1. カリキュラム概要
3段階で構成されています。第1に、「フランス語」の徹底した訓練を通して、実践的な運用能力を身につけます。第2に、世界中に広がる「フランス語圏」(フランス語が使用されている地域)について、政治、経済、社会、文化といったさまざまな角度から学びます。第3に、外国語学部が開設する9つの「研究コース」から1つを選択し、専門的な研究を行ないます。
2. 教育プログラム(1)「フランス語」
1年次では、「基礎フランス語I」(1コマ100分で週6コマ)を通して、基礎文法を十分に学びながら、フランス語の4技能(読む・書く・聞く・話す)を徹底して学びます(フランス語の既習者には別立てのカリキュラムがあります)。
2年次では、「基礎フランス語II」(1コマ100分で週6コマ)を通して、フランス語の4技能の継続的な訓練を行ないます。中級文法をベースにコミュニケーション能力の向上に特化したパートと、担当教員の専門性を生かした「専門研究へのフランス語」(哲学、歴史学、社会学、政治学、経済学、言語学)のパートからなります。
3・4年次では、「総合フランス語」と呼ばれる科目群を通じて、中上級レベルのフランス語力をつけます。3年次生は「表現演習」「聴解演習」「講読演習」を履修し、フランス語の4技能をいっそう発展させます。4年次生が履修する「総合演習」は、これまでの学習成果を総動員して、より高度なフランス語力を磨きます。このような学習の結果として、フランス語学科生が卒業時には以下のような資格・検定試験に合格できることを到達目標としています。
①フランス国民教育省「フランス語学力資格試験DALF」C1
②フランス国民教育省「フランス語学力テストTCF」C1
③公益財団法人フランス語教育振興協会「実用フランス語技能検定試験(仏検)」準1級
3. 教育プログラム(2)「フランス語圏」
「フランス語圏」とは、ざっくり言うなら、フランス語が使用されている世界の諸地域のことです。ヨーロッパでは、フランスはもちろん、スイスやベルギー、ルクセンブルクなどがこれに当たります。カナダのケベック州、多くのアフリカ諸国(モロッコ、チュニジア、セネガル、マリ、コートジボワール、中央アフリカ共和国など)もそうです。フランス語圏の世界地図は、ハイチ共和国のあるカリブ海、ヴァヌアツ共和国のある太平洋にも広がっています。
フランス語学科では、このような広範な地域について多様なアプローチで学ぶことのできる科目群(フランス語圏研究基礎科目群)を用意しています。6角形の形をしたフランスだけでなく、フランス語という観点から世界を見つめ直し、諸地域のコンテクストにおいていかに政治が動き、そこに現れる宗教現象がいかなる意味を持ち、ある社会の経済状況が人びとの生活にどのような影響を与えているのか、授業を通して考えてみましょう。
4. 教育プログラム(3)「研究コース」
フランス語学科の学生の第一主専攻は「フランス語」ですが、2年次の秋学期に第二主専攻または副専攻として履修する「研究コース」を選びます。〈ヨーロッパ研究コース〉〈北米研究コース〉〈ラテンアメリカ研究コース〉〈ロシア・ユーラシア研究コース〉〈中東・アフリカ研究コース〉〈アジア研究コース〉〈言語研究コース〉〈国際政治論研究コース〉〈市民社会・国際協力論研究コース〉の9つから1つを選択します(フランス語学科の学生が〈ラテンアメリカ研究コース〉を選んでブラジル経済を学ぶことも制度的には可能です)。 入学時点で自分の目的が決まっている人もいれば、そうでない人もいるでしょう。1年次には、〈研究コース導入科目群〉から、関心を持った授業を履修し、さまざまな分野の基礎知識や基礎理論を学びます。2年次になると、〈研究コースコア科目群〉から、より専門的な内容の講義を受講することができます。そこから、自分がどの研究コースで専門研究を行なっていくのかを決めるのです。3年次以降は、「コア科目」の履修を継続する一方、〈演習科目〉(ゼミ)に登録できます。ゼミでは、その分野を専門とする教員が、学生一人一人の個性に合わせて丁寧な指導を行ないます。ぜひ大学時代の学習の結晶として優れた〈卒業論文/卒業研究〉を完成させてください。