卒業生の声

夢中になれるものとの出会い

2011年度卒業生 野邉 真友(日本年金機構)
著者近影(2014年、群馬のキャンプ場にて)

著者近影(2014年、群馬のキャンプ場にて)

はじめまして、こんにちは。私は、在学時は西洋史専攻で、特に美術史や教会建築をテーマとしていました。入学以来、知人から「どうして史学にしたの?」とよく聞かれました。きっかけの一つは、小学生のころ、展覧会で興味を持った作品の主題や時代背景を自分で調べることを通して、“学ぶ”ということを初めて楽しいと感じたことです。大学は高校までとは違い、自分でテーマを選び、自主的に知識を深めていくことの出来る場です。大学での4年間で何をテーマに取り組もうかと考えた時、受験や就職のためという実用的な目的ではなく、初心に帰り自分の好きなことを思いっきり勉強したい!と思ったからでした。

大学では、西洋史や美術に関する講義はもちろん、面白そうだなと思った講義は全く違う分野でも何でもチャレンジするようにしていました。講義を受けてみると、自分でも意外なことに実は興味を持っていたことが分かり、物事に対する視野も広げることが出来たのではないかと思います。
卒論のテーマも入学当初は「絵画」とするつもりでいましたが、フランス旅行の際ゼミの先生から、ぜひ一度見ていらっしゃい、と言われたシャルトル大聖堂のステンドグラスにすっかり魅せられ、「シャルトル大聖堂におけるステンドグラスとゴシック聖堂建築プログラムの関連性について」としたのは、4年間の中で忘れられない思い出の一つです。
フランス語の文献を一生懸命読んだり、ステンドグラスのモチーフに対していろいろな解釈の可能性を考えたり、卒論の構成を練ったり、大変だと思う時も時々はありましたが、思考錯誤を重ね、卒論研究に向けた大学生らしい充実した時間を過ごせたことは、社会人になった今も私の強みになっています。

現在は史学と全く違う世界の仕事に就いていますが、大学で培った経験が活きていると感じる時があります。やるべき物事に対して前向きにまっすぐに取り組む姿勢は、どんな仕事にも必要なものですし、いろいろな角度から物事を見る考え方や、その人は何を思ってこの行動を取ったのかと推察する力や、気付かないうちに“物事を見る力”がついていたのだなと思います。
また、素敵な先生方や同窓生との出会いも忘れられません。笑顔の絶えない温かな環境で過ごせたことは、大学から離れても私の支えとなっています。職場では業務を刷新する大きなプロジェクトに携わっていますが、どんな仕事にも共通する基礎的な力や、前向きに広い視野で考える姿勢を史学科で養えたからこそ、難しい仕事にも楽しく取り組むことができるのだと思っています。

これから大学生になるみなさんや在学生のみなさんには、長いようであっという間に過ぎてしまう4年間を、ぜひ思いっきり満喫してほしいと思います。講義はもちろん、サークルに留学や進学など、広がった知識や人の輪の先に、いろんな可能性がたくさん詰まっています。ぜひ、何か夢中になれるものを見つけて、全力で取り組んでみてください。
大学の頃に負けないくらい自分らしく頑張らなくちゃ、と振り返ることが出来るような、そんな充実した大学生活になるといいですね!!

シャルトル大聖堂のステンドグラス(2008年撮影)

シャルトル大聖堂のステンドグラス(2008年撮影)

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