ドイツ語を通して見る世界

藤巻杏

みなさんこんにちは! ドイツ語学科3年の藤巻杏です。
現在私はドイツの首都ベルリンにワーホリビザで滞在しています。というのは…(遠い目をしながら割愛)最初の一ヶ月は住居付きの語学学校に通い、その間に継続して住む為のWGを探し出し、移り住みました。たまに大学に聴講しにいったりしながら計4ヶ月ほど学校に通い、今はちょっとしたライターの仕事をもらいつつ夏の休暇を楽しんでいます。(いわゆるフリーランスですが、後々ドイツの税務署に行って納税申告などもしなければならなさそうのでコワイです…)無謀のように思われたワーホリ留学でしたが、自由に予定や計画を組める環境のおかげもあり、色々な人に助けていただき案外すんなりと5ヶ月目を迎えられています。

ドイツ語学科においては悪名高いベルリン。人が冷たい、移民が多く治安が悪い、差別ネオナチ街が汚いなどネガティブな噂が沢山ありますが、私はこのややカオスな街を結構気に入っています。Du bist verrückt, mein Kind, du musst nach Berlin.という言葉があります。Berlin ist arm, aber sexy.という言葉もあります。ウ~ンどちらも言い得て妙だと思います。独特の歴史や古い美術館たちもですが、その結果として新しく生まれている文化や暮らす人々の多様さ、メンタリティも面白いです!確かに危険な場所や嫌な目に遭っている日本人も多いので油断はできませんが、スキンヘッドブーツ刺青のネオナチ風の人が前から歩いてくるのでヒヤヒヤしていたら「おいJunge!ライター持ってない?」と笑顔で聞かれたりするゆるさヘンテコさもあるのでなんともいえません、、、(でも前歯はありませんでした)

語学学校では文法や語彙の他に討論をさせられることが多く、内容も政治から趣味の話まで様々でした。生徒もヨーロッパはもちろんアジア北南米中東など世界中から来ています。私にとってこと印象的だったのは、授業や雑談の中で語られる彼らの体験や経験です。共産圏時代のプラハをネタにジョークを言いまくるチェコ人。夜にこっそり家を抜け出し、アラブの春の大規模デモに参加したというエジプト人。「早くパラシュートで山を飛び降りたい」と兵役を楽しみにしてるスイス人。「日本もフランスが大好きでしょ?僕たちフランスも日本が大好きなんだよ!」という衝撃の自信満々発言をしてくれた親日フランス人。ボスニア紛争で故郷の家や街が崩れるのを見て建築家になったというセルビア人。共産時代にブルガリアで貧しい幼少期を過ごしたオーストリア人。

今まで机上でしか世界史や国際政治を捉えていなかった私は、幅広い年代の色々な国の人と実体験や考えをシェアすることで、改めて今自分が生きてる世界と時代をより具体的な現実のものとして感じました(今更ですが…)。自分の学んできた言語を通して新しい世界を覗いたり体験することができるのは面白く感動です。個人的には、実際に使うことでようやく言語を学ぶことの喜びを知りました。日本の文化や政治について聞かれることも多く、日本と周囲の国際情勢についても改めて考えさせられました。特に福島の事故の話はみんなの関心ごとでした。

季節はいつのまにか夏になりドイツも暑かったり涼しかったりです。去年はほとんどバイトで潰れた夏だったのに、今年はイタリア人の親友が別荘を持つというイタリア北部の島エルバに行き、彼女の家族たちや友達によって何故かみっちりイタリア語を特訓させられたりしていたのでヨーロッパ留学は予測不能だし驚きです。。。ドイツに留学したと思ったらグラッチェベーネベリッシマを連発してるので不思議です。留学も折り返し地点ですが、寒くなっても家にこもることなく積極的に動いてみて自分の目標を達成していけたらと思います。

また、助けてくれる親や友達、色々と先人の知恵を授けてくださる先輩や教授方に恵まれた環境でこの一年の貴重な機会を得られたことはとても幸運だったと思います:) みんなに感謝の気持ちを忘れずに残り半年を有意義に使っていきたいです。それでは、Ciao! 

air berlinから見た曇ったベルリ~ノ全景
a-fujimaki