831

サッカー大国のワールドカップ(W杯特集第1弾)


ポルトガル語学科3年
三好祐樹(みよし ゆうき)

こんにちは。
私は今年の2月から、交換留学制度を利用してサンパウロ大学に留学中です。
大学では、外国人向けポルトガル語の授業以外にも、先住民の間で話されているトゥピ語の授業などを履修しており、ブラジルならではの大学生活を楽しむことができています。はじめは慣れないことが多かった生活面でも、4か月を過ぎてかなり現地に溶け込めたかなぁと思っています。

さて、現在ブラジルはW杯の真っ最中です。ブラジルと言えばサッカー大国として名を馳せていて、今回のW杯も現地ではかなり盛り上がっているというイメージを持つ方が多いと思います。
しかし、ここサンパウロの状況は少しだけ違って感じます。というのもサンパウロではW杯の開催に反対するデモが頻繁に起こっており、大学内にも開催反対を訴えるポスターがたくさん見られます。また自分の周りのブラジル人でもサッカーに興味のない人が多くいて、ブラジル人はみんなサッカーが好き!という私が持っていたイメージとは少し違った印象です。それでも街は黄色と緑のカナリア色に包まれ、ブブゼラが響きわたるなどサッカー大国としての雰囲気は十分に味わうことができます。

そんな中、私は日本の初戦であるコートジボワール戦を現地のレシフェで観戦しました。ブラジル北東部に位置するレシフェは美しいビーチリゾートや植民地時代の街並みが有名ですが、一方でブラジル国内でも犯罪率が上位に入るなど、治安面はよくないと言われている場所です。それでもスタジアムにはたくさんの日本人の姿がみられ、選手たちへの声援はホームさながらといった感じでした。また、印象に残っているのは多くのブラジル人が日の丸のハチマキをするなどして日本を応援していたということです。スタジアムに向かう途中や、レシフェの街中でも自分たちを見つけると「ニッポン」コールが起こり、一緒に写真を撮ってくれと頼まれました。結果は残念でしたが、ブラジルと日本のつながりやレシフェの人々の陽気さを感じることができました。

留学生ブログ画像(三好祐樹20140622)01日本代表の初戦、コートジボワール戦。Arena Pernambucoにて。

一方、2戦目のギリシャ戦はサンパウロでパブリックビューイングのボランティアに参加して観戦しました。これは日本戦の3試合で開催されていて、主にサンパウロ大学の日本人留学生などがボランティアとして参加しています。カレーや豚汁、牛すじ煮込みなどを作って販売するのですが、どれも本当においしくてブラジルにいることを忘れてしまいそうなほどでした。従来このようなイベントは日系人の方が中心となって行われていましたが、今回のように主に日本人が企画、運営するのは新しい試みのようでした。この日はおよそ400人もの方が来場しましたが、日系人や日本人、それから日本好きなブラジル人などそれぞれのカテゴリーを超えて日本に声援を送る様子はとても心に残っています。このように日本に背景を持った様々な人と交流できるのはサンパウロの魅力と言えると思います。(それにしてもサンパウロに住んでいる日本人は本当に多い!)

留学生ブログ画像(三好祐樹20140622)02パブリックビューイングのボランティアの様子。

私が留学した年にW杯が行われるのは本当にラッキーでしたが、そのおかげで楽しい経験ができています。留学では勉強だけでなく、たくさんの人との交流や、旅行をして現地の文化に触れることも大きな魅力です。残りの留学生活も半年となりましたが、日本ではできない経験をたくさんして帰りたいと思っています。

留学生ブログ画像(三好祐樹20140622)03カナリア色に装飾されたサルバドールの町。Festa Juninaも重なってとてもきれいでした。