サラエボでの生活Life in Sarajevo

体験談

M1の声

初めて日本語を教える場を頂いて、貴重な経験となりました。私は日本にいながらサラエボの学生と日本語を学び、Zoomを使った遠隔授業ならではの利点である「時間や場所を問わず人と繋がれる」ことを強く実感しました。また、既に日本語能力が高い学習者との接点はあったのですが、日本語のひらがなやカタカナを知らない学習者と話すのは初めてだったので、戸惑いもありました。その中で、媒介語として英語を用いながら、日本語の挨拶や自己紹介の仕方を共有し、「自分の好きな日本人を紹介する」というタスクも行いました。このような日本語学習の機会が参加者に前向きな影響を与え、学習意欲の向上に寄与できたら幸いです。

参加者のみなさんは日本語を話すことがとても上手でした。多言語主義の学習者の方と勉強するのは初めてだったので、こんなにも言葉を上手に操ることができるなんてと驚きを隠せませんでした。日本にいたらできない貴重な体験ができたと思います。授業は3回しかありませんでしたが、限られた言葉を使って沢山話をすることができました。授業が終わった今でもSNSを通じて季節のあいさつやメッセージのやりとりが続いています。また来年も会えるといいなと思います。

M2の声

ボスニアへと向かう前、知らない土地に赴くことへの恐怖感でいっぱいだった。というのも、私にはあまり海外経験がない。日本と米国にしか住んだことのない私は、言葉の通じない環境には身を置いたことがなかった。そんな恐怖は、現地に着いた瞬間に吹き飛んだ。ワクワクが勝ったのである。

サラエボで日本語を教えるのはとても楽しかった。もちろんすべてが一筋縄でいったわけではないが、その試行錯誤も楽しみながら過ごすことができた。授業はもちろんのこと、授業外での学習者と交流も大きな楽しみであった。2021年度にオンラインで授業をした際には、授業だけの関係であったが、現地に足を運ぶと、教師-生徒という関係性だけではなく、他の面でも学習者と関わり合いを持つことができる。町を案内してもらう際には、案内者と観光客の関係性になるし、レストランで注文するときに使えるボスニア語の表現を教えてもらう時は、私が学習者である。「教師」としてではなく、一人の人間としてサラエボの人々との関わり合いを持つことができた。加えて、こちらも、「日本語学習者」と接するのではなく、一人の人間とリスペクトを持って接するということが自然にできる。こうした人間関係を築くことは日本語教師を志すものとして大切なことのように思う。