卒業生の声

人生、いつでも決断できます

2003年度学部卒業・2007年度博士課程前期修了 林実可子(看護師専門学校生徒)
Sicilia,PiazzaArmerinaにて

Sicilia,Piazza Armerinaにて

私が歴史に興味を持ったのは、子どもの頃にみた歴史の本や某TV局の大河ドラマがきっかけでした。大学では西洋古代史を専攻し、卒論では舗床モザイクというテーマを扱いました。舗床モザイクには、文書史料からだけでは分かりづらい、当時の日常生活や思想を想像させるものがたくさん描かれており、興味深いものです。

卒論作成時は実際の舗床モザイクを見たことはなく、テキストのみを頼りに書いていたところ、指導教員より「本物を見なくちゃ」とお言葉をいただきました。一度海外で生活をしてみたいという気持ちもあったため、学部卒業後にアルバイトで貯金をし、翌年イタリアのペルージャの語学学校を皮切りに9カ月間滞在しました。

イタリア滞在中は「今がチャンス」とできる限りの遺跡見学をしました。シチリア一周の際には、たまたま電車で乗り合わせた人が博物館で働いていた方で、無料で見学させてもらえたことがあったり、アクイレイアのお土産屋さんでは舗床モザイクの絵葉書をサービスしてもらったりとラッキーな出来事もありました。遺跡見学以外でも、電車ストライキに巻き込まれる等々イタリアならではのハプニングもありながら、充実した生活を送ることができました。帰国後はせっかく本物の舗床モザイクを見られたのだから、もう少し勉強してみようと思い、再び上智にお世話になりました。

大学院前期課程修了後は事務職として働いていましたが、家族の健康問題や30代に突入したことを契機に、医療関係の3年制の専門学校に入学し、資格をとるべく現在勉強しています。年齢も、歩んできた人生も異なる同級生や患者と接することで、ジェネレーションギャップを感じたり、当たり前だと思っていたことがそうではなかったりなど驚きもありましたが、この年齢になっても新しい学びができることはありがたいことだと感じています。

来年の就職先が今月末に確定する予定です。卒業後は直接的に歴史にかかわる機会はなくなっていますが、史学科で学んだ、複数の視点からそのデータが何を意味するのかを捉えて最適な考えを提示するということは、現在の生活にも役だっています。

受験生の皆さんは、就職など卒業後のことも含めて進学先を検討されていると思います。
色々と心配なこともあると思いますが、どんな場所でも意義ある学びは得られます。ご自分の興味ある分野で、有意義な大学生活が送れるよう応援しています。

Sicilia,PiazzaArmerinaにて

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