1 2 3 4 5 14

受験生 Q & A

日本近代の美術史(特に版画)を学べますか?

質問

日本近代の美術史(特に版画)を学ぶことは可能でしょうか。もし不可能であれば、どのような形で日本の美術史を学べるのか教えて下さい。

回答

年度交替の瑣事に紛れ、回答が遅れてしまい申し訳ありません。
まず、本学の史学科の場合ですが、「日本美術史」に関する授業は開講されているものの、専門的に近代版画の研究をしたい場合には、やはりそれなりの大学へ進学したほうがよいと思います。
ざっと専門の研究者のいる大学を調べてみたのですが、本学と同程度の偏差値のところは見当たりません。あとは芸術系の大学か、早稲田大学や東北大学など、美術史を学ぶコースがあるところを選ぶのが先決です。そうしたコースがあれば、近代版画専門の研究者が在籍していなくても、どうすればその研究テーマを専門的に深められるか、しっかり教授してくれます。
そうして基礎を収めたのちに、例えば岩切信一郎さん、桑原規子さん、小山周子さんら、近代版画を扱っている研究者と連絡を取り、アドバイスを受けることもできるでしょう。

上へ戻る

鎌倉時代の研究はできますか?

質問

私は鎌倉時代について研究したいと考えていますが可能でしょうか?

回答

お問い合わせありがとうございます。もちろん可能です。
本学史学科では、2年生以上に所属してゆく専門研究のための演習(2年生はプレゼミ、3年生以上はゼミ)が、時代と地域によって分かれています。例えばアジア・日本史系では、日本古代、日本中世、日本近世、日本近現代、東洋前近代、東洋近現代の6つのプレゼミ・ゼミがあり、それぞれに固有の史料の読解の仕方、社会や文化・国家のあり方に関する専門的知識を、教員や他の受講生との意見交換を通じて身に着けてゆきます。鎌倉時代を研究したい場合は、日本中世のプレゼミ・ゼミに所属します。担当は中澤克昭教授で、中世における武力・城郭のあり方や、狩猟、肉食の様態など、社会史研究が主なご専門です。もちろん、鎌倉時代に関する研究業績も多くお持ちです(こちらを参照)。
質問者さんの関心に応じて、いろいろなアドバイスを受けることができるでしょう。

上へ戻る

神話の研究は可能ですか?

質問

私は、古事記や日本書紀、聖書などといった神話の分野に興味があるのですが、上智大学さんの史学科ではそういったことを学ぶ、あるいは研究するといったことは可能ですか?

回答

ご質問ありがとうございます。
神話の研究は可能です。ただし、専門研究のゼミが時代・地域によって分かれていますので、それが多少の足枷になるかもしれません。『古事記』『日本書紀』ならば日本古代史のゼミ、『聖書』ならば西洋古代史のゼミ、といった具合で、なかなか複数の時代・地域の神話を比較するような研究は難しいかもしれません。
なぜそうしたゼミの構成になっているかというと、学術研究である限り、できるだけ原史料を扱わなければならないので、時代・地域によって言語や文字はもちろん、史料の特性やそれに応じた読解の仕方が異なってくるためです。例えば『古事記』『日本書紀』の場合、7〜8世紀の和化漢文や同書に援用されている種々の漢籍を自由に読めなければ、なかなかオリジナリティのある研究はできません。学部生の段階でどのレベルまで到達できるかは個人差がありますが、複数の時代、地域の史料を自在に読めるようになるには、想像を絶する鍛錬が必要になります。よって、複数の神話を比較するような場合も、特定の時代・地域に軸足を置き、なるべく近い領域の対象を扱うことが現実的です。
なお、神話には、歴史学的に扱う方法(時代や地域との関係において、その生成過程や機能を考察する)のほか、文学や宗教学、人類学などでアプローチする方法があります。自分のやりたいことを実現するために何を学ぶ必要があるのか、充分に情報を集めて判断してください。

上へ戻る

アジアの少数民族について研究していますか?

質問

2月4日に行われた、共通テスト併用型入試の問題に感動しました! 上智大では樺太アイヌなど東アジアの少数民族についての研究も行われているのですか?

回答

ご質問ありがとうございました。
本学の史学科は、もともと文献史学、文化人類学、考古学の3本柱でした。1980年代の末、白鳥芳郎名誉教授が在籍されていた頃までは、中国西南地域から東南アジアにおける少数民族の調査・研究が盛んになされ、貴重な典籍、衣服、装身具等の収集も行われていました。白鳥名誉教授が退任されたとき、本学には博物館がなかったため、同コレクションは姉妹校の南山大学へ移管され、現在では同大学の人類学博物館に収蔵されています。現状、本学科には、人類学を専門とする研究者が在籍していないため、残念ながら、かつてのように盛んに研究が行われているわけではありません。東アジア環境史が専門の北條勝貴教授が、限定的な形で、中国少数民族のナシ族やヤオ族、アムール側流域・樺太以南の文化・産業について研究されているのみです(参考:こちら)。
本学科へ進学された場合、グローバル教育学部などとの連携において、少数民族の研究を行うことは可能です。ただし、より専門的な研究を望まれる場合は、東京外国語大学等(北方狩猟民であれば、東北大学や北海道大学)、文化人類学を専門に研究できる大学をおすすめします。

上へ戻る

江戸の都市形成は学べますか?

質問

江戸の都市形成や文化について学ぶことは可能でしょうか?

回答

こちらの違いでご返事が遅れてしまい、申し訳ありません。
さて、ご質問の件ですが、現在本学科には、江戸時代を専門に研究している教員がおりません。もちろん、日本近世史を担当されている川村信三教授は、『龍馬伝』『軍師官兵衛』などの大河ドラマ、『沈黙』などの映画で時代考証も担当されていますので、江戸時代についても、ご関心に応じた指導はしてくださると思います。
古代史・民俗学担当の北條勝貴教授も、これまで、江戸/東京の転換に関する研究のほか、玉川上水周辺、新宿・神田・築地・佃島・浅草・吉原などのエクスカーションを、高大連携の取り組みのなかで主導されています。アドバイスをしてくださることもあるでしょう。
ただし、例えば本当に専門の研究者が在籍しているところで学ばれたいなら、江戸東京研究センターのある法政大学が狙い目かもしれません。こちらにリンクを張っておきますので、併せて検討してみて下さい。

上へ戻る

古代ギリシャをどれくらい深く学べますか?

質問

来年受験予定の帰国子女です。私は古代ギリシャ、ギリシャ神話に興味があるのですが、上智大学史学科ではこれらをどのくらい深く学べるのでしょうか。

回答

こちらの手違いでご返事がずいぶん遅くなってしまい、申し訳ありません。
現在、本学科で西洋古代史を担当されている中川亜希准教授は、古代ローマ史、とくにラテン碑文の読解から、皇帝や名望家のイメージを研究されています。中川准教授の担当される「ヨーロッパ・アメリカ史系概説Ⅰ」では、主に碑文史料からローマの歴史をたどり、広大な地中海世界を政治的に統合した支配のあり方を考えます。また、同じく2021年度の「歴史学特講(西洋古代史)」は、剣闘士をテーマに関連の映画を分析したり、論文や史料を読んだりしながら、ローマ社会の特徴を学び、議論を深めてゆく内容でした。中川准教授は、他にも幾つかの授業をお持ちなので、広くギリシャ・ローマに関する知識を供給してくださるでしょう。
それから、学科外ではありますが、神学部神学科や文学部哲学科には、ギリシャ・ローマの宗教や哲学を扱う授業があります。「キリスト教の成立とその時代」「キリスト教の歴史」「聖書考古学」「古代哲学史」などは、史学科の選択科目にもなっていますので、受講して卒業に必要な単位にすることができます。
学科外の教員にも、研究のアドバイスを受けることは可能です。
質問者さんのご関心次第で、学びはどんどん広げてゆけますし、かつ深められると思います。

上へ戻る

史学科の入試は、日本史・世界史両方の知識が必要ですか?

質問

史学科の入試では、日本史と世界史の両方の知識がないと解けないようになっているのでしょうか。赤本等見た感じではイマイチ分からず終いでした…。答えにくい質問のようでしたら、すみません。できる事なのではあれば、ご教授頂けると幸いです。

回答

お問い合わせありがとうございます。2021年度入試から始まった、新しい学部学科試験のことですね。
こちらは、世界史選択、日本史選択、どちらの受験生にも有利・不利があってはいけませんので、少なくとも、前年度までのような「細かな知識を問う」作り方はしておりません。確かに、用語解説などで知識を問う場合はありますが、その際には偏りが生じないよう、選択問題にしてあります。あくまで、どちらの選択の受験生にも回答できる、思考型の問題を目指しているわけです。
しかし、これは特別入試などでもそうなのですが、本学史学科では歴史的な知識、歴史的な思考力を活かし、現代的な諸問題に正対することを教育の方針に据えているため、時事問題などを理解するのに必要な、一般常識レベルの世界史知識、日本史知識を受験の前提とする場合はあります。本学史学科への入学を希望するのであれば、このくらいの教養は身に付いておいてほしい、という要望です。
よって受験生には、世界史/日本史の相違に関わりなく、広く世界の出来事に目を向け、それについて考える慣習を身に着けておいていただきたいと思います。

上へ戻る

新約聖書時代の考古学は学べますか?

質問

こんにちは。質問させていただきます。今、高校二年ですが、大学で、新約聖書時代前後のパレスチナ、ローマ及びその周辺の考古学を学びたいと希望しています。授業としてそうした授業がなくても、研究することは可能でしょうか。よろしくお願いいたします。

回答

お問い合わせありがとうございます。こちらの手違いでご返事遅くなり、大変申し訳ありません。
ご質問の件、もちろん研究可能です。
西洋古代史担当の中川亜希先生は、碑文等を史料としたローマ史がご専門ですので、関心をお持ちの領域についても種々アドバイスが可能です。また、現在本学の神学部には、聖書考古学の権威、月本昭男先生がおられます。月本先生の授業を受講し、ヒントをいただくこともできるでしょう。史学科に在籍していても、神学部に相談に伺うなどして、指導をいただけると思います(月本先生はご高齢ですので、あと何年本学に在籍される分かりません。しかし、いずれにしろ聖書考古学は重要分野ですので、何らかの形で後任の先生が着任されるのではないか、と思います。正確なところは、神学部へお問い合わせください)。
あとはご本人の頑張り次第です。こちらも、可能な限りサポートします。

上へ戻る

十字軍史の研究はできますか?

質問

西洋中世史について学ぶことはできるでしょうか? 私は十字軍史に興味があるのですが、貴校には十字軍や西洋中世の歴史を専門とする教員が見当たらず、しかし専門の教員がおらずとも西洋中世に関する歴史、そしてキリスト教人間学に関して学ぶと同時に、独自で十字軍について学ぶことはできるだろうと考えていたのですが、果たしてそれは可能だと思いますか?

回答

問い合わせをありがとうございます。
今年度、本学科には西洋中世史専攻の教員が不在ですが、来年度は同専攻の新任教員を迎えることになっています。
どうか安心してください。
また、当然のごとく本学には神学部神学科もあり、キリスト教の教学や歴史に詳しいたくさんの研究者が在籍しています。史学科に所属していても、彼らの講義や演習に出席したり、指導を受けたりすることは可能です。
本学科も、講談社学術文庫収録『十字軍騎士団』の著者 橋口倫介先生以来の、十字軍研究の伝統があります。
質問者さんが十字軍について広く学び、深く研究することは可能です。

上へ戻る

新撰組の研究をしている大学は?

質問

新撰組の研究をしている大学はありますか?

回答

ここは yahoo知恵袋ではないので、この種の質問は困るのですが…。自分でそれを突き止める方法を伝授しましょう。
例えば、研究者の研究内容や研究業績を総覧できる、researchmap というサイトがあります。
こちらにアクセスして「新撰組」と検索すれば、関連する研究論文や研究課題がヒットします。そのなかから、最近のものを選んで著者の所属を確認すれば、「新撰組の研究をしている研究者のいる大学」が分かります。
ただし現在、「新撰組」というテーマは、作家や歴史愛好家の好んで扱うもので、アカデミズムの研究者で追いかけている人間は、それほど多くはないだろうと思います。あとは、新撰組の主な活躍の舞台となった京都の大学や、近藤や土方の故郷である多摩周辺の近世史を推進している研究者、大学が狙い目かもしれません。

上へ戻る
1 2 3 4 5 14

新しい質問を投稿したい方へ