マグリブ研究セミナー「モロッコにおける伝統的都市形成とコミュニティによるインフォーマル空間の適応実践(Traditional Urbanism and Community-Based Spatial Informal Adaptation Practices in Morocco)」
2025年7月24日(木)
上智大学イスラーム地域研究所は、アキル・シェッダーディ博士 (慶應義塾大学総合政策学部・訪問講師)をお招きし、以下の講演会をハイブリッドで開催いたします。
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本講演では、モロッコの植民地期(1912-1956)から現在に至る都市政策の変遷をたどり、旧市街(メディナ)と現代のスラムやインフォーマル居住地(ドゥアール)の形成およびその社会的意味を考察します。植民地的な中央集権型の都市計画は伝統的な都市形成を阻害し、旧市街を政策の周縁へと追いやりました。一方、インフォーマル居住地は地域コミュニティ主導の都市形成プロセスを継承し、社会文化的慣習や住民の空間的実践を通じて独自の都市空間を築いてきました。本発表では、ラバト市内の「ドゥアール・ドゥーム」を具体的事例として取り上げ、現地フィールドワーク、住民インタビュー、歴史資料の分析を通じて、インフォーマル居住地が単なる都市問題ではなく、地域固有の都市文化や伝統的都市形態の延長線上にあることを明らかにします。これらの考察を通じ、脱植民地的な視点に基づくより包摂的で持続可能なまちづくりの可能性を探求します。
オンラインでご参加の方には、当日のURLを後日お知らせいたします。
17:30-17:35 Opening;岩崎えり奈 Erina IWASAKI(Sophia University)
17:35-18:30 Lecture;Aqil Cheddadi
18:30-18:40 Commentator;私市正年Masatoshi Kisaichi (Sophia University)
18:40-18:50 Commentator;深見奈緒子Naoko Fukami (Sophia University)
18:50–19:15 Discussion