2021年に上智大学大学院日本語教育学コースに入学し、学部の専門は登山だったため、大学院で初めて日本語教育というに触れました。そんな私ですが、2021年の夏にオンラインで初めて日本語を教えて、違う言語やその文化を心から楽しむボスニアの方々と触れ合い本格的に日本語教育に興味を持ちました。2022年、実際にボスニアを訪れ現地の学生と交流を通じ、ここでは書ききれない程の素晴らしい経験をしました。その特別な時間や経験をくれるような人々や国がボスニアだと思っており、ぜひ恩返しがしたいという想い(というか私の我儘)でこのホームページの更新が2022年に行われました。もっとボスニアの国や人々のことを知ってもらいたいという願いが込められていますので、最後まで見ていただけたら嬉しく思います。
日本語教育学コースJapanese Language Education Course
メンバー紹介
2022年度
/Masahiro Hatakeyama
/Shoya Ishihara
元々、学部時代には英語を専門に勉強していたのですが、留学したことを機に、日本語教育に興味を持ちました。そのため、まだ日本語を教えた経験は浅く、日本語を初めて教えたのは2021年度にオンラインで開催されたサラエボ大学との交流プログラムでした。初めてのクラスで、しかもオンラインという難しい環境でしたが、その経験は自信と日本語を教えることへのモチベーションとなりました。翌年の2022年度には現地に赴き、現地の暮らしや文化、言語に触れ、ただ教えること以上の濃密な経験をすることができました。日本とボスニアヘルツェゴビナの繋がりを絶やさないためにも、みなさんにもぜひボスニア、そしてこのプログラムに興味を持っていただけたらと願っております。
/Masako Ito
日本語教育学コース博士前期課程2年の伊藤雅子と申します。日本語学校で教鞭をとりながら、大学院で日本語教育について学んでいます。2021年はオンラインで初級クラスを担当し、2022年は実際にサラエボに行き対面で中級と上級クラスを担当しました。このプロジェクトを通して日本から遠く離れたボスニア・ヘルツェゴヴィナの地にも、日本や日本の文化に興味を持っており、真摯に日本語を学んでいる志の高い学生が多いことに感激しました。同時に日本語教師として更に精進したいと切に思うようになりました。海外で教えた経験は、私にとって大きな財産となっています。
/Honoka Kondo
日本語教育学コース1年の近藤穂香です。学部から日本語教育を理論的に勉強してきましたが、実際に日本語を教えるのは初めてでした。オンラインの初級クラスを担当しましたが、そもそも初級授業で何を教えたらいいのかがわからないところから始まり、オンラインで教える難しさで、試行錯誤の夏休みを過ごしました。
授業では、自己紹介と他己紹介ができるようになることを到達目標に設定して、自分の趣味や好きなこと、更に自分の好きな日本人について紹介してもらいました。日本語を勉強したことがない皆さんでしたが、スポーツ選手や文豪を紹介できるほどまで日本語を操れるようになったので、教える立場として達成感を得ることができました。日本の文化について学びたいというニーズもあったので、英語を媒介語として、七夕や銭湯、刺し子を紹介しました。「日本文化をより身近に感じることができた」というコメントをいただき、私のお気に入りを共有できたことに喜びを覚えました。私にとって今回のプロジェクトは、場所を問わずに人と人が繋がることができるというオンライン最大のメリットを生かした日本語教育の場となりました。
/Kokoro Ito
日本語教育学コース1年の伊藤こころです。大学3年次に日本語教育学の授業を受講したことがきっかけで、日本語を教えることに興味を持ち、大学院に進学しました。大学院1年目にサラエボの日本語プログラムにオンラインで参加させていただくことになりました。当初は、初対面の学生にオンラインで日本語を教えることに不安を感じていましたが、みな積極的に授業に参加してくれ、1人1人と柔らかな雰囲気の中でコミュニケーションを取ることができました。授業では、ボスニア語特有の表現や、両国の文化の違いについての興味深い意見が出され、教師側もボスニアについて多くのことを学ぶことができました。学習者のニーズ分析からコースデザインまで、一から授業を設計するのは初めての経験でしたが、仲間に助けられながらプロジェクトを終えることができました。反省点は多々残りましたが、日本語を教えることの奥深さや難しさを改めて感じることができ、非常に有意義な経験をすることができました。
昨今日本語教育では言語運用能力を身に付けるための教育にパラダムシフトしています。この日本語教育プログラムは、大学院の春学期で学んだSLA研究の最先端で行われている理論や、教授法、授業展開などの知識を、実践で試す大きな機会となりました。「自分の趣味を日本語で伝える」というタスクベースの授業を行いましたが、具体的に授業プランを練ったり、実行することは初めてだったので、最初はとても戸惑いました。しかし、プロジェクトのメンバーに相談に乗ってもらったり語学に通じたクラスメイトに当日のサポートに入ってもらうなど周りの協力を仰ぎながら、なんとか無事に授業を行うことができました。大変でしたがこれらの経験は今後の自分の財産になったと思います。
一般的にオンラインクラスは対面と比べてコミュニケーション活動に限界があると考えられがちですが、今回の実習において現地へ行かなくても「交流できた」という実感と手応えを感じることができました。授業が終わった今も学習者の方と季節のあいさつや、質問などのメールを貰うことがあり、とても嬉しく思っています。
2016~2018年度
/Yumi Orihara
本プロジェクトは、学内教育イノベーションプログラムとして採択された「2017〜2019年度日本語教育学コース実地研修プログラムの開発:多文化共生社会への貢献」によるものである。
2015年度に上智大学大学院に「日本語教育学コース」が設置されたが、実地研修の場が提供されていないことが課題であった。これに伴い、2016年夏に、日本語教育学コース修士課程生2名が、本学と連携協定を締結しているサラエボ大学(ボスニア・ヘェルツェゴビナ国)において、3週間の日本語夏期講座をボランティアで担当した。
/Ayako Miyamoto
プログラム参加前、サラエボは「紛争」のイメージが強く、安全面に少し不安を抱えながら訪れましたが、到着後すぐにそのイメージは変わりました。一方で、現地で生活したり、日本語プログラムのクラスで学生と交流したりする中で、サラエボには、教育の機会が奪われかねないという厳しい現実に直面している方々も多いと実感しました。また、特に日本語のクラスで文化や生活について意見交換をした際、彼らの価値観や考え方が、宗教や「古くない」歴史と密接に結びついており、それを理解することが、サラエボで日本語教育をする上で重要な役割を占めるとも思いました。このような経験をするうちに、サラエボという国の歴史や文化、宗教などをもっと知りたいと思うようになり、日本以外の国で、同じようなバックグラウンドを持つ方々に日本語を教えることの楽しさや醍醐味も感じました。
/Yukiko Imashiro
日本語教育学コース修士2年の今城雪子です。学部ではフランス語を専攻し、日本語教育もあわせて学んできました。今は大学院の日本語教育学コースで、中間言語語用論の分野を専門にしています。2017年度と2018年度にプロジェクトに参加し、2年ともビギナーコースと上級のクラスを受け持ちました。現在は日本語学校で教えていますが、海外で教えるのは初めての経験で、互いの言語の違いから語学に対する姿勢の違いまで多くのことに気づかされました。1年目の反省点は、2年目により学生さんたちのニーズに合った授業を提案するために生かすことができたと思っています。また、サラエボ大学・東サラエボ大学で日本文化を紹介したジャパンデーや、サラエボ大学で行われた異文化コミュニケーションに関するワークショップに関われたことも大変貴重な経験になりました。
/Erina Matsushita
日本語教育学コース1年の松下瑛里夏です。大学二年時から日本語教育を学び、現在は大学院に通いながら国内の日本語学校で教えています。2018年度に初めてプロジェクトに参加させて頂きました。海外で教えることに加え、コースシラバスを作成することも初めてで、最初は本当に手探りの状態でした。初対面の学生さん達とのクラスでは予想外のことや新しい気づきが絶えることなく、毎回の授業を終えるたびに次回の内容を練り直したりして、3週間はあっという間に過ぎていきました。しかし短期間だからこそ、教師も含め参加者同士の繋がりを大事にするようなコミュニケーション活動にしたいと思い、自分も楽しみながら授業を考えることができました。プロジェクトが終わった今でも学生さんから質問等のメールをもらうことがあり、とても嬉しく思っています。反省の連続ではありましたが、なんとかやり遂げた経験は、今後の自分の財産になったと思っています。貴重な経験の場を頂けたことに、とても感謝しています。