って高校生の自分に言っても絶対信じないだろうな〜。
こんにちは、現在パリ第二大学の経済学部に交換留学をしている福永匠と言います。2016年9月から2017年6月まで留学する予定で今は4ヶ月が過ぎ去ったところです。私にとって初めての海外となった留学生活ももうすぐ後半戦に突入します。いやー本当に最初の3ヶ月は地獄でしたがこれからもっと楽しくなるのかなー、なってほしいなーって感じです。今回は私がこの4ヶ月で学んだ事と、このブログは高校生に向けてということなので進路のことについても少し触れたいと思います。肩肘張らずにリラックスして読んでみてください。それでは、どうぞ!!
とりあえずやってみる、やればわかる
まず初めに留学生活についてですが自分にとって初めての海外ということもあり、しかも中学生の頃から慣れ親しんでいる英語ではなくフランス語社会ということも相まって初めの3ヶ月は困難の連続、日本に帰りたいと思うこともありました。しかし乗り越えてみればなんのその、今振り返ると大したこともなかったように思えます。行政手続きやら学校、寮関係の手続き、身近な点ではスーパーでの買い物や交通機関の乗り方まで最初は知らないことだらけでなにをするにもストレスフル、面倒くさいと感じていましたが一度知ってしまえばあとはそれを反復するなり応用するなりでスムーズに進めました。これは持論ですが「経験は最大の武器」だと思います。
未知の、未経験の事柄はとてつもなく難しいことのように思えますが、どんな凡人でも一度経験済みのことはそつなくこなせるし簡単に思えるようになります。例えば学生であれば初めてのレポートやプレゼンは要領がつかめず大変だと思いますが一度経験してコツをつかんでしまえば2回目以降は楽に感じるはずです、だからこそ若いうちに多種多様な経験を数多く積んでおくことはその後の人生全般において効いてくるのではないでしょうか。場数を踏むことはそれだけで強みになります。これを私は「経験力」と勝手に名付けます、よければ明日から使ってやってください。
次に留学場所、パリについてですがこれはもはやいうまでもないですね。小学生でも知ってるし下手すれば都道府県名覚えるよりも先に「パリ」という名前をを知るのではないでしょうか。街並みは綺麗だし観光名所が山ほどあります。最近ヨーロッパ各国を旅してきた友人に話を聞くとパリほど一つの街に観光名所が密集している都市はなかったと言っていました。一国を代表できるほどの観光地が徒歩圏内にあるくらいですし、流石は世界一観光客が多い国の首都なだけはあります。その上毎週の如く街のどこかでイベントが開かれていたりして、もう飽きることがありません!。ただし道路は汚いし交通量が多くクラクションはうるさいし最近では大気汚染もひどいなど負の側面もやはりあります。実際にきてから幻滅しないよう、いわゆるパリ症候群に陥らないよう一度調べてからのほうがいいと思います。
それからテロの影響についてですが、私にとって今回が初めての渡仏となったので以前との比較をすることができず、ニュースで報じられているように観光客数が激減しているのかどうか直接判断することができません。しかし平日や週末でも午前中の時間帯ならば美術館やその他有名観光地にほとんど並ばずに入場することができているため、やはり減っているのかもしれません。例えばオルセー美術館には三度行ったのですが入場するのに並んだのは年末年始をパリで過ごすために観光客が普段より増えていただろう大晦日の日だけでした。
また治安に関しては非常事態宣言が続いていることもありフランス全体としてかなり敏感になっているように感じられます。ショッピングモールに入る際には必ず鞄のチェックがあり、また路面店であっても店舗によっては確認があります。更に観光名所や主要駅、また街中であってもライフル銃を携帯した軍人の方が巡回しています。パリでのテロ事件からは1年以上たちましたがヨーロッパ全体では頻繁に発生しており、また観光客数の減少は観光立国フランスにとって大きな打撃となるので、パリの街全体として警備が厳重になっているように感じられます。もちろんいつなにが起こるかわかりませんがフランス政府のこうした対応によって普段はいつも通りに生活することができているので今後も留学することは可能だと思われます。パリ、フランスへの留学を考えている方もそこまで過剰に心配することはないので、安心してください。
そして何故経済学部で勉強しているのか。私は上智大学ではフランス語と同時に国際政治を学んでいました。しかし政治を学ぶ中で現代国際社会において根幹を成しているのは国の政治、そして企業の経済活動であると私は考えるようになりました。政治の影響力は言わずもがなですが、一方で経済というものは政治以上に人々の生活に密着し、そして時には国家・社会に多大な影響を及ぼしています。巨大な多国籍企業の動向が国や地域を越えた影響力を持つこともあります。そのような状況の現代において経済についての知識が皆無であることは危険であると考え、思い切って経済学を学ぶことに決めました。前期では企業の管理・運営について学ぶ授業と情報科学、プログラミングを学ぶ授業を現地のフランス人学生に混じって受けていました。正直何言ってるかわからないし期末テストがこれからなのでなんとも言い難いのですがとりあえずなんとかなってます。単位もきっと取れるはずでしょう、多分、、、。
まとめると経験力も、パリの実態も、経済学についても、実際に自分で体験するすることによって初めて理解が得られることだと思います。やりたいこと、知りたいことがあればとりあえずやってみるべきではないでしょうか。
BonjourとMerciは魔法の言葉
次に私がこの4か月で感じたフランス特有の文化について書いていきたいと思います。私はフランスを特徴づけるものは議論、会話であると思っています。フランス人はよく話します。フランス人の友人自身が「フランス人は政治の話をするのが好きだ。」と言っていましたし、確かに寮の友人たちは米大統領選の翌日は「アメリカ国民はクレイジーだ」と話していました。また寮のある友人が人種差別をしたのではないかと言って皆で話し合っている場面にも遭遇しました。日本ではプライベートでこうした話題について意見を交わすことが滅多にないのでこれはフランス的な特徴だと感じました。
そのほかにもフランスではバスに乗るとき、レジで会計を行うとき、食堂で配膳してもらうときなどいつでも必ずBonjourと挨拶をし、別れ際にはMerciやAu revoir(さようなら)と言います。こちらははただの文化的習慣にすぎないのかもしれませんが、それでもやはり私の目にはコミュニケーションに重きを置いているように映りました。現実に今もフランス語が流暢にしゃべれるかといえばほど遠いレベルですが、挨拶と感謝をすれば人間関係は作れるし、良好なコミュニケーションはとれるのではないかと思います。そしてこれはフランスに限らず世界中どこに行っても通用するのではないでしょうか。私はフランスに留学してから改めてこれらの基本的なコミュニケーションの重要性を再確認し、日本に帰ってからも忘れず実践していきたいと思いました。この点に気づかされたことはフランス語と直接の関係はないけれども留学して学べてよかったことだと強く認識しています。
フランスなのに英語?
フランスに留学しているのだからフランス語さえ勉強していればいいと思っているそこのあなた、私はフランスに来てから英語の重要性を改めて感じることとなりました。これについて話すためにまずは私が住んでいる寮の紹介から始めたいと思います。
留学する場合大抵の大学では大学付属の寮があり、そこに比較的安い値段で住むことができます。しかし私が通うパリ第二大学では付属の寮がなく自分で探すしかありませんでした。パリで住居を探すことは難しいといわれており、また家賃も地方に比べると割高なので一苦労でした。試行錯誤した結果、最終的には前年度留学されていた先輩に紹介していただいた私営の寮に入居することとなりました。オンライン上で申し込みをし、その後は何回もフランス語でメールのやり取りを行い渡仏2週間ほど前に確定しました。
寮の所在地は厳密にはパリ市内ではなく西の郊外の町にあり、通学に時間がかかることだけがネックなのですがそれ以外は満足しています。この寮というのは若い人なら誰でも住むことができ学生だけでなく、社会人として働いている人も多いです。また住人の国籍も多様でフランスだけでなく、近隣諸国のイタリア、スペイン、ポルトガル、フランス語圏からはモロッコ出身の方もいます。アジア人は少なく日本人は自分だけ、韓国人と中国人もわずかに住んでいる程度です。また平日の朝晩は食事が出るのでみんなで一緒に食べることが多く、会話する機会が家に帰ってからもあります。
ここでようやく冒頭の英語の話に戻ります。前述の通りに国籍が多様で、またフランス語を机に向かって学習したことがない人たちもいるために会話では英語とフランス語の両方が使われます。彼らにとって英語は話せるのが当たり前なので、こちらとしても英語がある程度理解できる必要があります。また普段の生活においても大学や商業施設、郵便局などでフランス語がいまいち話せない場合、英語で話してくれることが多いです。たとえフランスであっても英語さえ話すことができれば日常生活で不自由を感じることはないかもしれないと感じました。英語は国際語としての地位を確立しています。さらに言えば今後、大学を出ていて教育レベルの高い人と自分も付き合っていく、勝負していくのだと考えているならば相手がどこの国出身者であっても英語は話せなければならない、話せるのが当たり前だということです。フランスに来て英語の重要性に気付くというのはおかしなことのように聞こえるかもしれませんが世界全体における英語の普遍化の波はそこまで来ているのだと肌で感じることとなりました。
さてここまで留学について書いてきましたが皆さんの興味を引くことはできたでしょうか。留学というと、とても華々しいイメージがあるかもしれませんが(私はそうでした)、実際にはつらいことも多いです。しかしある先輩の留学体験記の中で読んだ次のフレーズが私にとっては忘れられません。「留学中に大変なことは山ほどあるけど、留学をしなければよかったと思ったことは一度もない。」と。もしみなさんも留学に関心があればぜひともチャレンジしていってほしいと思います。
正解となる道はない
さてここからは高校生に向けて進路選択に関して少し書きたいと思います。タイトルにもあるように自分自身大学入学後にフランスに留学することになるとは全く思ってもいませんでしたし、正直今でもなんで俺フランス語読めるようになってんの、って不思議に感じることがあるくらいです。もし今現在やりたいことが見つかっている人はそれに向かって邁進すればいいと思います。しかし高校生で自分のやりたいことが見つかっている人は少ないと思います。それでも安心してください、大学生やましてや社会人の中でも明確なビジョンが自分の中に定まっている人は少ないと思います。
自分は高校生の時にこの学部がいい、というのはありませんでしたが、なんとなく将来海外に出たいという思いから国際系の学部を志望するようになっていきました。大学受験を経て上智大学のフランス語学科に入学したわけですが実は第一志望ではありませんでした。しかしそれでもその選択を間違っていると思ったことはないですし、今となってはよかったとさえ思っています。当時の自分が全力を出し切った結果の事だし、大学在学中になんにも得られず終わるくらいならばフランス語という一つのスキルをもって卒業できると思うからです。またこうしてフランスに留学し英米圏とはまた違うものの見方や体験ができていることはそれもまた幸運なことだと感じています。
高校から大学へ、大学からその先へと人生におけるライフステージを上がる際には選択肢が膨大となって、自分がやりたいことは何か、自分にとっての正解となる道はどれか悩みわからなくなることでしょう。しかし初めから正解を選ぶことはできないと私は思います。実際にやってみたら全然興味がなかったということだってあるでしょうし、それが本当に自分にとっての最適解なのかは検証しようがありません。それならばいかなる結果になろうともそこで努力し突き進むしかありません。
自分の場合は高校生の時に一番やりたかったことはフランス語ではないけれど今となってはフランス語を勉強してよかったと感じています。自分の中で大まかな方向を決めたらそれに向かって努力し、その結果がどうなろうともまた次の段階、そのステージで努力するしかないと思います。だから今高校生のみなさんもまずは今の勉強を頑張りどんな結果になろうともまたその分野で成長していってほしいと思います。正解を選ぶのではなく、選んだ道を正解にしていけるように。
そうはいっても大まかにも自分のやりたいことがいまいちわからないよーという人もいるかもしれません。その人たちにとっておきのヒント、思考法を教えたいと思います。それはやりたいことではなく、「やりたくないことリスト」を自分の中でつくることです。将来こうはなりたくない、この分野だけは全く興味がもてないというのをリストアップしていって、それを消去した中から自分の方向性を定めていくと簡単にある程度は決まってくると思います。もし人生の進路選択で悩んでいる人がいればぜひともこの方法を試してみてください。
それでは自分も残り半年のフランス生活を頑張りたいと思います、みなさんも頑張って下さい。読んでいただいた方ありがとうございました。Merci !!