トリア大学夏季語学研修 -真の上級者との出会い-

溝口藍

こんにちは。ドイツ語学科3年の溝口藍です。

現在、トリア大学の夏季語学研修に参加しています。

4週間のプログラムのうち1週間強が経過したところで、コースの概要と私個人の近状について報告したいと思います。


コースはドイツ語の授業とアクティビティで構成されています。

平日の午前中は90分のドイツ語の授業が2コマ、午後には講演やゼミナール、夕方にはミニゴルフや散歩などのアクティビティがあります。休日にはルクセンブルクやフランス(!)へのツアーも用意されています。”Ferien Kurs(休暇コース)”を謳っているだけあり、遊びの部分もとても充実しています。

また、大学ではドイツ語教授法のゼミナールが開講されているため、参加者には母国で外国語教育法を学んでいるという学生さんが多いです。教育法の分野に興味がある方はぜひ語学研修への参加をお勧めします。


さて、恥ずかしながら私はこれまで、自分のドイツ語力に自信を持っていました。上智に入学して以来、先生や友人からドイツ語が上手いと褒められ続け、今年の6月にはGoethe-ZertifikatのB2にも受かりました。今回の講習では一番上のクラスに振り分けられ、意気揚々と授業に向かいました。

ところがです。

クラスメイト達はネイティブスピーカーかと思ってしまうほど、自由自在にドイツ語を操っています。話を聞くと、母国でドイツ語教師をしているという方や、5年間ドイツに住んでいるという方もいます。

本当に驚きました。

一方、私は自己紹介に対する簡単なツッコミにも答えられず、好きな映画の魅力すら語ることができません。これには参りました。最初の2、3日は涙目になりながら授業中じっと座っていました。

思い返せば、私はこれまで大学の授業で評価されることや資格試験に受かることばかりを考えていたのかもしれません。現状に満足してしまい、自分が本当に言いたいことをドイツ語で表現する努力を怠っていたようにも思います。

そんなこんなで、さらなる高みを知り、気持ちを新たにした次第です。

幸いなことにクラスメイトも、ほんのりダニエル・クレイグ似の先生も、とても優しく、なんとか頑張れています。みんな外国語学習の辛さを知っているから優しいのだと思います。

アクティビティにも積極的に参加したおかげで、友人もでき、不安を共有したり、話す練習をすることもできるようになりました。アイスカフェでスパゲティアイスを食べるのも大好きになりました。

今も時々涙目にはなっていますが、おそらくやりきれるでしょう。

貴重な気づきを得られたことに感謝し、残りの3週間を過ごしたいと思います。​

土曜日のMoselツアーにて