自分の留学生活は自分で作る

萩野宏紀

Guten Tag!
私は在外履修でトリーア大学に来ている2年の萩野宏紀です。
つたない文章ではありますが、ご一読いただけたら幸いです。

今回は今私がドイツについて思うことと、トリーアについて少々紹介させていただきたいと思います。

私が現在暮らしているトリーアはドイツ西部のラインラント=プファルツ州にあり、ルクセンブルクから電車で1時間ほどの距離にある、人口10万人ほどの小さな田舎町です。トリーアにはポルタ・ニグラというローマ時代に作られた伝統のある門が町の象徴として立っています。そこからカール・マルクスの生家までが、中心街になっており、アジアストアを含む沢山のお店が並んでいます。テレビで見たドイツのイメージとは違って、トリーアの中央広場には露店がほとんど無く、驚きました。そのような中心街もクリスマスの時期に向けてイルミネーションが設置され、より華やいでいる今日この頃です。また、ワインで有名なモーゼル川沿いに位置し、山の斜面には美しいブドウ畑が広がっています。これらがトリーアの魅力です。

しかし、駅前はとりわけ治安が良くありません。ついこの間も駅で「ここは汚いよね?僕が掃除するから3€払ってよ」と突然見知らぬ人に話しかけられました。更に路上はタバコの吸殻や割れたビンの破片などが多く日本に比べるとかなり汚いことは確かだと思います。また、トリーアは移民の国ドイツを象徴しているような町で、外国人に対する偏見があまり多くないように感じます。日本人である私も、バス停で居合わせた現地の人に「次のバス何時に来るの」、と聞かれることがしばしばあり、トリーア市民の一員になれたような気がします。

また、ほかの在外履修中の友人に聞くと、トリーア大学はかなり留学生に親切なように思われます。ビザの申請、住民登録、そして履修登録に至るまで、チューターの方が手助けしてくれます。私の場合、担当のチューターが日本学科の学生であったため、日本語でのやりとりを交えながら、それらの手続きもスムーズに済ますことができました。

トリーアについてはこのくらいにして、ここからは今私が思っていることについてお話したいと思います。

私はここに来る前、留学というものを人生で二度とないチャンスだと考えていました。「恥はかき捨て」という言葉にあるように、私のやりたいことをやっていみよう、と考えてここに来ました。しかし今、2ヶ月目にして改めて考えると、私が留学前に考えてきたことがいかに甘かったかがよくわかります。一番大きな問題は、なんといっても言葉の壁!例えば、講義ではなかなかついていけず、辞書を引きながら授業を受けており、結局その授業を理解せずじまいで時間が過ぎているというのが現状です。また、私はドイツ語を書いたり読んだりすることに比べ、話すのがかなり苦手で、なかなかドイツ語でスムーズなコミュニケーションが取れず、結局英語や、日本語ができる日本学科の生徒に頼ってしまっています。

確かに、語学力を上げるためにはこの上なくいい環境です。日本でもドイツ語は学べますが、やはり毎日面と向かってドイツ人と話す機会は日本ではあまりないと思います。また、タンデムもとても楽しくやっています。しかし反面、このままでいいのかという気持ちも今私の中にはあります。どうすれば留学をこれからの自分のキャリアに活かせることができるのか、今のままでは大きな苦労もなく楽しいだけの留学生活になってしまうのではないかという不安があります。このようにドイツに来る前にはあまり考えていなかったことが頭の中にあり、正直なところまだ答えは見つかっていません。ですが、何にも挑戦しないというのはやはり勿体ないことだと思い、ちょうど大学が斡旋している会社訪問に参加することからトライしようと思っています。

ドイツに来る前、授業などで多くの学生センターの職員の方々、先生方が留学生のために多くのお話をしてくださいました。その時私は話を聞いていたつもりでしたが、実際には何もわかっていなかったのだと今になってわかり、申し訳なく思っています。ドイツに来て実感したのは〈自分の留学生活は自分で作る〉ということです。幸い、トリーア大学は留学生に対して多くのイベントを提供してくれています。今は自分が大学を卒業してから何をしたいのかがまだ決まっていない状態なので留学を通し自分の未来像を探す材料にし、これからのトリ-アでの時間をよりよいものにしていきたいと思います。

読んでいただき、ありがとうございました。
Tschüss!
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