活動についてBackground of the Project

展望

上智大学、とりわけ日本語教育学コースの大学院生は、2015年に始まったこのプログラムを期に交流を続けてきた。2020年以降、感染症の流行により現地での交流が行えなかったが、その間はオンラインでプログラムを継続し、ボスニアだけでなくその周辺国の人も交えた交流を行うことができた。

そして2022年度にはサラエボを訪問する従来の形と、前年度から始まったオンラインのプログラムを組み合わせるという新しい形で交流が行われた。この交流は、上智大学で日本語教育を学ぶ学生が実践的な知識を身に着けられるというメリットだけではなく、普段日本語のネイティブスピーカーと話す機会があまりないサラエボの日本人学習者にとっても大きなメリットをもたらしている。2015年度から7年間にわたって築かれたこの二国間の関係を絶やさず、より強固なものにしていくためにも、このプログラムを存続させることは重要である。

対面形式で行われてきたこのプログラムだが、今後、ボスニアヘルツェゴビナとの関係を継続していくためには、オンライン技術を活用した交流の形も確固たるものにする必要がある。昨今の感染症の流行により、サラエボ大学も上智大学もオンライン技術を活用した授業形態を充実させてきた。2021年度からは、サラエボ大学の日本教室にオンライン授業用のモニターが置かれ、オンラインでの授業を行う環境が整備されている。このような環境の恩恵を最大限活用することによって、交流を持続させ、発展させていこうというのが、両大学の意向である。そのため、2021年度、2022年度とオンラインを活用したプログラム運営を行い、今後の継続的な関係の下地を作ることを目指した。

オンラインを活用することによって、上智大学の学生も、サラエボやその周辺に住む日本語学習者も気軽に参加できるようになることが見込まれる。特に、仕事などをしている者にとっては対面プログラムへの参加が難しかった。しかし、オンラインで行うことによって参加することへのハードルが下がり、従来よりも多くの人数の参加が見込めるだろう。これは上智大学の学生にとってだけでなく、プログラムに参加するサラエボの日本語学習者にも好影響となる。日本語話者と話す機会が少ない学習者達に、多くの言語体験を与えることができるからである。大勢の日本語母語話者と話すことで、学習者にとって貴重な体験を提供できるだろう。