2012年11月8日(木)
今日は控えめに授業は2コマ。英語学科2年生対象の「英文講読(現代社会)2」と一般外国語の再履修生対象の「英語中級」。どちらも伝統的な(?)英文和訳中心の授業だ。訳読の授業は「古臭い」「化石のようだ」「かび臭い」「英語力が身につかない」などと昨今ではすこぶる評判が悪いけれど、二つの全く違う言語の間で翻訳作業に苦心することは、知的な訓練としてとても重要だし、決して時代遅れだといって捨て去ってはいけない有意義かつ有益な種類の苦労だ。
入力側の原文の内容を正確に理解していないと、正しく翻訳することは出来ない。一方で、出力側の言語についても、豊かな語彙力や表現力がなければ、分かりやすく魅力的な訳文を作ることは出来ない。僕の授業では、翻訳といえるほど突っ込んだ和訳作業の訓練までは出来ていないけれど、それでも英語の内容を日本語を使って理解する作業を地道に続けることで、両方の言語の力を養うことになると僕は考えている。英文和訳の授業を実践するのが上智大学で僕ひとりになっても続けていきたい。