大学・研究分野の垣根を越えて
〜三大学合同ゼミ参加記〜
全国の大学が学祭の時期に差し掛かっている中、11月2日、毎年恒例の大学間交流合同ゼミが行われ、南山大学から平松ゼミと上村ゼミが、立命館大学からは米山ゼミが、そして本学より小塩ゼミが愛知県にある南山大学に集合しました。今自分たちが研究している内容や分析と似ている点・異なる点を可視化することができ、今後の研究に役立つ良い機会となりました。京都や東京という遠方からも、総勢40名以上の学生・教授が集まり、アツいディスカッションとなりました。学生時代に親交のあった教授方が時を経て、今の学生に交流の場を設けていただいたことは何かの縁であると思います。
トップバッターは上智大学小塩ゼミの富永さんの発表でした。『Wilhelm Heine and Orientalism』という絵画の表現技法における画家の思想を分析するユニークなテーマでした。絵画の注目するポイントもただ見るだけではなく当時の歴史的背景と結び付けていて非常に興味深い内容でした。また絵画はとても視覚的にも理解しやすく、トップバッターらしいプレゼンでした。
二番手は南山大学平松ゼミの三島さんの発表でした。『The Comparison of CFPB and Kinyucho – how are they different? 』というテーマでした。一国の不況が他国にも大きな影響を与えることに非常に興味を持ち、アメリカのCFPBと日本の金融庁との比較はまさしく我々の研究手段である比較研究でした。今後の日本の消費者目線での金融庁の取り組みに期待です。
三番手は南山大学上村ゼミの荻野さんの発表でした。『Analysis of Strategic Defense Initiative, its influence, and Strategies Concerning Nuclear Weapons』というテーマで、戦略防衛構想という通称スターウォーズ計画とも呼ばれるスケールの大きい取り組みについての研究発表でした。軍事計画という国を守る上では欠かせない概念について私自身無知であったので、この機会に日本の軍事計画についても知りたい、知らなければならないと思いました。
最後を締めくくったのは立命館大学米山ゼミの西さんの発表でした。『グローバル化がもたらす先住民族への影響と、彼らが守りたい伝統を先住民族の比較から考える』というテーマで、3年生ながら4年生に負けない研究の濃密さがありました。彼女の趣味でもあるフラダンスについての文化的な伝統についての発表でした。文化が発展する中で先住民が守りたいものと進化させたいもののバランスが難しいと感じました。差別化と平等化この相反する概念が見られる伝統の文化にはまだまだ課題が残っていると感じました。
どのプレゼンを大変内容が濃く、またそれに対しての質疑応答がどのプレゼンにも丁寧で、有意義な時間となりました。ちょっとした疑問でも理解するまで質問し続ける姿勢は学びの本質そのものであると感じました。最後の先生方からのコメントからもわかりましたが、県をまたいで複数のゼミが集まることは貴重であり、毎年受け継がれていることに感謝し、今後も残していきたい伝統だと思いました。合同ゼミから得られた新しい価値観、視点を持ってこれからの研究を進めていきたいです。今回の発表会はまさしく本学が目指す「叡智が世界をつなぐ」という言葉が似合う場所でした。2008年からの伝統で枠に縛られない研究を広げる一環としてのこの会は、知の上南戦からAcademicなバトルへ進化したように今後も発展し、他のコミュニティを巻き込んだ活動ができることを願っています。
南山大学の上村ゼミ・平松ゼミの皆様、立命館大学の米山ゼミの皆様、この企画に携わって頂いた全ての方々、ありがとうございました。
(報告者:本学科4年望月晴史、亀谷郁)