環境先進都市フライブルクでの留学生活

西村優菜

Guten Tag!皆さん、こんにちは!現在、ドイツのフライブルクに留学しているドイツ語学科2年の西村優菜です。私は2023年の9月からアルベルト・ルードヴィヒ大学フライブルクにドイツ語学科の制度「在外履修」を利用して半年間留学をしています。この記事を通してフライブルクでの生活や大学の授業、今までのドイツでの経験などをお伝えしようと思います。現在、留学から約三か月が立ちましたが、月日の流れが驚くほど早いです。この記事がこれからドイツ留学や在外履修を検討されている方、また、ドイツ語学科に関心を持っている方々の手助けになれば幸いです。

まず、私がフライブルク大学に留学を決意した理由は、フライブルクが世界各国から注目を集める環境先進都市であるからです。私は高校3年時からフライブルクの持続可能な環境政策や環境教育に関心を持っており、上智大学外国語学部ドイツ語学科への入学を決意しました。そのため、フライブルクに在外履修を通して留学をすることは私にとって非常に大きな目標でした。また、私が受験生の時に、ドイツ語学科の留学生ブログを読んでいたので、今私が実際に発信する側に立てている事がとても嬉しいです。

Schlossberg(シュロスベルク)からFreiburgの様子が一望出来ます。

Schniederlihoh(シュナイダーリホフ)でハイキング

実際に、フライブルクで生活を営んでいると、環境に配慮をした様々な政策を知ることが出来ます。街内を走っているトラムや、「Nextbike」(ネクストバイク)と呼ばれる自転車貸し出しサービス、多数の環境問題に対して取り組むNGO、シュバルツバルトの森林保全政策など、実際に自然と人間が調和した環境都市づくりを体感することが出来ます。

また、フライブルクでは自然環境に配慮した交通対策として車を使わない「地域環境定期券」などの政策を導入しているため、街中の移動手段は主に徒歩かトラムです。また、フライブルクは学生都市でもあり、世界各国から多くの留学生が集まります。環境政策や自然環境を学びに留学に来ているヨーロッパからの学生も多く、同じ志を持った仲間を見つけることも出来ます。ドイツでゆっくりと自然に触れながら生活したいという方に特にお勧めの在外履修先です。

環境都市Vauban(ボーバン)地区へ

Friday for futureのデモに参加してきました

フライブルク大学の冬学期は10月から開始されるのですが、私は9月に行われる事前講座(サマーコース)に参加しました。毎日朝の9時から12時まで行われ、最後にはテストやプレゼンテーションがあり、クラスはレベルごとに分かれています。そのため、同じようにドイツ語を学んでいるヨーロッパからの交換留学生と共に授業を受けることが出来ます。

イベントも毎週・毎日開催されている為、友達作りやフライブルク周辺の観光をしたい場合にも最適な環境が整っています。私はそこで一生の友と呼べるトルコ人とイングランド人の友人が出来ました。クラスメイトと先生とも仲が深まりました。朝から毎日授業がある事、イベントに沢山参加したりなどで、体力的・精神的に辛い思いもしましたが、それ以上にこの経験から得られた考えや経験、人との繋がりは私にとって非常に大きかったです。その為、私はフライブルクに留学を考えている方はフライブルク大学のSLI(Sprachlehrinstitut・語学教育センター)の事前集中講座を受講することを強くお勧めします。

ドイツで最も暖かい場所「Kaiserstuhl」
(カイザーシュトゥール)

念願のSchwarzwälderKirschtorte
(シュヴァルツヴァルダー・キルシュトルテ)

また、留学先大学で「タンデムパートナー」を見つけ一緒にそれぞれの母国語を教え合う制度がフライブルク大学にも存在します。私はその制度に2回申し込み、メールアドレスを交換したのですが、メールを送ったものの、連絡が取れず、どうしようかと判断に迷っていた際に、「タンデムディナー」という大学が主催しているイベントを見つけました。それは自分自身で他の参加者と会話し、自分に合うタンデムパートナーを見つけるというイベントでした。私はそこで気の合うタンデムパートナーと出会いました。週に1回一緒にドイツ料理を食べたり、2月に在外履修生向けに行われる最終試験に向けての勉強や私が受講している授業のプレゼンの準備、日本食やドイツ料理を一緒に作ったりしています。自分自身で見つけるので、自分に合う友人と共に沢山の時間を過ごせるので、このような点もフライブルク大学の良い点だなと感じます。

そして、フライブルクは「美女と野獣」や「ハウルの動く城」の舞台となったフランスのコルマールやクリスマスマーケットが美しいと有名なストラスブールまで2時間以内で行けるなど、フランスやスイスに旅行をしたいと考えている方に最適な場所です。また、フライブルクはドイツで一番温暖な街という所も良い点です。

ドイツと日本では文化の違いや気候の違いも大きく、最初の一か月程度はドイツでの生活に慣れることが大変でした。特に、ドイツはとても乾燥するので、乾燥対策用に日本から肌に合う保湿クリームを持ってきて本当に良かったなと感じています。

パキスタン出身の友人とハロウィンパーティー

手巻き寿司で友人をおもてなし

私はSeepark(ゼ―パーク)の近くに位置するフライブルクの学生寮で一人暮らしをしています。初めての一人暮らし、初めてのヨーロッパということもあり、沢山のトラブルに見舞われました。その一部を今回紹介します。フライブルク到着日、無事に寮に着いて部屋まで辿り着き、一息ついた後、部屋を出ようとしたらドアが開かないハプニング。一時間格闘し、その日に出会ったフライブルクの学生に部屋の前まで来てもらい助けてもらいました。。日本とドイツではドアの仕組みが違うので渡航前に知っていたら、このようなハプニングは防げるかもしれません。

現在フライブルクに来て、約3か月が経過しましたが、到着日から沢山の心優しい友人に恵まれ、イングランド人の友人の誕生日会やドイツ人の友人の住んでいるシュバルツバルトの村で行われる伝統的なパレードに招待されるなど、日本では出来ない経験を通して、異文化を理解する心を体得することが出来ていると実感しています。また、フライブルクでの生活を通して、実際にドイツ人の環境意識の高さを感じる機会が多く、自分自身の環境意識の向上にもつながっています。また、私は「フライブルクはなぜグリーンシティーであるのか」を学ぶ授業を受講しているので、フライブルクでしか学べない事、日独の環境政策の違いなどを学ぶことが出来ています。ドイツ語能力の向上だけではなく、フライブルクでの様々な経験を通して自分自身について見つめ直す良い機会となっています。残りの約4か月も後悔のない日々を過ごしていきたいと思います。

この記事を読んでくださった皆さんがドイツやフライブルクへの留学に対して少しでも前向きな気持ちを持っていただければ幸いです。

伝えたい事が沢山あり、長くなってしまいましたが、ここまで読んで頂きありがとうございました!