上智大学

チーム紹介

法律チーム

チーム概要

湿地は、治水、利水、生物多様性保全等多様な機能を有しています。一方で、その脆弱性から不可逆性も高く、また古くから漁業農業用に利用されてきたことや湿地の機能への理解不足から過剰利用による危機、開発による危機に常にさらされてきました。こうした機能を有する湿地の保全に向けて、わが国ではラムサール条約に基づく湿地登録を行い、「自然公園法」「鳥獣保護法」「河川法」「種の保全法」等個別法で対応してきました。一方で、韓国では2007年、台湾では2015年にそれぞれ湿地保全を目的とした「湿地保全法」が制定されています。法律チームは、日本で湿地の機能を最大限活用するための法制度のあり方を検討すること目的しています。しかし、自然再生・保全施策においては、制度構築のみならず、自然の特性を考慮した順応的管理のあり方、さらに自然にかかわるステークホルダーの関与を前提とした順応的ガバナンスが重要となってきています。本チームにおいても、法制度の国際比較にとどまらず、「水域管理」「総合的管理」「市民参加」「順応的ガバナンス」をキーワードに、多角的視点からの湿地、水域管理の法政策のあり方を検討していきます。

チームメンバー

織朱實教授

織 朱實

地球環境学研究科
教授

行政法・環境法

北村喜宣教授

北村喜宣

地球環境法学科
教授

行政法・環境法

桑原勇進教授

桑原勇進

地球環境法学科
教授

行政法・環境法

堀口健夫教授

堀口健夫

地球環境法学科
教授

国際環境法

筑紫圭一准教授

筑紫圭一

地球環境法学科
教授

行政法・環境法

鈴木詩衣菜PD

鈴木詩衣菜

地球環境学研究科
PD

国際環境法

研究レポート

円山川

湿地保全の条約である「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」(以下、ラムサール条約)に河川が登録湿地面積に多く含まれる登録湿地は決して多くはない。
本調査は、国際法および国内法の観点から、ラムサール条約の国内実施をテーマとして、2012年に登録された兵庫県豊岡市に位置する円山川下流域とその周辺地域を対象に(1)、2018年に拡張登録の前後で行政や地元住民へのヒアリングなどを通じて、どのような法的課題の把握に努めた。

(1) 登録情報については、ラムサール情報票(RSIS)を参照されたい。
See, https://rsis.ramsar.org/ris/2055

・2017年度円山川下流域調査(2017年11月18日から19日)

・2018年度円山川下流域調査(2018年11月4日から5日)

詳しくみる

Shiina Suzuki, “Promoting the Implementation of Environmental Treaties for Sustainable Tourism: In the Light of the Ramsar Convention”, in 8th Asian Wetland Symposium-Wetland for Sustainable Life-:PROCEEDINGS, Asian Wetland Symposium 2017 Executive Committee, March 2018, pp.122-123.

鈴木詩衣菜、「ラムサール条約における持続可能な観光に関する一考察」『地球環境学』第13号(上智地球環境学会、2018年)、143-148頁。

Shiina Suzuki, “Promoting the Implementation of Environmental Treaties for Sustainable Tourism: In the Light of the Ramsar Convention”, in 8th Asian Wetland Symposium, November 8th 2017, Saga, Japan.

Shiina Suzuki, “Conservation of the River and Its Cultural Value in the Environmental Treaties”, in 12th International Symposium on Ecohydraulics, August 23rd 2018, Tokyo, Japan.

鈴木詩衣菜、「ラムサール条約の義務の則した登録地の管理」、第9回日本湿地学会口頭研究発表、東京農工大学、2017年9月9日。

鈴木詩衣菜、「円山川の流域管理の現状と課題」、上智大学ブランディング事業学寧研究報告会、口頭発表、上智大学、2018年4月3日。

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