中内 政貴 (なかうち まさたか/Nakauchi Masataka)

2020年着任 教授 博士(国際公共政策)(大阪大学)
オフィス: 2−923
MAIL: nakauchi@sophia.ac.jp

担当科目

(博士前期課程)地域統合研究1, 2
(博士後期課程)地域統合専門研究1, 2

研究関心

国際政治学、平和構築、地域統合、地域機構
地域統合が進展する中での規範の生成と伝播、その国内政治への影響について研究しています。特に近い過去に紛争を経験したような国にとって、こうした規範はどのような影響を与えるのか、に強い関心を持っています。また最近はEUの影響力の低下に伴い、これまで生成されてきた規範の揺らぎや異なる規範との競合にも関心を持っています。

主要業績

(1)『資料で読み解く「保護する責任」-関連文書の抄訳と解説』大阪大学出版会、2017年(共編著)
(2)「少数民族保護規範の受容とその影響-旧ユーゴスラヴィア諸国における履行と内面化の過程を例として」『グローバル・ガバナンス』第2号、2015年、15-29頁
(3)「OSCEの役割の変遷-欧州における階層的安全保障共同体の中で」神余隆博、星野俊也、戸﨑洋史、佐渡紀子編『安全保障論-平和で公正な国際社会の構築に向けて』信山社、2015年、85-104頁
(4)「平和構築-国家の枠組みをめぐる合意の不在」高橋良輔、大庭弘継編『国際政治のモラル・アポリア-戦争/平和と揺らぐ倫理』ナカニシヤ出版、2014年、171-205頁
(5)「ローカル・オーナーシップと国際社会による関与の正当性-マケドニアにおける国家建設を事例として」『国際政治』第174号、2013年、111-124頁

学生へのメッセージ

私の研究関心は、紛争と平和に関する国際・国内の政治にあります。主体間の相容れない利害の衝突としての紛争は、どこでも不可避的に発生しますが、多くの国内社会ではこうした紛争を平和裡に解決するためのルールや制度や規範が機能しており、紛争が暴力の行使に至ることはまれです。しかし、国際社会にこうしたルールや制度や規範を整備しようとする努力はまだ道半ばであり、暴力に至ってしまう紛争が少なくありません。しかも、ひとたび発生した暴力は、収まった後も何年も何十年も社会に悪影響を与え続け、少しのきっかけで再発につながりかねません。一方で、紛争を解決し平和を築こうとする主体も国家、国際・地域機構、市民社会組織など多岐にわたり、少しずつではありますが前進している部分もあります。紛争と平和について考えるためには政治、経済、法や制度にまたがる幅広い知識と、柔軟で応用の効く思考力が必要です。共にこの難問について考え、議論することを楽しみにしています。