中東の「公共性と福祉」研究会の実施報告(2021年9月26日(日) オンラインミーティング)

NIHU地域研究推進事業「現代中東地域研究」上智大学拠点は、科研費基盤研究B「ムスリム社会におけるマスラハ(福利)の実践―弱者の権利をめぐる比較研究」との共催で、中東の「公共性と福祉」に関する研究会を開催いたしました。以下は当日のプログラムとその報告です。

【日時】2021年9月26日(日)14時00分~16時00分
【場所】オンラインミーティング
【プログラム
14:00 – 14:05 趣旨説明(岩崎えり奈)
14:05 – 14:50長谷部 史彦(慶應義塾大学文学部)「中近世エジプト都市の慈善と救貧」
14:50 – 16:00 ディスカッション

【報告
中近世エジプト(マムルーク朝期およびオスマン朝期)の都市において、慈善(khayr, iḥsān, birr)と救貧がどのような環境や制度のもとで実施されたのかについて、多数のアラビア語史料に基づき包括的な報告が行われた。その中では、ワクフ対象施設での慈善活動と救貧機能や、イブン・バットゥータの『大旅行記』をもとに移動する貧者を支える施与と歓待について詳細に説明され、具体的事例の収集・分析・検討の蓄積の必要性などが結論づけられた。質疑応答では、救貧の対象となるには信心深さが基準となるのかや、優先となる対象、墓廟での救貧活動の目的、慈善経済の拡大による闇経済や派生経済活動出現の可能性、サビール(給水所と学校の複合施設)の構造・用途、異教徒の利用の可否など、様々な分野の参加者から多数の質問が行われた。最大44名の参加があり、非常に盛況な研究会であった。

文責:近藤文哉


*本研究会は、上智大学イスラーム研究センター、NIHU地域研究推進事業「現代中東地域研究」上智大学拠点 社会経済学班、科研費基盤研究B「ムスリム社会におけるマスラハ(福利)の実践―弱者の権利をめぐる比較研究」(代表:堀井聡江)を主催として実施されました。
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