はろー。ドイツ語学科2年の飯村峻介です。私は在外履修という制度を利用して、現在バイエルン州の下の方に位置するEichstätt(アイヒシュテット、以下アイヒ)という小さな街にある大学に留学しています。もうそろそろ帰国するということで日本に帰国するワクワクとアイヒを去る寂しさが混じった複雑な心持でこのブログを書かせていただきます。
まず私がこの街を選んだ理由ですが、特にありません。ただ上智からの枠が1枠で、その街に日本人が多すぎなければいいかな程度には考えていて、それをもとに留学先を探していました。アイヒは最初候補にすらありませんでしたが、教授から日本人があまりいないよ、とアイヒをお勧めしていただいてここに決めました。
いざ来てみると、ほんとに日本人がいません。もちろん知り合いの1人もいません。日本人があまりいなくて上智から1枠の場所に行きたい、なんて言っていた留学前の自分をぶん殴りたくなりました。初めての1人暮らしや日本語をほぼ使わない生活がこれから始まるという不安から、人生最大級のメンブレが来ました。あそこまでメンタルがブレブレになったのは初めてでした。しかし、アイヒに着いて間もなく学科の友人が来てくれて2ヶ月間ひとつの部屋で急遽同居するというアブノーマルなことが起きたおかげで、生活に対する不安はそれによって消えました。アイヒにはショッピングモールはもちろん、洋服屋や有名チェーンのレストランなど、日本にいたときには当然のようにあったものがありません。レディースや子供服は売っていますが。Google Mapに、ショッピングモールがあると載っていたので行ってみたら、少し大きめのパン屋さんでした。ケータイショップがあると載っていたので行こうとしたら、そもそも存在すらしていませんでした。信号がありません。そんなことばっかです。(笑)いろいろなドイツの都市に遊びに行きましたがアイヒが一番在外履修先で田舎だと私は思っています。
また、そのことに誇りすら感じています。確かにアイヒは田舎ですが、生活するには十分な街です。大きなスーパーがありますし、もし服が欲しくなったら電車で一時間半のミュンヘンやニュルンベルクに友達に会いに行きがてら買えばことは足りると思います。また小さい街ならではの利点として、住民登録などの手続きが簡単ということと人が本当に暖かいということがあります。ほかの都市の人が冷たいというつもりはありませんし、比較するつもりもありませんが、ただ人が優しいということは必ず言えます。
街の環境が原因で辛いのは最初だけですが、それよりも煩わしくて持続的な悩みが、対人関係でした。生活の慣れによって多少は紛れますが、これに関しては自分でどうにかしなければならない問題です。秋学期前の事前講習に参加していなかった私は周りよりも友人関係に遅れをとっていました。また、日常会話すらままならない状態であった当時の私はいかにしてそれを乗り切ったかというと、「体を張ること」でした。アイヒに到着して間もないころ、大学の留学生のみんなでミュンヘンで行われているオクトーバーフェストに行こうということになり、これが私の留学生活の最初のビッグイベントでした。アウェーオブアウェーの中、私がその時したことはお酒をほかの人よりたくさん飲むことでした。(笑)有名になりたい若手芸人のように、なにか爪痕を残そうと考えた結果が、それでした。今考えればかなりあんぽんたんですが、それがきっかけで自分のことを覚えてくれたり、仲良くなれた人もいるので後悔はしていません。なにか自分のインパクトを残すことって大事なんだと思いました。
また、対人関係について、周りの人たちが自分より語学能力が高いということにも悩んでいました。授業や日常会話において、いやというほど痛感させられました。しかしこれに関しては気にしないことが一番だなと割り切ったら、案外気分が楽になりました。勉強してきた環境も違えば年数も違う。自分を無理やり正当化させて気にしないようにしました。このとき思ったことは、「せっかく留学してるんだから、、、、、」などのような自分を縛り付けるような考えはあまり持たないほうがいい、ということでした。確かに、留学してるのに家にずっといるのはもったいないですが、無理はしなくてもいいのかなと思います。目標は大事ですが、あれこれとたてすぎるとどれも中途半端になってしまうことになると思い、目標を少なく絞って生活するようにしました。そうしたらとても充実したし、またある程度ドイツ語も話せるようになれました。また、周囲の人たちとはしゃべれないことをコンプレックスに感じずに、楽に接していたら友達も自然と増えていき、自然とドイツ語も上達。ここで少し脱線した話になりますが、きれいな人が多いんです、ほんとに。そのため、話せるようになりたいと思うモチベーションがそこら中にありました。また、授業中にペアワークなどをするとき、ドキドキすることが多いです。見た目クールなのに実際めちゃめちゃオチャメ。ギャップ。やばいっす。さすがヨーロッパって感じですね。すみません、それだけです、はい。話を戻します。先ほどの友達の話ですが、全員と気が合うわけではないので、気が合わないと感じたら、無理せず半年だけの仲だと思ってそこも割り切って接していました。日本にいたときはこのような友達との接し方について考えたことすらなかったので、とても新鮮でいい機会になりました。
最初の1週間は帰りたくて帰りたくて震えてましたが、帰国を前にした今、寂しくて寂しくて震えています。私が10月頃みんなに帰りたいと嘆いていたときよく、帰るころには寂しいとか言ってるよと言われましたが、その通りになっていてちょっと自分でもわらけてきます。体験したことのない辛さもたくさんありましたが、それはすべて自分の中の経験値になったと思っています。この約半年間を振り返るとなぜかすべてがいい思い出で辛いことなんてなかったかのように思えるような素敵な環境、友達に囲まれた留学生活でした。
長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。