こんにちは！！只今オーストリアの首都ウィーンに留学しているドイツ語学科3年の中村遥です。留学生活も残りわずかということで私がこの1年間学んだこと、考えたことを織り交ぜながら「ウィーンでの1年間の留学の成果」について書かせていただこうと思います。
私がこの1年間を通して得た「成果」は大きく分けて3つあります。
まず1つ目は「目標を作ることの大切さを学んだこと。」です。
なぜ留学したのか。何度聞かれたかわかりません。そのたびに困っていました。中学生の頃から上智大学 外国語学部に入って海外に留学することが目標であり、もはや決定事項でした。私は肝心な留学することの目的を考えずに留学してしまったのです。全く目標がなかったわけではなく、漠然と「ドイツ語をぺらぺになりたい！」という気持ちはありました。最初の半年間はただひたすらタンデムをすることが自分のすべきことと考え実践していましたが、夏休み前になって留学生活折り返し地点を目前に、あまり伸びていない自分のドイツ語力を見直し意識し、はじめて自分の留学生活についてきちんと向き合い考えることを始めました。留学には本当にたくさんのお金がかかり、たくさんの人の協力が必要です。「私は本当にそれだけの価値を留学に与えられているのだろうか。」夏以降はひたすらこの質問に対する答えを考えていました。ただ、「楽しそう！いい経験になりそう！」というだけでここまで来てしまった自分の浅はかさにうんざりしたり、「この1年間の成果として胸を張って頑張ったといえる何かを探さなくては！」とプレッシャーを感じたりもしました。ほかの方のブログを読むとわかりますが、皆それぞれ目標をもって留学生活に励んでいたり、いろいろな新しいことに挑戦したり、自分なりに留学に意味や成果を見出していて、自分と比べて焦ったりもしました。実は未だに私の留学生活にそれだけの価値があるかどうかはわかっていません。不安でいっぱいです。そこで、形に残る成果として日本に帰る前にOeSDの試験を受けることにしました。OeSDはオーストリア政府公認ドイツ語能力試験であり、国際的に通用するドイツ語能力の証明になります。レベルは迷いましたが、すこし挑戦することにしました。留学前の私はとても不真面目な生徒でした。この試験に合格することで少しでも見直していただくことが出来たら、、、なんて考えています(笑)試験は１月の終わりなのでここに記すことで決意を固めたいと思います。留学生活の締めくくりとして最後に目標を立てることで、受講していたドイツコースをすべて終えた今もやるべきことを見つけられていると思います。
2つ目は「日本を好きになったこと。」です。
留学する前の私は海外に対して大きな憧れがありました。そして日本に対しては大して勉強もしてないのに「借金だらけだし原発も地震も怖いし戦争してしまいそうだし、嫌な国だ。将来は日本から亡命してしまおう☆」なんて考えたりもしていました。しかし実際にオーストリアに来てみると日本に対するみんなの関心の強さに驚きました。日本から来たというだけでみんなが興味を示してくれたり、たくさんの話題が生まれたりします。時にはほかの国から来た人に申し訳ないくらいです(笑) 他にもあります。ウィーンの旧市街は世界遺産にも登録されていてとても美しいですが、オーストリアのどこへ行っても東京のような高層ビル街には出会えません。オーストリアで出会った人達は東京のことを「未来の街みたいだ」と言いました。冷たくてなんだか汚いように思えていた東京の街でしたが一気に見方が変わりました。日本にいるとき正直心の中で小馬鹿にしていたアイドル文化も、外国人にとっては面白いらしく、選挙があるなどと話すとみんなすごく興味を示してくれます。日本のご飯についてもみんなとても興味を持ってくれたりと、日本を改めて外から見ることで、たくさん日本の面白いところを知ることが出来ました。日本に興味を持ってもらえることがうれしく、日本について話すうちに日本が大好きになってしまいました(笑)
3つ目は「言葉なしでも会話のできる友達をもったこと。」です。
最後に掲載させていただいた写真のメンバーは夏までのドイツコースで毎日一緒に勉強したメンバーです。初めは全くドイツ語の話せなかった私たちでしたが、壊れたドイツ語で会話をし続けドイツコースがなくなった今でも多い時では週５くらいで遊んでいます(笑)人生で初めてこんなに毎日顔を合わせ下らない雑談をする友達が出来ました。わからない単語があって言いたいことがうまく言えない時もありますがお互い知っている知識で補いあったり、もはや言葉なしでもなぜか話が分かります(笑) 新しい表現を知った時にはひたすら使い私たちの中での流行語になったりと、とても面白いです。たしかに正しいドイツ語を勉強するためには母国語話者と話すことが一番いいかもしれません。しかしそれよりもかけがえのないものを得られたと思っています。正直な話、料理も街並みも日本のほうが大好きになってしまったので今は帰国が楽しみで仕方ありませんが、1年間いろいろな話をした友達と別れることはとても切ないし、私は日本に帰ってからもこっちで出会った友達や皆と会話をするためだけにドイツ語を勉強していこうとさえ思える程です。
今まではなぜドイツ語を勉強するのかもわかっていなかったし、なんとなくで生きてきてしまいました。しかしこの留学を通してドイツ語を勉強する1番の理由を見つけられたことは私にとって大きな成果であると思うし、あとは目に見える成果の形として試験に合格することを目標に残りわずかの留学生活を頑張っていきたいと思います。留学生活を通して太り過ぎてしまいましたが、体だけでなく人間としてもおおきくなれていたらいいな～☆ということで締めの言葉とさせていただきます。最後まで読んでくださり有難うございました！
