昨年就職活動を経験し、今年春から外資系ITソフトウェア企業に勤務されているポル語学科の先輩からのメッセージです。
就職活動のスタート時、私は2つのことを考えていました。1つ目は「人の心になって考え、他に喜びを与えられる人生にしたい」ということです。これは「他者のために、他者とともに」との大学理念のもと、培った信念です。3年でコートジボワールを訪問。経済開発が著しい一方、深刻な格差を目の当たりにしました。以来、民間セクターを活用した包括的な市場開発に携わりたいと考えるようになりました。そこでまず、民間企業で実務経験を積むことにしました。2つ目は「心を開き、広い視点をもちたい」ということです。「私でも人の役に立てること」を様々な切り口で探ることで夢に近づけると考えたからです。最初から業界を絞ることなく、IT、コンサル、金融など、様々な業界で就職活動を経験していきました。
いざ面接が始まると、不安や落胆がありましたが、抱え込まず、家族や信頼する方々に、話をよく聞いてもらいました。就職活動の過程で得た気付きは2つあります。1つ目は、家族や身近な方々の存在といった一見当たり前のことに感謝していく心です。私自身の努力は勿論ですが、これまで多くの支えがあって今こうして就職活動に臨めるのだと。感謝で取り組むと、結果が駄目でも貴重な機会をくださった感謝で前向きに切り替えることができました。2つ目は、「ありのまま」の自分を信じることです。始まる前から、失敗やリスクが気になる自分でしたが、先輩の「失敗も大切な過程。あなたらしさを評価してくれる会社がきっとあるよ!」という言葉に励まされ、まず自分をありのままに見つめることから始めました。そして今できることから1つひとつ行動しました。皆、他の誰にも代われない、大切な何かをもっています。「そうだ、自分を良くみせたいと思っていたけれど、ありのままで良いんだ!」と気付いたのです。
就職活動を終えてから感じたことは2つあります。まず全て無駄にならないということです。良からぬ結果に迷いが生じたこともありました。しかし、何が無駄で、何が有益かは最初から分かりません。ですから、失敗を恐れずに挑戦していく。挑戦して挫折や失敗をしたとしても、必ず新たな展開があり、違った形で良い方向が見えてくるはずです。数々の失敗は、むしろ私の人生の財産であり、今後どんな困難も必ず乗り越える覚悟に変わりました。2つ目に、自分と向き合い、苦手・弱みを変える貴重な機会に恵まれたことです。元来、相手の考えに合わせることが多く、自分の意見を主張することが苦手でした。しかし、就職活動を通して、相手を尊重しつつも、以前より自信をもって語れる自分に変われたと感じています。
これから就職活動に望まれる皆さん、2年後、或いは10年後に「こうなりたい」という強い意志が、激動の現代世界にあっても、自分を前進させる力になると思います。感謝を忘れず、自分を信じて夢に向かって進んでください。