フランス語で書く

Report : Omagari

フランス語で書けるようになるって、どういうこと?

簡単な単語と動詞の活用を覚えたら、実際にフランス語で何か書いてみたいもの。
でも、フランス語ってどんなふうに書いたらいいの?
ここでは、フランス語らしく書くためのコツを教えちゃいます。

0.いろんな段階で、いろんな勉強法が

みんなは、どんな風に勉強して、いつ頃からフランス語を書けるようになったのでしょうか。聞いてみました。

―フランス語で書けるようになるための一番のコツは、とにかくたくさん書くこと。はじめから上手に書けるわけではありません。一年生のころは短い文章を作るので精一杯でした。二年生になると、フランス文明史の授業で、長い文章を書く練習しました。留学中はフランス人の先生に間違いを直してもらいました。このようなプロセスを経て、少しずつ書く力がついてきました。

―書けるようになるよりも先に、話せるようになりました。日本語を書くようにではなく、フランス語を話すように書いています。

―まず、日本語の文章を頭の中で書きます。また、ほかのテキストから使えそうな表現を借りたりします。

―内容は日本語で考えるけれど、日本語をフランス語に直訳するわけではありません。

1.上手なコンポジションその① はじめて文型を勉強

単語と活用を知っていただけではフランス語の文章は作れません。まずは、しっかり文法を勉強する必要があります。だけど、何から勉強したらいいの?フランス語で文を作るうえで一番大切なのは、文型を正しく選択することです。なぜなら、日本語とフランス語では、文の構造がまったく違うからです。え~、難しそう…。でも大丈夫。中学校や高校で英語を学んだことがあれば、カンタンです。英語とフランス語の文型はとっても良く似ているんですから。

例)日本語:私はこの本が好きです。 
          S    O      V
  英語:I like this BooK.
       S  V       O
  仏語  : J’aime ce livre.
                S  V     O
(S=主語、V=述語、O=目的語) 

ここでは、五つの文型のうち、第三文型だけを紹介しました。フランス語を学び始めたら、他の文型でも比較してみてくださいね。

2.上手なコンポジションその② 長い文章を書こう

フランス語に限らず、読む人に伝わりやすい文章は、きちんとした構成を持っています。とくにフランス語は明晰さを求める言語。自分の言いたいことを効果的に伝えるには、フランス語の文章の型を知ることが、一番の近道です。そのポイントは2つ。

1.序論-本論-結論の構成を守る

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これは、フランスの語学学校で出された課題です。
課題内容は、「フランスでは、日曜日に多くの店が閉まっていますが、あなたはこの状況に、賛成ですか?反対ですか?」というものです。

―書く前に先生からは次のような構成で書くように言われました。
 序論:日曜に店がしまっている状況を示し、賛成・反対の立場を表明する。
 本論:賛成、反対の理由を述べる
   (ただし、予想される反対意見とそれに対する反論も入れること。)
 結論:自分の意見を述べる

―私は日曜日に店を閉めることに反対の立場で書きました。

―添削された内容はおもに、冠詞の間違い、性数の間違い、前置詞の間違いです。
 また、綴りの間違いが多いので、先生から気をつけるようにコメントされました。

2.順序や因果関係を示す接続詞を効果的に使って段落をつなぐ

役立つ接続詞の例
長い文章を書くときに役に立ちそうな接続詞の例を載せてみました。

1.順序
d’abord まず ensuite それから et puis さらに enfin 最後に et そして

2.理由
parce que  なぜなら car というのは

3.結果
donc だから ainsi したがって

4.譲歩
certes 確かに~だが

5.逆接
mais しかし  cependant しかしながら

・・・他にもたくさんあるので、少しずつ覚えて使ってみましょう。
この二点に気をつけるだけで、ぐっとフランス語らしく、また、伝わりやすい文章になるはずです。

3.手紙の書き方

日本語の手紙に時候の挨拶や結びがあるように、フランス語の手紙にも決まった書式があります。書き方を覚えてあなたもフランスに手紙をだしてみませんか?
フランス語の手紙のレイアウトはこんな感じです。
授業では手紙を書く練習をします。お世話になったホームステイ先へのお礼の手紙や、友達への手紙、あるいはちょっと改まって、クレームの手紙など、さまざまな状況に応じた手紙を書いて、先生に添削してもらいます。

4.メールの書き方

メールにも手紙同様、いくつかの決まりごとがありますが、基本的には日本語のメールとあまり変わらないと思います。上手に書くコツは簡潔に書くことです。
メールなら一瞬でフランスにいる人とつながれる時代。しっかり、書き方をマスターして、フランス人とやりとりしてみませんか?

もっと本格的にフランス語のメールを書いてみたい人におススメなのが、白水社から出ている、田中幸子先生とイザベル・フォルテット先生の『Eメールのフランス語』。さまざまなシチュエーションに応じた例文がたくさん載っていてとっても参考になります。

それではメールの基本の組み立てについて、見てみましょう。下にメールの例があります。

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メールの基本の組み立て

相手と自分の関係を踏まえて、目的と内容に応じて適切に組み立てられているか・・・相手にわかりやすいメールの基本は、全体の組み立てが明確であることに尽きます。

「件名」(Objet)は、メールの内容の概略を表すような題名を入れます。メールはまず相手への{呼びかけ」(Formule d’appel)で始め、用件を「本文」(Corps du mail)で述べて、「最後の挨拶」(Formule de politesse)で締めくくり、差出人の名前 (Signature)を記して終わります。

例は友達どうし親しい間柄のメールなので、簡単に名前でMichèle, …という「呼びかけ」で始まっています。次の「メール本体」の部分に「元気でいる?仕事は?・・・近況を教えてね。」という内容を書いたあと、「最後の挨拶」Amicalement、さらに「署名」Junko と記して締めくくっています。これが最も簡単なメールの構造です。

「呼びかけ」の部分で名前で呼びかけるかわりに、BonjourとかBonjour Michèle、あるいはSalutと始めたり、ごく親しい場合にはSalut Michèleと書いて改行し、直接内容に入っていくことができます。複数の相手へのメールであればChers amis, bonjour、 Salut à tousというふうに始めます。

「メール本体」の部分で相手との実質的なやりとりを構成します。例は純子が自分からはじめに書いて送るメールですが、返信のメールなら、相手がこの部分に書いてあることに応じて適切な答えを返すようにすれば、滞らずにスムーズなやりとりになります。

「最後の挨拶」(Formule de politesse)では、相手との関係によって様々な表現を使い分けます。
Formule finaleともいいます。ここではAmicalementを使っていますが、Bien amicalementまたはAmitiés という表現もよく使われます。Toutes mes amitiésやBien à toiも可能です。