ドイツだからこそできる経験

村尾美紅

みなさんこんにちは!ドイツ語学科2年の村尾美紅です。私は現在、ドイツのテュービンゲン大学に留学しています。ドイツに来てから早くも一ヶ月半が経とうとしている今日、ブログを書く機会を頂いたので、これまでの留学生活の振り返りと私の現在の気持ちを綴らせていただこうと思います。

まずは私の留学先に関する基本情報からお伝えします。テュービンゲンはドイツ南部のバーデン=ヴュルテンベルク州にある街です。とても小さな街であるため、遊ぶところやショッピングするところは正直少ないです。ですが、1時間ほど電車に乗ればシュトゥットガルトというドイツの中でも比較的大きな都市に出ることができるため、買い物を楽しむためにはそちらへ行く人が多いです。また、テュービンゲンは人口の約1/3が大学関係者であり、さまざまな国からきた留学生が街中に住んでいる、インターナショナルな街です。そのため、市内の人々は留学生への対応に慣れているように感じます。私は英語もドイツ語も流暢に話すことができませんが、街の人はゆっくり話してくれたり簡単な言葉に言い換えて伝えてくれたりと、優しい人が多いです。

↑Necker & Alte Stadt(ネッカー川と旧市街)(Tübingenといえばここ!!)

テュービンゲンに来てから一ヶ月半、日本では決して味わうことのできない非常に濃い時間を過ごすことができました。ずっと前から海外留学を夢見ていた私は、みんなの憧れるような「キラキラ留学生活」を想像していました。しかし、現実はそう甘くはありません。この一ヶ月半、本当に数えきれないほどのトラブルが起こりました。ドイツに来て初めてのトラブルは、寮の鍵を受け取ることができなかったことです。あらかじめ寮に着く日時をHausmeister(管理人)に伝えていたのですが、上手くコンタクトが取れていなかったようで鍵を受け取ることができず、入寮することができませんでした。幸いなことに、私はすでにテュービンゲンに友達がいたため急遽友達の家に泊まらせてもらうことができましたが、当時は本当に頭が真っ白になりました。入寮できて、安心できたのは束の間、そのあとも次々と問題は起こっていきました。寮の鍵と共に受け取るはずの賃貸誓約書を受け取ることができなかったり、寮内設備の説明をしてもらえず数日間、設備の使い方が分からなかったり、購入したはずの布団や枕が一週間受け取れなかったり…。留学にトラブルはつきものだと考えてはいましたが、到着して早々こんなにトラブルがあるとは思っていなかったので正直驚きました。

そして次に私を待ち受けていたのは「ホームシック」です。初めての一人暮らし、慣れない環境、言語の壁。初めの数日は旅行気分で楽しめていた私でしたが、徐々に半年間この街に1人で暮らすのだということを実感していき、ホームシックに陥っていきました。渡独後一ヶ月は正直帰りたくて仕方がなかったです。ですが、現地でできた友達と街を観光したり、パーティーをしたりしていく中で少しずつ楽しさを覚えていき、今では留学期間はあと約4ヶ月しかないのか、と寂しさと焦りを感じるまでになりました。

次にドイツ語の授業についてです。私は学期前、3週間のStartkurs(語学研修)を受講しました。授業では、上智大学で1年半ドイツ語を学んできたことで文法に関して難しいと感じることはあまりありませんでしたが、会話をすることの困難さを身に染みて感じました。留学生のドイツ語の会話力に初めは戸惑いましたが、間違いを恐れて発言しないのではなく、考えたことは積極的に発言するように心がけることで徐々に会話に馴染めるようになりました。Wintersemester(冬学期)ではドイツ語のIntensivkurs(インテンシブコース)履修登録しています。しかし、これらの授業の開始日が非常に遅く、今はまだ授業が始まっていません。授業の始まりが遅く少し焦りを感じますが、留学先でできた友達と会ったり、タンデムをしたり、時間を有効活用したいと思います。

↑Party (Startkursの最終日に行われたパーティー)

私がテュービンゲンにきて最もお世話になっているのはタンデムの友達です。タンデムとは、母国語の異なる2人がペアを組み、お互いの言語を教え合うことです。テュービンゲン大学には日本語学科があるため、日本語を学びたいドイツ人生徒が多くいます。私は現在3人のドイツ人とタンデムを組んでおり、休日にカフェへ行ったりピクニックをしたりし、お互いの言語を教え合いながら楽しい時間を過ごしています。机に向かい勉強を教え合うのも、もちろん良いと思いますが、外に出かけることで言語を教え合うパートナーとしてだけではなく「友達」として仲良くなれると感じるため、個人的には一緒にお出かけをすることをおすすめしたいです。伝えたいことがうまく伝わらずもどかしいことも多々ありますが、私はタンデムの友達と一緒にいる時間が一番楽しいなぁと感じます。

↑Tandem(タンデム)の友人との思い出
(左:電車でアウトレットへ 中:ケーキ作り 右:誕生日パーティー)

 留学に来て一ヶ月半ですが、すでに2回旅行をしました。1回目はドイツのミュンヘンで行われているオクトーバーフェストに参加しました。会場内には遊園地のようなアトラクションや出店がたくさん並んでいます。臨時で開催されているとは思えないほど大きな会場に非常に驚きました。2回目はフランスのストラスブールとスイスのバーゼルに行きました。ドイツ語以外の標識を目にし、ドイツに帰ってきてからドイツ語の標識に安心感を覚えたことは忘れられません。海外に旅行することでドイツとはまた違った文化を体感することができ、良い経験になりました。ドイツはヨーロッパで比較的中心部に位置しているため、日本で県外旅行をする感覚で海外へ旅行することができます。あと4ヶ月しかありませんが、在外履修期間中にできるだけ多くの国を旅行したいです。

↑Reise(旅行)(左から:フランス、スイス、ドイツの風景)

日本で思い描いていた留学生活と今のドイツでの生活は正直少し異なる部分もありますが、それも留学生活の醍醐味だと捉えて残りの期間も楽しみながら頑張っていきたいと思います。半年経って振り返った時、後悔のない最高の半年間だったと言えるようにしたいです。

拙い文章でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

Tschüss!!