ブラジリア大学での留学経験を通じて、私は沢山の新しい友人や恩人、新たな知識や思想に出会い、私の中の世界は確実に広がりました。毎日新しい出会いや発見があり、とにかく楽しい日々をブラジリアで過ごしました。
ブラジリアでの生活が楽しかった理由の一つは、一生大切にしたいと思える友人に出会えたことです。これは個人的な感覚かもしれませんが、ブラジル人の喋り方は概して海外のコメディドラマから飛び出して来たのかと思うくらい生き生きしていて個性が強く、聞いているだけでも面白いです。留学するまで一度も海外経験のなかった私は、現地に着いてすぐ、その日本では出会ったことのない会話の雰囲気に圧倒されました。ブラジル式コミュニケーションで私が特に好きなのは、「性別、年齢、立場に縛られない友人関係」と「友達の友達は初対面でも友達」の精神です。後者については、そのお陰で大学内にどんどん顔見知りが増え、新しい言葉や知識を多くの友人に教えてもらうことができました。
留学が楽しかった他の理由として「環境の変化」が挙げられます。ブラジリアでの生活は東京と比べるとほぼ別世界といえると思います。例えば、市内に地下鉄の路線は一本しかありません。またバスは、路線は充実していますが休日の運行が少なく、ストライキも頻繁にあるため不安定です。そんな環境を救うのがUberでした。日本では名前も知らなかったアプリを知らぬ間に片手で使いこなし、いつしかUberが当たり前になりました。これはブラジル、また交通機関の不便なブラジリアに行かなければ起きない変化だったと思います。また、ブラジリアには自動販売機も、コンビニもスターバックスもありません。東京にどれだけ沢山の自販機やコンビニがあり、それらに頼り切った生活をしていたことか、気付かされ、その裏にある課題や問題に頭を巡らせました。ブラジリアの気候も特徴的で、四季がなく乾季と雨季に分かれているため、乾燥による水不足や落雷・暴風雨による停電を経験しました。それは、地球温暖化や生活インフラの質といった課題を自分事として捉えるきっかけになりました。
留学して良かったことを語ればキリがないのですが、この場を借りて伝えたいのは行き先がどこであれ「留学は良い」ということです。これは1+1=2くらいの自信を持って言えます。またそれが、基礎ポルトガル語の予習とテストを切り抜けた先の「交換留学制度」によるものであれば、その価値はさらに膨らむでしょう。
未来のブラジリア仲間が増えるのを楽しみにしています!
2017年ブラジリア大学に留学・A.M.