今という時間を最大限に楽しんで
在学生、または「史学科」に興味をもたれている皆さん、初めまして。
私は、大学時代は児嶋先生のゼミで中世西洋史を学び、卒論には同時代の「ファッションと色彩」をテーマに取り上げました。現在もファッションや色彩については大好きで、よく敏感に反応してしまいますが、自分の大好きな洋服や装飾品が中世からルネサンスのイタリアで、どのような意味をもち、どのように捉えられていたのか、当時の人々が色彩感覚がどういったものだったのかを研究していました。
その他にも、史学科では新入生のオリエンテーションのお手伝いをするヘルパーをやらせて頂いたり、バスケットのサークルに入っていたり、カフェやアパレルでアルバイトをしたりと、大学で過ごした時間はとても充実した毎日でした。
現在は、金融機関で営業を2、3年経験したのち、本部の部署で働いています。現在の仕事は「史学」と直接には関係ないかもしれません。実際、史学科卒業で金融機関は珍しい、ともいわれますが、私は特にそう思いません。しかし、どの業界、どんな仕事においても、史学科で学んだエッセンスは活かされていると思います。
児嶋先生のゼミでは学年を超えて、ゼミ生全員での文献講読、自身の研究(卒論)の進捗を報告する泊まりでの「ゼミ合宿」等、非常に密度の濃い時間を楽しく過ごしました。ゼミの皆さんの解釈を聞くと、一つの物事にも様々な捉え方あり、自身に不足している観点によく気づかされたものです。史学科では、自身でテーマを設定し個人で研究を掘り下げていきますが、ゼミでの活動は、自分で設定した研究課題について、情報収集の仕方、物事の解釈、文章の書き方など、先生方、先輩や後輩等、多くの方から様々なことを密接に学べる貴重な機会でした。
仕事において、「どのような課題があり、どのようなプロセスを経て、どのように結論を出すのか」といったことはしばしば求められます。史学科で学んだことは現在の職場でのプロジェクトの進め方にも共通する点が多くあり、今の私の財産として生きています。
今史学科で学んでいる皆さん、これから史学科を目指す皆さんに私が言えることは、「自身のやりたいことを何でもチャレンジしてください」ということです。「大学」は人生の中でも最も自由な時間です。その中の一つに「史学科」という選択があるならば、その時間を思う存分活用してください。けして自身のマイナスにはなりません。その貴重な時間で経験したことは全て後々の糧となります。
私も「史学科卒業生」として、そして(ちょっとした)人生の先輩として応援しています。