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生成文法標準理論では句構造規則により、Xバー理論以降は主要部パラメターにより句構造の終端記号である語彙項目(及び形態素)の線状的順序は直接読み取られると考えられてきた。極小主義では句構造として無順序二項集合を仮定し、Kayne (1994) の反対称性理論の線状対応公理に基づく線状化が一般に仮定されてきたが、日本語のようないわゆる主要部が最終尾にくる言語では、多くの音形を持たない機能範疇と大量の語順を整えるだけの移動を伴うことになる。本講演ではXバー構造にグラフ理論を適用した Kural (2005) を、裸句構造 (Bare Phrase Structure) に拡張した提案 (Toyoshima 2013, 2016) を紹介し、Ā移動が破棄された Chomsky (2024) での外在化と転送される統辞体について思索する。


今年で12回目を迎えるSophia Open Research Weeks は、上智大学で日頃から展開されている多彩な研究活動の成果を、広く世の中の皆さんと共有しようという企画です。名称にOpenの語があるように、すべての人に「開かれた」催しです。 SORW2025では、研究機構と機構を構成する常設・時限両部門の研究所・研究センターのほか、附置研究機関などが、およそ3週間にわたり、講演会、シンポジウム、ワークショップや展示など、さまざまな企画を展開します。対面・オンライン・ハイブリッドと開催形式も多様です。ご自身のライフスタイルに合わせてSORW2025をお楽しみいただければ幸いです。皆さんのご参加をお待ちしています。



上智大学言語学会では、第39回年次大会を2025年7月19日(土)に開催致します。 2025年度は四谷キャンパスにて対面で開催する予定でございます。 午前は研究発表(口頭発表)、午後はシンポジウムを開催予定です。 また、口頭発表の募集も受け付けております。 口頭発表は、上智大学言語学会会員でなくても応募することができます (ただし、採用された場合には入会する必要があります)。 詳しくは、下記のお知らせ、または上智大学言語学会ホームページをご参照ください。 ※口頭発表の募集は〆切ました。



本シンポジウムは、さまざまな外国語教育の関係者が一堂に会し、日本の外国語教育の未来を拓くための具体策を練り、それを実現するための機会としています。2013年の第1回シンポジウムから「外国語教育の未来を拓く」という共通テーマを掲げ、JACTFLとSOLFICが主催組織として、毎年3月に上智大学で継続的に行ってきました。 本シンポジウムにおいて、私たちは、日本における多言語・複言語教育の未来を拓くための具体策を練り、意見交換する場を提供するとともに、多言語・複言語教育を推進していくために、小中高大の外国語教育者・研究者や外国語教育施策に関わるステークホルダーらがそれぞれの研究知や実践知を発信する機会をつくってきました。 JACTFLは、これまで日本の外国語教育施策に係る文部科学省や東京都教育庁などの上層部に対して、日本社会において多様な外国語教育を推進するための建設的な提案を組織的に粘り強く行ってきました。またJACTFLは、10年以上に及ぶ地道な活動によって、長く続いた言語種と教育段階の厚い壁を打ち破り、あらゆる言語種、あらゆる教育段階、あらゆる言語形態などを直接つなげました。その結果、異なる背景を持つ関係者同士がアイデアを出し合い協働するという、従来存在しなかった外国語教育者間のネットワークの構築を実現しました。 今回の第13回シンポジウムは、「平和の心をはぐくむ複言語教育」を副題とし、これからの10年、20年を見据え、日本社会が切り拓いていく外国語教育の未来、ひいては日本と世界が共創する外国語教育の未来を考える機会にしたいと思います。

Chomsky (1993)や Lasnik and Funakoshi (2011)では、それぞれA’連鎖、A 連鎖に対してLF において分散削除 (scattered deletion)が適用されるケースが議論されている。本講演では、日本語の間接疑問文の疑問詞が分裂化する現象(Takano2021 を参照)の分析に基づいて、PF でもA’連鎖に分散削除が適用されるケース(Nunes 2004 などを参照)が存在することを論じる。分散削除は痕跡理論では捉えることが困難な現象であり、その存在は移動のコピー理論の妥当性を示す強い証拠だと考えられる。さらに、分散削除分析を仮定すれば、間接疑問文の分裂化において観察される特殊な韻律パターンが、Ishihara (2002)の音韻的阻害効果(phonological intervention effect)の一種として捉えられる可能性があることを指摘する