はじめまして。ドイツ語学科3年の宮澤明日香です。
私は今ドイツのボンに滞在しています。ここは西ドイツ時代の首都で学生街です。
今の季節は暖かく、桜が咲いています。
先月からドイツでの留学生活が始まりました。この1ヶ月間のことを振り返ってみようと思います。
生活
ボンは、こじんまりしていて過ごしやすい街だと思います。ベードーベンゆかりの地で、至る場所でベートーヴェンにちなんだ名前に遭遇します。ただ、町の中心にあるベートーヴェンの像は、個人的にはたいしたことないがないように思えます。
私にとって今回は初めての留学であると同時に初めての一人暮らしなので、試練の連続です。日本の大学でもドイツ語の成績が良くなかった私は、食器用洗剤を探すにも一苦労で、レジの後ろに並んだ親子のお母さんに指摘されるまで手にしていたものが殺虫剤だとは気づきませんでした。ジャムを買ったつもりが離乳食だったこともあります。それでも家への帰り道が分からなくて困っていたときには、そばにいたカップルが私のつたないドイツ語をなんとか理解して家の前まで送ってくれたり、同じ寮に住むドイツ人が日本からの荷物を税関まで一緒に取りに行ってくれたり、いろいろな人に支えられて生きています。先週はスーパーでケチャップを誤って飛び散らかして、事故現場のようになっていたところ、周りにいた多くのドイツ人が助けてくれて事なきを得ました。
私が想像していたドイツのイメージと違い、この国ではふとした切っ掛けで会話がはじまるようです。たまたまバスで居合わせた人だったり、カフェで後ろに座っていた人であったり。気さくでお話し好きな人が多いのかもしれません。今のところ意地悪なドイツ人には会っていません。
クラス
私が留学しているボン大学には3月にオリエンテーションがあります。授業の他にも、バディイベント、遠足、ベルリン旅行などがありました。
台湾人とアメリカ人と日本人の12人のクラスで、週5日お昼まで授業があります。授業中アメリカ人のリンゴの咀嚼音がずっと響きわたっていたり、ティラミスがまわってきたり…笑 生徒の母国によって授業の受け方がいろいろで面白く感じました。台湾人とはお互いドイツ語をうまく話せないなりにも少ない語彙力とボディランゲージで意思疎通を図り、仲良くなることができました。また当たり前のようにプレゼン発表があり苦労しました。言いたいことがあるのに伝えられない、というのはすごく悔しかったです。文法がめちゃくちゃなのに人前でテキストを用意せず無理やりにでも伝えようとするアメリカ人をうらやましく感じました。
交流
失敗や悔しい思いをすることも多々ありますが、素敵なドイツ人との出会いもあります。彼女は日本語を勉強していて同じ寮の同じ階に住んでいます。最初は私の引越しのお手伝いや寮の案内をしてくれていたのですが、いつのまにかほぼ毎晩会うようになり、お互いに辞書を携えながら会話をしています。子供のころに見ていたアニメを一緒に見たり、日本食を作ったり、そんな中でもふとしたタイミングで文化の違いを目の当たりにすることもありおもしろいです。言語はつたないけれど、一緒に同じ時間を過ごしたので相手のことが分かってきて、より一層相手のことを知りたい、もっと話したいと思うようになりました。もともと外国語を話すことが苦手だったので、こうして異国の地でドイツ人といて居心地が良いと思えるようになっている自分に驚いています。
ボンは国際色豊かな学生街だけあって日本では出会えなかったであろう人と触れ合う機会がたくさんあります。留学生のバックグラウンドは様々で、ここドイツに学びに来る理由を聞いて時に緊張が走ることもあります。実際にそういった話を直接聞くのはあらゆる意味において刺激的で興味深いです。自分とほぼ歳が変わらない人がドイツ語習得後、どう活かすつもりなのかを当たり前のように語るだけに、その隣の私の計画性のなさが浮き彫りになり焦ります。私は自身でもこの先何をして、どうするつもりなのか全くわかりません。憧れと勢いでドイツに来てしまった気もします。ですが、親が買ってくれた時間という意識を忘れずいろいろなものを見て自分の可能性を模索しながら留学を充実させられたらいいなと思います。
まだまだ不慣れで不安でいっぱいです。ですがそれと同じだけワクワクしています。貪欲に行動できるように頑張ります。