上智大学

チーム紹介

河川・湿地チーム

チーム概要

河川・湖沼・湿地の統合管理の実現に向けて、水害リスク解析・軽減、水質調査、水質汚濁原因解明、水資源の利用効率向上と再利用、開発途上国の農村地域における飲用水の安全性、湿地の生態系サービスと賢明な利用、湿地文化・文学・音楽、湿地の法整備などの研究を進めている。ミクロからマクロまで、湿潤地域から乾燥地域まで、開発途上国から先進国まで、ライフスタイルから規制まで、環境問題の複雑性の解明と環境問題の解決策の普遍性を追い求めている。

チームメンバー

黄光偉教授

黄 光偉

地球環境学研究科
地球環境学専攻 教授

このプロジェクト実施代表者、
流域環境学

柴田晋吾教授

柴田晋吾

地球環境学研究科
地球環境学専攻 教授

環境政策

鈴木政史教授

鈴木政史

地球環境学研究科
地球環境学専攻 教授

環境経営

田中嘉成教授

田中嘉成

地球環境学研究科
地球環境学専攻 教授

生態学

まくどなるどあん教授

まくどなるどあん

地球環境学研究科
地球環境学専攻 教授

環境史、環境政策

平尾桂子教授

平尾桂子

地球環境学研究科
地球環境学専攻 教授

ジェンダー

井上直己准教授

井上直己

地球環境学研究科
地球環境学専攻 准教授

環境行政、環境法

杉浦未希子准教授

杉浦未希子

グローバル教育センター
准教授

水資源管理、農と水と社会

薛寒プロジェクトPD

薛 寒

地球環境研究所
プロジェクトPD

水文学

研究レポート

渡良瀬遊水地

足尾銅山は日本の公害問題の原点と言える。この事件により生まれた渡良瀬遊水地に対して、100年のスケールでその環境変動の特徴と起因を整理し、自然と人間活動の両方の影響がどのように複合的に渡良瀬遊水地の環境に作用したかを解明した。また、社会意識と土壌重金属調査結果を合わせて、今後の遊水地環境管理の課題を提示した。

Huang, G., Fu, Y., Xue, H., Li, H.: A Century-long Ex-post Evaluation of a Countermeasure for a Serious Pollution Problem in Japan, Sustainability 2018, 10(12), 10(12), 4385; doi:10.3390/su10124385.

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佐潟

ラムサール条約登録湿地の佐潟において、季節ごとに現地観測を実施し、藻類と水質の時・空間変動パターンが渡り鳥飛来との関係に新しい見解が得られた。

手賀沼

27年にわたって日本の湖沼汚染度ワーストワンの手賀沼において、季節ごとに現地観測を実施し、藻類と水質の時・空間変動パターンと特徴を把握することが出来た。このようなデータにより、手賀沼生態系の完全回復を邪魔する原因をあきらかにした。

円山川

ラムサール条約登録湿地の佐潟において、季節ごとに現地観測を実施し、藻類と水質の時・空間変動パターンが渡り鳥飛来との関係に新しい見解が得られた。

黒河

中国の北西部にある黒河中流域において、水管理政策がどのように地域の持続可能な発展を牽引しているかを解析した。また、飲用水の硝酸濃度分布に変動が大きい原因を地質、農業、水供給システムなどの視点から総合的な分析を行った。

Huang, G., Liu, H., Li, X., Ma, M.: Exploring Drivers of Nitrate Contamination of Drinking Water in an Arid Region of China, Journal of Environmental Informatics, 33(7):105-112, 2019.

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チャオプラヤ河

チャオプラヤ河の水質と大腸菌の時・空間変動パターンを解明するためにタイのRoyal Irrigation Departmentおよびモンクット王工科大学と合同で、チャオプラヤ河本川の上流から下流まで、水質の現地調査を行った。調査結果より、窒素とリンの変動に関するseasonal first flushという新しい概念を提案した。つまり、雨季の初め頃、栄養塩のフラックスが急増した現象である。また、大腸菌の季節変動が窒素とリンの変動パターンと異なったことを明らかにした。さらに、チャオプラヤ河において、河川形態と藻類群集の関係について、新しいかつ今後の河川管理進化に繋がる重要な知見が得られた。
水質問題以外、チャオプラヤ河流域は昔から度重なる水害に悩まされている。水害リスク管理対策を検討するためにチャオプラヤ河流域における降雨-流出モデルを構築した。これを用いて、水害リスクマネジメントのシナリオシミュレーションを行った。また、寺院を活かした避難体制構築の可能性を調査した。つまり、タイのコミュニティ特徴を考慮した減災システムの研究を展開した。これは文理融合の視点から、重要な一歩と言える。

Huang, G., Xue, H. Liu, H., Ekkawatpanit, C., Sukhapunnapha, T.: Duality of Seasonal Effect and River Bend in Relation to Water Quality in the Chao Phraya River, Water, 11(4), 656;

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高美湿地(台湾)

台湾湿地調査により、台湾の湿地保全法が湿地保全に重要な役割を果たしたが、市民への浸透が薄かったことが分かった。特に興味深いことは、湿地周辺の住民は湿地保全の対策に異議を唱えていることである。

その他

Guangwei Huang: Chapter 1: New Frontier in Flood Risk Management, Recent Advances in Flood Risk Management, IntechOpen, 2019.

Guangwei Huang, Zhengjian Shen: Urban Planning and Water-related Disaster Management, Springer. 2018.

Huang G.: Enhancing Dialogue between Flood Risk Management and Road Engineering Sectors for Flood Risk Reduction, Sustainability 2018, 10(6), 1773-1788.

Xue, H, Sayama, T., Takara, T., He, B., Huang, G., Duan, W.: Non-point source pollution estimation in the Pingqiao River Basin, China, using a spatial hydrograph-separation approach, Hydrological Sciences Journal, 2019.
https://doi.org/10.1080/02626667.2019.1617867

Rao, K., Zhang, X., Yi, X., Li, Z., Wang, P., Huang, G., Guo, X.: Interactive effects of environmental factors on phytoplankton communities and benthic nutrient interactions in a shallow lake and adjoining rivers in China, Science of The Total Environment, Vol., 619–620, 1661-1672, 2018.

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