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  • 『オーウェル「一九八四年」』刊行記念 オンライントークイベント

    2022/06/17
    『オーウェル『一九八四年』――ディストピアを生き抜くために』(慶應義塾大学出版会)刊行記念 著者・川端康雄さん×ゲスト・小川公代さん オンライントークイベント 慶應義塾大学出版会の「世界を読み解く一冊の本」(2018年10月刊行開始)シリーズ全10冊が、このたび本書および藤井淳著『空海『三教指帰』――桓武天皇への必死の諫言』の刊行をもって完結しました。 このシリーズで扱われた『旧約聖書』や『クルアーン』などと比べると、イギリスの作家ジョージ・オーウェルの『一九八四年』は1949年に発表された比較的新しい本ですが、刊行後70数年のあいだに50以上の言語に翻訳され、「ビッグ・ブラザー」はもとより「ニュースピーク」「真理省」といった造語が馴染みの言葉となっています。「『一九八四年』的世界」という語句で私たちが共有するイメージが確かにあり、その点でこの小説は世界を読み解く鍵となるテクストのひとつであるといえるでしょう。 本書は、『一九八四年』がどのようにして書かれたか、また初期の受容がどのようなものであったか、という点から初めて、これが成立した時代状況をふまえて、主要人物たちの「愛」の関係、政治と言語、反ユダヤ主義とナショナリズム、プロールの表象、「人間らしさ」の価値など、重要なトピックを取り上げてこの小説の読解を試みたものです。 このオンラインイベントでは上記の本の内容をもとに、『ケアの倫理とエンパワメント』(講談社)ほかの著作で近年活躍がめざましく、オーウェルについてもすぐれた論考を発表している小川公代さんと著者が語り合います。 イベント終了後には質疑応答を予定しています。 【日時】 2022年7月15日(金) 19:00~20:30(予定) 【会場】Zoom(オンライン) ※お申込のお客様には登録用リンクをメールでご連絡します。  メール配信日:7月11日(月)・15日(金)の2回 *チケットをご購入いただいた方は、イベント後期間限定でアーカイブ配信もご視聴いただけます。リアルタイムでのご視聴が難しい場合はそちらをお楽しみくださいませ。(アーカイブ配信はイベント終了後準備が整い次第メールでご案内いたします) *Zoomでのイベント参加方法について、詳しくはこちら 【参加方法(チケット制)】 ■視聴チケット 500円 ■書籍付き視聴チケット  2,800円(2,420円+380円) ※書籍付きチケットは別途送料がかかります。(700円) ※書籍は受注後随時発送いたします。 ※書籍の配送先は国内限定とさせていただきます。 ※書籍付きチケットは100枚限定です。定員に達し次第締切となります。 【申込方法】 2022年6月17日(金)~7月15日(金)19:00の間、下記(Peatixサイトにつながります)にてチケットをご購入くださいませ。(先着) 【Zoom配信】『オーウェル『一九八四年』――ディストピアを生き抜くために』(慶應義塾大学出版会)刊行記念 著者・川端康雄さん×ゲスト・小川公代さん オンライントークイベント<続きを読む>
  • 飯島先生EHESSで発表しました!

    2022/06/06
    2019年9月、チューリッヒ大学でのセミナーに出席して以来初の海外出張となりました。今回の目的地は、20年ぶりに訪れることとなったパリ。4日間という短い滞在でしたが、EHESS (社会科学高等研究院)にて2つの研究発表を行いました。一つめの発表は、日本現代史研究家を中心に構成されるGlobal Japan Seminar(5月19日)にて、ハワイの日系コーヒー栽培者が日本委任統治領南洋に珈琲農園・会社を設立するまでの軌跡を日本人移民史と農業史の視点から考察しました。翌日には同研究院の環境史研究者を対象に、19世紀初頭にハワイ諸島にコーヒーが移植される過程をイギリスの植物帝国主義とアメリカの宣教活動から検討した発表を行いました。どちらも、今手がけている単著の一部で、これまで、なかなか他の研究者の意見を聞くことができなかったので、とても貴重な機会となりました。 やはり対面での交流は参加者同士のエレルギーとインスピレーションを直に体感でき、とてもいいものです。  余談ですが、滞在中に、友人とのランチで”Buddha bowl(写真1枚目)”というものを食べました。基本的に黒米にたくさんの野菜が載ったベジタリアン料理です。友人曰く、パリでは”Poke bowl”が流行っているらしく、どちらもとてもヘルシーなイメージがあるとのことでした。ちなみにPokeはハワイのローカル・フードで、マグロ(ハワイ語でahi)などの刺身をごま油や醤油で味付けした料理です。生の魚を食べるハワイ先住民文化と日本人移民らが持ち込んだ調味料が融合したものと言われ、現在ではハワイのみならず、アメリカ本土でも人気のある料理となっています。それが、地球を半周してパリまで広がっているとは驚きでした。食のグローバル・ヒストリーを専門とするものとしては、今後注目していきたい題材をまた一つ見つけたような気がしました。 (文責:飯島真里子)<続きを読む>