の名城を歩く:長野編』吉川弘文館、2017年

また、中澤教授が発見した上田合戦の新史料のことは、こちらの新聞記事にもなっています。
真田が研究したければ、ぜひ本学科を受験してください!

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