カザフスタン留学記:留学の感想と2月の短期研修に訪れる皆さんへのアドバイス

Здравствуйте, Сәлеметсіз бе!

皆さんこんにちは、カザフスタンはアルマトイのカザフ国立大学に留学していたロシア語学科の山下悠也です。

執筆時点ですでに留学開始から3ヶ月が経過、アルマトイでの生活にも大分慣れてきた時点で、今回のブログでは全体的なカザフスタン留学の印象を、留学を終えての感想を交えて記すとともに、2月に短期研修でアルマトイを訪れる皆さんにアドバイスをお伝えしたいと思います。

まず、前回のブログに少し訂正を入れておきます。冬の気候について、最低マイナス10度などとお伝えしましたが、実際には現在(12月中旬)冬が始まったばかりですが最低マイナス15度、最高気温も氷点下という気温が続いています。1月・2月の冬本番にはマイナス20度を下回ることも珍しくはありません。

観光名所も雪景色

観光名所も雪景色

さて、カザフスタンの印象ですが、とにかく人々が優しくて社交的という印象が第一に思い浮かびます。留学中には様々なバックグラウンドをもつ人々と知り合いましたが、日本語を勉強している学生や同じ大学の様々な学部で学ぶ学生、タクシーの運転手など、多くの人が親切でお喋り好きであり、こちらの拙いロシア語も気にせず積極的に話しかけられます。アルマトイで快適に楽しく過ごせていたのは現地の人の親切心あってのものだと感じます。カザフ民族には「外国人はお客様なのでもてなさなければならない」という伝統があるらしく、また歴史的にも様々な民族との交流の中で文化が育まれてきたこともあり、このように外国人に対し親切に接するようになったとのことです。

文化的な違いとして気づいたのは、カザフスタンの人は全員がダンスできるということです。誇張ではなくて本当に全員が踊れます。なんなら「なんで日本人は踊らない(踊れない)の!?」と聞かれます。残念ながらこれはなぜかわかりません。

また、治安の良さも実感したところです。もちろん犯罪はありますし、混んだバスなどではスリに細心の注意を払わなければなりませんが、おそらく諸外国ほどの神経質さは必要ないでしょう。ヨーロッパなどと違って飲食店で机の上にスマホを置いておいても持っていかれてしまうことはないし、おそらく椅子にカバンを置いて席を離れても大丈夫です。友人が雪の中スマホを落として絶望的かと思っていたら親切な人が拾ってくれ、金銭を要求されるでもなく届けてくれたのには大いに驚きました。治安に関しては、人々の親切さも相まって、日本よりも良いのではないかと思うほどです。

一方、気候については、11月には早くも気温が氷点下に達するようになり下旬には雪も常に積もっている状態になって、留学当初9月の「過ごしやすい」という評価からは一転寒くて大変という評価に変わってしまいました。ただし屋内はセントラル・ヒーティングで常に温かいのが救いどころです。

もちろん冬の気候や空気の汚染と乾燥、日本と異なる生活環境に順応するのは大変なことですが、全体としてとても良い国だなという印象を強く持ちました。

さて、遅くなりましたが短期研修の皆さんへのアドバイスです。主に持ってきたほうが良いもの、持ってこなくて良いものなどについて説明したいと思います。また、私自身は長期留学なので短期とは少し事情が異なることがあると思いますから、ご自身で取捨選択するのが良いでしょう。

まず先にも書きましたが厳寒であるので、できる限りの防寒具を持ってくることを強くお勧めします。コートや帽子、ブーツ、手袋、カイロのほかユニクロの「ヒートテック」は必須でしょう。もちろん防寒具は売っていますが、到着したその瞬間から寒いでしょうし少し高いので、こちらで調達するのは期待せずに日本で買うのがいいと思います。ただし、屋内はセントラル・ヒーティングのため暖かく、また日中は日本の冬程度に気温が上がる日もあるため、調節可能な服装であるとなお良いでしょう。

また乾燥はかなり酷いので、肌や喉などに不安がある人は保湿ができるようにし、のど飴やトローチ、ハンドクリームなど持ってこられたほうが良いです。のど飴・トローチ等売っていますが、医薬品は日本のもののほうが安心でしょう。

日用品についてですが、こちらは安いので特に持ってくる必要はないでしょう。ただしティッシュ・トイレットペーパーなど紙製品はすべて厚くてゴワゴワしているので、必要な方は日本製品があるといいです。またラップを使うことを想定しているなら、こちらのラップの品質は本当に悪いので日本のラップを持ってくることを強くお勧めします。

食事と食料品についてですが、皆さんは1ヶ月の短期留学ですし、また滞在場所の調理環境もわからないので、持ってこずにこちらの食生活を楽しめばいいと思います。ただし、菓子等の嗜好品や果物などは買う機会があると思われますので、売っているもの・売っていないものを食材・調味料・嗜好品に分けて紹介しておきます。

食材ですが、米は日本米に近いものが売っています。肉は豚肉がやや入手しにくいですが、他牛・鶏・羊・馬など普通に売られています。野菜は色々なものが容易に入手でき、日本など東アジアの野菜も輸入されて売っています。果物は様々な種類のものが日本よりもかなり安く売っており、おすすめです。海鮮魚介類は基本的に買うのはおすすめできません。加工食品も豊富な種類のものが売られています。

和食調味料ですが、本当に売っていないのはみりんです。醤油は日本のものを見つけるのは難しいです。顆粒だし・味噌は高いですが売っています。洋食調味料に関しては、ケチャップはあります。マヨネーズはありますが日本のものと味が違います。ソース(ウスター、中濃、デミグラスなど)はありません。コンソメや固形ブイヨンはあります。コチュジャンなど韓国調味料はすべて揃っています。豆板醤や鶏ガラの素など中華調味料はありません。カレー粉などのスパイスやハーブは大体あります。

嗜好品について、菓子はカザフスタンのものやロシア・ヨーロッパのもの、LOTTEもあります。日本の菓子はお土産としても使えますし、持ってきて損はないかもしれません。お茶は紅茶や緑茶などが売っていますが、緑茶の品質は日本製品の方が高いと思います。酒類に関しては、日本酒はレストランで飲めますが高い上に銘柄の選択肢も少ないです。ジャパニーズウイスキーも同様。普通のスーパーで売っているのは基本的にビール・ウォッカ・ワイン・コニャック・ウイスキー(スコッチが多い)とその他のリキュールです。ヨーグルトや飲むヨーグルトは買う機会が多いと思われますが、たくさん売っていますのでご安心を。

以上になりますが、質問があればぜひ受け付けていますので、先生方から私の連絡先を聞いて直接連絡をいただければいくらでもお答えします。

それでは今回はこの辺りで締めたいと思います。
Сау бол!

※管理者注:本ブログ記事は、Webページ管理者の手違いによりアップロードされるはずがされていなかった当初の記事に、その後加筆修正を加えていただいたものです。執筆者の山下さんにはご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。加筆修正にご同意いただきありがとうございました。