皆さん、こんにちは!ドイツのHalle(Saale)(ハレ、ザーレ)に留学している、ドイツ語学科二年の飯塚満海です。私は、2022年の10月からマルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク(Martin-Luther-University Halle-Wittenberg)にて、在外履修を行なっています。この記事を書いている今、ドイツの大学の多くは既に復活祭(イースター)のお休みに入り、私自身も帰国準備に追われています。在外履修を振り返ってみると、去年の10月から今年の3月までの約6ヶ月間の留学は、驚くほどあっという間でした。私の半年間の体験を、皆さんと共有させてもらうことで、本ブログ記事が、これからドイツ留学や在外履修を検討される方々の手助けになれば、幸いです。
まず、私が滞在していたハレ(ザーレ)という場所の名前を、初めて聞く方は多いのではないでしょうか?ハレは東ドイツ、ザクセン=アンハルト州最大規模の都市である一方で、自然に囲まれた「都会すぎない」雰囲気が、自分にぴったりでした。市内は基本的に、学生証でトラムに乗って移動することができ、大学近くのMarktplatz(中央広場)まで出れば、必要なものがお手頃価格で揃うため、非常に便利な街です。また、周辺にはベルリンやライプツィヒなどの人気都市もあり、さらには、他の留学先に比べて、プラハにも近いため、チェコに行ってみたい方にはオススメの在外履修先です。
こうした大きな都市に囲まれたハレですが、他の大都市に比べて、ドイツ語を必要とされる場面が多いと感じました。「ドイツにいるのだから、当たり前なのでは?」と思われる方も多いかもしれないですが、ドイツには、英語を流暢に話せる人が多いため、外国人や観光客が多い都市に行くと、日常生活で英語を使う機会が多くあります。しかし、ハレの日常生活で、学校から一歩出てしまうと、英語を使うことは、ほとんどありませんでした。外国人局でも、ドイツ語のみでの対応が目立つなど、自然とドイツ語を使う場面が多いのはドイツ語留学をしている私に、適した環境だったと思います。また、ハレ大学の雰囲気も、現地の学生の方が多い印象で、留学生の中でも、ERASMUS(エラスムス)というシステムで留学しているトルコやヨーロッパからの学生さんが大半で、学校では、ドイツ語と英語を両方使う場面がほとんどです。そのため、ドイツ語力のみならず、英語力も自然と身に付く環境でした。特に、週2回行われるドイツ語の言語コースの受講生の方とは、ドイツ語と英語を交えて会話するため、日本では決してない経験ができたと思います。
正直、上智大学のドイツ語の先生がハレ大学出身で、大学の話を聞く中で、「面白そうだな…??」と思ったのをきっかけに、在外履修先をハレに選んだため、今振り返ってみると、理由としては少し弱かったようにも思いますが、今では、ハレを留学先に選んで、本当に良かったと感じています。もちろん、ドイツの中には、数多くの美しい都市が存在していて、どの都市に行っても良い経験になること間違いないと思います。しかし、今回の留学を通じて得た学びの一つとして、「どこに行くか」ということよりも、自分がそこで「何をするか」が、留学という経験を左右するということが挙げられます。例えば、渡航後に、ハレ大学の日本語学科が無くなったということを、初めて聞きました。最初は、もうタンデムができず、ドイツ人と交流する機会が持てないのでは…と思ってしまいました。しかし、ハレ大学で出会った留学生を通じて、結果的に、日本語初級クラスに補助として、参加させてもらうことができ、そこで知り合ったドイツの学生さんとは、クリスマスマーケットに行ったり、料理を作ったり、今でも連絡をとるなど、たくさんの交流が生まれました。つまり、行きたい場所を選ぶことは、もちろん大切ですが、そこで自分がどう行動するかということが、より重要視されるのが「留学」だと学びました。そのため、今、どの大学に行きたいか悩んでいる方は、その地で、自分がどんなことをしたいか、または何ができるかをイメージしながら考えてみると、候補の絞り込みが、少し簡単になるかもしれません。
私にとって、ハレで過ごした半年は、今までのどんな6ヶ月という時間よりも濃いものになりました。知らない国に行って、一人で生活をするということは、楽しい時だけでなく、苦労したり、悔しい思いをしたりすることもあるため、自分が描いていた「留学生活」とは全く違うものになるかもしれません。私自身も、今思い返せば、想像していた留学とは全く違うものに仕上がっていました。もちろん、今回は「語学留学」でしたが、ハレで出会った人々や経験を通じて、語学プラスアルファのものを、数多く得ることができたと思います。滞在許可証の取得や住民登録、銀行開設などを「自分で」行うということは、それだけ新しい経験を得るということなので、思いもしなかったところで問題が発生したりもします。しかし、そうしたハプニングも、自分の知っているドイツ語を何とか駆使して、一つ一つ乗り越えることによって、「留学」という経験が成り立っているのだと、今回強く感じました。
お話ししたいことが盛りだくさんで、長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。