卒業生の声

史学科とわたし

1997年度卒業生 望月 豊(NHK)
東日本大震災の被災地の海を取材

東日本大震災の被災地の海を取材

平成10年に上智大学を卒業して、NHK(日本放送協会)にアナウンサーとして入局し、中部地方や大阪などの放送局で勤務しました。

仕事の内容は、ローカルでは18時台のニュース番組が主でしたが、ナレーションや朗読、潜水リポーターとして国内外の海で水中リポートをするなど、自分の興味のある分野にも取り組んできました。

現在(平成26年)は、東京・渋谷の放送センターで、ラジオのディレクター兼務で働いています。

大学では、日本中世史を専攻し、卒業論文のテーマは、地元の堀越公方(室町幕府8代将軍・足利義政の弟・政知)についてでした。大学院に進むことを真剣に考えていましたが、結局就職を選択し、史学科で学んだことが活かせるのではと、さまざまな知識が求められるマスコミ関係を重点的に受験しました。

もっとも日本史の知識が直接仕事に役立ったことはほとんどありません(そもそも、社会に出てから通用する専門性を求めるのであれば、何を学ぶにしても最低限大学院程度の学歴は必須です)。

ただ、だからといって、史学科で学んだことが無駄だったとも思いません。史学科での経験が役立っていると感じる点を挙げるとすれば、徹底的に「調べる」こと、これはいまの仕事の「取材」にも通じるところがあるのかなと感じています。

そんなことを考えていた矢先、思いがけず嬉しい出来事がありました。

日本史専攻という肩書?を見込まれて、「DJ日本史」という番組に携わりました。タレントの松村邦洋さんと、お江戸好きのアイドル=お江戸ルこと堀口茉純さんと一緒に、お二人の豊富な知識とおしゃべり、松村さんのものまねで日本史を楽しむ番組です。

http://www.nhk.or.jp/r1-night/dj-nihonshi/

残念ながら、今は番組を離れてしまいましたが、なんだかご褒美をもらったような気分で、大学時代に使っていた日本史辞典を15年ぶりに引っ張り出し、「DJもっちー」として毎回楽しく放送に臨んでいました。

また、5月には、神奈川県小田原市で、ご当地で開かれている「北条五代祭り」に合わせて公開収録も行いました。今はどうか知りませんが、在学中は1年生の前期の最後に「悉皆調査」といって、あるテーマについて関連文献を調べ上げるという課題がありました。
その時取り上げたテーマが「後北条氏五代」についてだったので、人生こんなつながりもあるのだなあと一人感激した次第です。

上智はこじんまりとした大学ですが、よく言うように国際色豊かで在学中もさまざまな刺激を受けました。学閥がある会社では弱いかもしれませんが!?、そうでなければ上智ということが社会に出てからも個性になり得る大学です(ちなみにNHKには学閥などは一切ありません)。大学生活で、ぜひ自分の興味・関心を育み、自分という個性に磨きをかけていってください。

DJ日本史で松村さん堀口さんと

DJ日本史で松村さん堀口さんと

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