交換留学をすることの意義

大橋ふみな

今日は!
現在ハイデルベルク大学留学中、ドイツ語学科3年の大橋ふみなです。昨年9月から在外履修と交換留学でハイデルベルクに滞在しています。

気が付けばもう7月。残りの留学生活も1/6を切ってしまって時間の流れの速さに焦りを覚えるこの頃です。1年前は着実に近付いてきている留学生活に期待を寄せながらも、目の前の試験を突破出来るかどうかで頭がいっぱいで、不安とストレスに押し潰されそうになっていたことを思い出します。
あれから1年。あっという間の留学生活であったかもしれませんが、やはり色んな悩みや葛藤がありました。今回ブログを書く機会を頂きましたので、その内容をお話ししたいと思います。

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ハイデルベルク城から見た旧市街 

そもそも何故、在外履修に交換留学を足して1年間の留学にすることにしたのか。その理由は簡単に言ってしまえば「半年のみでは短過ぎる」と感じたからでした。最初の学期はドイツ語の底上げをして、次の学期は専門的な授業を受けたい。そういったプランも自分の中にはありましたし、実際にそれを実行出来ていると思います。けれども交換留学で半年間伸ばしたことは、良くも悪くも私に余裕をもたらし、次第にそれは焦りに変わり、大きな悩みの種になりました。

余裕というのは先学期。私にはまだ時間がある。そう思っていた私は、とにかくドイツでの留学生活を楽しく送ることしか考えていなかったように思います。色んなところに旅行し、クリスマスマーケットも計10カ所行きました。それはそれで留学の意義の1つですし、後悔はしていません。

 

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日本語学科のクリスマスパーティ 

しかしそれが焦りと悩みに変わったのは丁度留学生活の折り返し地点となった春休み。3月にあったケルンでの最終試験で、私の成長の幅の小ささを思い知りました。まずテスト自体の手応えが良くなかったこと。そして久し振りに会ったドイツ語学科の仲間は、在外履修期間中に私よりも沢山努力をし、困難を乗り越えてきていたり、ドイツ語レベルが私よりも遥か上であったりというのを目の当たりにしました。
「一体この半年間、私は何をしてきたのだろう」
そんな思いが頭をよぎったことを覚えています。生活していく中でのちょっとしたトラブルはもちろんありました。それでも狼狽えることなく自分で解決し、何とかなると思って日々過ごしてきました。そのためか、カルチャーショックを味わうことはほとんど無く過ごせたのです。もしかしたら、それが逆に私に変な自信を持たせたのかもしれません。また運良く来れただけなのに、一枠のハイデルベルクに留学出来たことに胡座をかいていた部分もあったと思います。ハイデルベルク大学にいる他大学の日本人留学生はドイツ語学科の人ばかりではないため、ドイツ語レベルは私の方がやってきている分だけ出来たこともあり、大したこともないのに優越感を感じてしまっていたと言っても嘘ではないでしょう。そんな「愚かで甘い自分」をケルンでの最終試験で思い知り、私の焦りと悩みは膨れ上がりました。

「わざわざ交換留学で半年間留学生活を伸ばし、人より長く滞在するのに、1学期目の延長線上で終わっていいのか」 

2学期目に当たる交換留学期間で何をするのか、具体的なプランを立てていなかった私は、何をモチベーションにして過ごすべきかに悩み、彷徨い、自問自答を繰り返す日々を送っていました。けれどもここで自問自答を繰り返し、自分なりの答えを見付けていく作業は私に多くの気付きを与えてくれました。
今自分が不安に思っていること、それでも本当はやってみたいこと。小さなことでも一つ一つ書き出してみると自分がどういう人間であるのかを知ることが出来、そして初心に戻ることも出来ました。

元から移民や難民、多文化共生に興味があった私は、ドイツでそれらを感じ学びたいと考えていました。それまでは自分のドイツ語能力に自信がなくて動けずにいましたが、それからというもの、どうしたらその私の興味分野を実体験で学びとして得られるのか、アンテナを張る日々が続くようになりました。幸運にもその後、様々なチャンスに巡り会うことが出来、これまでにないほどの大きな挑戦の機会を今学期得ることが出来たと思っています。まずタンデムパートナーの紹介がきっかけで難民支援ボランティアを始めることになりました。またこちらで新しく出会った方の誘いがきっかけで、大学とは別の団体で、日本人とドイツ人を繋ぐコミュニティの責任者を現在やらせて頂いてます。単位取得は二の次になってしまっている部分は多々ありますが、ここドイツでしか出来ないことをやり抜こうと日々過ごしています。

在外履修の後に交換留学を加えて留学期間を延ばすという決断は、多少勇気の要る行為かもしれません。けれども少数派だからこそ特別感があり、それに自惚れてしまう自分がいたのも事実でした。しかしながら、交換留学をするという特別感が余計私を焦らせ、奮い立たせてくれたことにも変わりありません。出口が見えずに路頭に迷っていた春休み。けれどもそれらは決して無駄でなく、今に生きていると感じています。そしてその収穫を得ることが出来たのも、ドイツ語学科生として交換留学をしたからだと思っています。

 

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中国人ルームメイトとその友達のスペイン人 

長くなりましたが最後まで読んで下さり有難う御座いました。