近況報告と上智の思い出
私は2014年の3月に上智大学文学部史学科を卒業して現在は一橋大学大学院社会学研究科に所属しています。専攻は中国近現代史で、中国近代軍閥を研究しています。中国の軍閥というとあまりなじみがない言葉かもしれません。中国では、近代に入り日本の戦国時代のような地方勢力が群雄割拠している時期が存在しました。私はそのなかでも、広東省の軍閥「陳炯明(ちんけいめい)」に焦点をあて、彼と広東省で生活している人々がどのような関係性を築いていたのか、ということについて研究を行っています。
上智大では、中国近現代史の笹川ゼミに所属していました。笹川ゼミでは横のみならず縦の交流もあり、先輩、後輩とも様々な意見交換ができたのは良い思い出です。夏休みには卒論報告も兼ねて他の東洋史のゼミと合同で夏合宿を行いました。笹川先生はゼミ生一人一人に対しどんなことでも丁寧に対応してくださいます。私は卒論で1920年代に香港で発行された中国語新聞を使用しましたが、読まなければいけない分量が膨大であったこと、また書いてある中国語を理解するのに時間がかかり、何度も挫折しそうになりました。そのような壁にぶつかった際に、突然先生の研究室に押しかけることもあったのですが、先生はいつも親身になって相談に乗ってくださいました。
専門が中国史ということもあり、学部の頃は長期休暇を利用して中国大陸や台湾に足を運びました。とりわけ卒業論文を書き上げた後に、卒業論文の舞台として扱った香港や広東省を訪ねることができたのはよい思い出です。実際に前述した広東軍閥の陳炯明の故郷にも訪れることができ、非常に感慨深く思いました。
私は中国史を専門としていますが、他専攻の同期や後輩とも交流を持つことができました。その理由の一つとしては、学部1年の時に史学科の同期と立ち上げた上智大学歴史研究会(Sophia History Club)があります。この当時上智大には歴史サークルが存在しませんでした。サークル活動としては半年に一度サークル誌を発行したり、夏休みには日本国内の歴史遺産を巡る旅行にも行きました。立ち上げ当時からはや四年近くたちますが、今は頼りになる後輩たちが後をしっかり引き継いでくれています。また史学科ヘルパー(史学科に入学してきた新一年生のお世話係)をやっていたこともあり、毎年史学科の新一年生とも関わることができました。
いま振り返ると大学四年間は、本当にあっという間でした。私は上智大学を卒業後、一橋大学大学院に進学しました。今はまだ入学したばかりなのですが、今後史料の読解やフィールドワークなどを通して自分自身の研究を深め、修士論文に挑みたいと思います。