こんにちは。只今、ドイツ、フライブルクに留学している新田純奈です。
もう留学を始めてから10か月が過ぎてしまいました。本当に時間が過ぎるのはあっという間です。留学を始めた当初は不安でいっぱいでした。路面電車に一人で乗って、どこか知らない場所に行くのさえ怖がっていました。しかし、今は、主に自転車を乗り回し、様々なところを駆け巡っています。この前は、電車と自転車でフランスのストラスブールにまで行ってきました。(ドイツでは電車に自転車を持ち込めます)
まず、私がなぜフライブルクを選んだのかを書かせて頂きたいと思います。私は以前から環境関係に興味があり、高校一年生の時に偶然フライブルクの環境政策の本を読みました。そのころから、ずっとフライブルクに行ってみたいと思っていました。また、高校一年生の終わり頃には、高校のパートナー校交流でドイツのルートヴィヒスハーフェンにホームステイをしました。まだほとんどドイツ語が話せない私でしたが、ホストと趣味が合い、とても仲良くなりました。そのホストがフライブルクに引っ越しました。実際にフライブルクに行き、本で紹介されていることをこの目で見たい、そして、またホストに会いたいという思いからフライブルクを選びました(決めていました)。私は、ドイツに留学したいというよりも、フライブルクに留学したかったのです。フライブルクを知るきっかけとなった本の筆者の方にもお会いし、本とサインも頂きました。ホストとも再会し、今年の9月に生まれたばかりのホストの赤ちゃんも抱かせてもらいました。本当に高校時代からの願いが叶いうれしいあまりです。
留学していて大切だと思ったことは、「情報収集」を行うことです。私は、インターネット、ポスター、新聞、冊子、雑誌、友達等、様々な方法で情報を得て、面白そうなイベントがあったら、場所を調べ、飛んで行っています。今までは、興味のある講演会があったら、聞きに行き、また、ビーバーの生息地を観察しに行くツアーや自然保護区の手入れ作業等にも参加しました。周りは、皆ドイツ人で、なぜこんなところに、アジア人の子供が迷い込んでいるんだ、一体どこでこのイベントを知ったのかと不思議がられます。最初は催しそのものに興味があり行っていたのですが、毎回人と出会いがあり、そしてお話しするのが楽しくて今も様々な催しに参加しています。
また「人とのつながり」も大切だと改めて感じました。フライブルクには現在は日本人の留学生もたくさんいますが、私は、日本人であればどちらかといえば社会人の方々と多くお付き合いさせていただいています。ワーキングホリデーで来ている社会人の方からフライブルクで日本語教師や翻訳通訳として活躍している方等様々です。その方たちとお付き合いさせていただく中で、とても刺激があり、学ぶことが多くあります。また、悩みがあれば相談にものってくれ、本当に心強い味方です。ドイツ人の友達は、最初の頃は日本語が出来るドイツ人の友達が多かったです。日本語が出来て、日本の文化も知っているドイツ人の方とは、たとえドイツ語で話していたとしても、コミュニケーションがとりやすいです。しかし、今は日本語を話さないドイツ人の友達も増えました。12歳の女の子とも知り合って、日本語を教えたり、ご家族とお会いしたりもしました。同じドイツ人でも人それぞれよく使う言葉が違っており、同じことを言うにも違う表現をするので、友達が増えれば増えるほど、新しいドイツ語の発見があります。
「挑戦」することも大切だと感じています。8月には普段自分が勉強している大学付属の語学学校でアルバイトをしたり、エコステーションという環境教育施設で実習生として働かせてくださいとお願いをしに行き、実習の機会を頂きました。さらに、ある日本の他大学の教授と知り合い、共同研究を一緒にしないかとお声をかけて頂き、主にメールやアンケートの翻訳を行ったり、Skypeを通して日本で行われているゼミに参加したりしました。他には、エコフライヴィリヒという環境問題に関心のある人のサークルの一員として様々な活動をしています。その活動の一環として、ガルテンコープという無農薬野菜を育てている市民グループの活動にも参加しました。おかげでRote Bete(赤ビート)を高速で収穫できるようになりました。また、フライブルクでは市民グループが専門家や教授を招いてが週に1回のペースで市民に対し無料の講演を行っています。その場をお借りし、私達も発表を行わせて頂きました。50人以上もの人の前でドイツ語で発表。とても緊張しましたが、とても大きい達成感を得ることが出来ました。また、フライブルク市公認の通訳翻訳家の方のアシスタントとしても学ばせてもらっています。その方は、主に日本から訪問者に対し、フライブルクの環境保全の取り組みを紹介したりしています。自分自身が講演を行ったりもしていますが、ドイツ語の講演の通訳もしています。とてもきれいな通訳でいつも感動させられています。福島から学生がフライブルクの環境保全を学びに訪れた時は、NHKのベルリン支局長が取材に来られました。そんな貴重な場に自分が携わることができ、とてもうれしく思います。私のドイツ語はまだまだですが、ひとまずいろんなことに挑戦してみています。留学で学べることは言語だけではありません。ここでしかできない、今しかできない貴重な体験をすることによって、ドイツ語以外にもその他の大事なことを学べている気がします。そして、ドイツ語をさらに頑張りたいというモチベーションアップにもつながっています。
長くなってしまいましたが、最後に。もし、留学をするかどうか迷っているなら留学することをお勧めします。そして、留学したならば、友達をたくさんつくり、積極的に様々なことに取り組んでみてください。