こんにちは、イスパニア語学科3年生の江浦健太です。私は2014年の8月から大学を1年間休学し、外務省の「日墨戦略的グローバル・パートナーシップ研修計画」というプロジェクトの国費留学生としてメキシコに滞在しています。この研修計画は今年で42回目を迎え、イスパニア語学科の先生方の中にもこの留学制度を利用してメキシコに国費留学した方が何人もいるほど歴史あるプロジェクトです。
留学するにあたって私が考えていたことは「己の知らぬ世界を知る」ということでした。その前提に基づいて進んだ結果、自然とラテンアメリカに目が向き、その中でも上智大学で学んでいくうちに興味を抱いた「メキシコ革命」を研究テーマにしたいと思うようになりました。加えて上記のような国費留学があることを知り、留学先としてメキシコを選択するに至りました。
私の通っているメキシコ国立自治大学(UNAM)は、全校生徒30万人以上にも上るラテンアメリカ最大の大学で、キャンパスのある地域一帯が世界遺産にも指定されています。私は現在CEPEという外国人向けのクラスに所属し、主にスペイン語を使っています。また大学内には日本語を学ぶ学生も多いため、お互いの文化や言語を紹介しあう機会も多々あり、日々とても勉強になっています。1月から始まる次の学期からは本格的に大学の学部の授業に通うことになるので、今後は自分の研究テーマであるメキシコ革命を題材としたクラスに積極的に参加していきたいと考えています。
私の住むメキシコシティは、充実したメトロの路線や主要道路に立ち並ぶ高層ビルなど、イメージとしては東京に近いところもあります。が、その一方では整備されておらず亀裂が入っている歩道、あまり整っていないライフライン、デモ行進などで道路が封鎖されるなど、日本では珍しい出来事もこちらでは頻繁に見受けられます。メキシコの治安には悪いイメージを持つ人も多いかもしれませんが、夜遅くに外を歩かない、満員電車ではスリに注意するなど、当たり前のことに気を付けていれば普通に生活する上では何も問題はありません。私自身も今のところは特に危険なことに出会ってはおらず、メキシコの人たちはとても明るくフレンドリーなので慣れればとても住みやすい国ではないかと思います。
学校が休みの時などは、同じ国費留学で仲良くなった日本人やメキシコ人の友達と、グアナファトやサン・ミゲル・デ・アンジェやアカプルコなどへ旅したり、週末はメキシコ人の友達の家のフィエスタに招かれたりと、メキシコならではの休日を楽しんでいます。行く都市によって雰囲気が一変するのもメキシコの魅力であると思います。
果てしなく長いと思っていた一年間のメキシコ生活も、無我夢中のうちに早いもので三分の一が過ぎてしまいました。残りの7ヵ月間がより充実した日々になるよう、更に頑張りたいと思っています。