広大なロシア・東の端と西の端

ロシア語学科 3年
鴇田 一樹

 みなさん、こんにちは。現在、モスクワ国立言語大学で留学生活を送っています、ロシア語学科3年生の鴇田一樹です。現在、夏真っ盛りの8月ということでもちろん大学は夏休み。(一部の学校では授業があるそうですが・・・) ということで、ロシア各地へ旅行をしている次第です。今回はそんな私がした旅行の一部である極東のヴラジヴォストーク(ウラジオストク)と西端のカリーニングラードについてみなさんにご紹介したいと思います。

 ウラジヴォストークは太平洋に面した港湾、軍港都市であり東アジアの文化を残しつつ発展していった街です。

市内あちこちで軍用艦をみかけます

市内あちこちで軍用艦をみかけます

 ここヴラジヴォストークの名物にピヤンセがあります。肉まんのようで中は餃子の味。ロシアにはなかなかない一品でした。

見かけは肉まん(?)みたいなピヤンセ

見かけは肉まん(?)みたいなピヤンセ

 街を散策してみてまず気づくのは車が右ハンドルであるということ! ヴラジヴォストークには主に日本・韓国からの輸入中古車が多く、かなり大規模な市場があるみたいです。まるで日本にいるみたい・・・そのくらい日本車が多いです。

車だけ見ていると日本にいるようです

車だけ見ていると、ここがロシアだということを忘れそうです

 そして、ヴラジヴォストークの観光の目玉といえば市街地とルースキー島を繋ぐ金角湾横断橋です。全長約1.4kmに及ぶこの橋は世界第5位の大きさを誇ります。 向かいの鷲の巣展望台からの景色は素晴らしいです。

金閣湾横断橋の全体像

金閣湾横断橋の全体像

 この橋は徒歩でも渡ることが可能なので、渡ってみました。でも暑くて、水分補給は必須ですね・・・

歩いて渡ることもできます

歩いて渡ることもできます

 市街地の外れには港湾都市では当たり前というか、付き物なのですが灯台もあってそこから見る日本海アムール湾の景色はとても綺麗でした。

海の上にひっそりとたたずむ灯台。映画に出てきそう。

海の上にひっそりとたたずむ灯台。映画に出てきそう。

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 一方、ロシアの西端に位置し、ポーランドとリトアニアに挟まれた飛び地であるカリーニングラードは第二次世界大戦以前まではドイツ領で、ケーニヒスベルクと呼ばれていたドイツの雰囲気を残すロシアの都市です。

ハンザ様式の建物

ハンザ様式の建物 いかにもドイツ風な雰囲気です

 ここは琥珀(こはく)の名産地として知られ、現在バルト海沿岸で産出される琥珀の約90%はこのカリーニングラードの原産だそうで、市内には世にも珍しい琥珀博物館まであります。

琥珀(こはく)博物館にて

琥珀(こはく)博物館にて

 

市内のいたるところで琥珀がお土産として売られています。

市内のいたるところで琥珀がお土産として売られています。

 また、カリーニングラードは『純粋理性批判』の著者として有名なイマヌエル・カントの出身地としても有名です。ゴシック様式のカリーニングラード大聖堂の一角にたたずむカントのお墓も観光名所の1つとなっています。大聖堂の中にもカントにまつわる品々でいっぱいです。幼少期のカントはよく大聖堂の書物を利用していたそうです。

  

カリーニングラード大聖堂

カリーニングラード大聖堂

 

カントのお墓

カントのお墓

 カリーニングラードのもう一つの観光スポットに「門」が挙げられます。市内16箇所にある門はそれぞれに個性的な歴史があるので、それを巡ってみるのも一興です。

門の中央にある彫刻はそれぞれ左からボヘミア王のオットカール2世、プロイセン王フリードリヒ1世、アルブレヒト公爵

門の中央にある彫刻はそれぞれ左からボヘミア王のオットカール2世、プロイセン王フリードリヒ1世、アルブレヒト公爵


 近郊の街スベェトラゴールスクにはバルト海に面したビーチが広がっており、地元の人たちの人気スポットとなっています。

ビーチにはたくさんの海水浴客が

ビーチにはたくさんの海水浴客が

 ロシアはモスクワやペテルブルクのような主要都市だけではなく、この領土の広大さを味わって旅行することも楽しみの1つではないでしょうか。みなさんも是非、ロシアの様々に異なる土地柄や文化と触れ合ってみてください!