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本シンポジウムでは、ロシア語教育を音声の側面から4人の研究者が論じます。具体的にはロシア語をL2として学習する大学生を対象とした音声学・音韻論的調査の報告と、それについてのディスカッションです。 ロシア語のようなラテンアルファベットを使用しない言語を学習する際、音声がイメージしやすい音声表記はどのようなものなのか、ひらがな・カタカナによる音声表記のメリット・デメリット、日本語母語話者に見受けられるアクセントやイントネーションの特徴などについて、会場との質疑応答を交えながら議論します。
⼿話⾔語と⾳声⾔語は,⾝体の外に⾔語表現を表出する⼿段すなわち外在化の⼿段が異なるが,⽣成⽂法理論のもとでは,どちらの⾔語もヒトの脳内に備わる同じ ⾔語機構によって扱われるものであり,両者の違いは外在化の⼿段が影響する範囲にのみ存在すると仮定される。本講演では,⽇本⼿話の「⽂末指さし」を取り上げ,⼀⾒何かを指で指し⽰すためのジェスチャーと同じように⾒えるものが,実際には⾳声⾔語と共通する統語的メカニズムによって説明される可能性について検討する。具体的な分析としては主に内堀・今⻄・上⽥(2023)に基づき,⽂末指さしが⽣じているとき,それが CP 領域において話題要素ないし主語との素性⼀致を形態的に具現化するものであることを論じる。
2023年11月6日(月)~11月23(木) Sophia Open Research Weeks 2023を開催いたします。 上智大学研究機構に所属の研究所・研究センターや附置研究所を中心とし、学内で展開されている多様な専門分野における研究成果を、学内外に紹介する様々な企画を実施します。 今年も幅広いトピックが揃いました。ぜひご参加ください! なお、各企画は一部を除き事前予約が必要です。各企画の案内や、予約方法については、以下リンクよりご確認ください。 https://piloti.sophia.ac.jp/jpn/research/kenkyukikan/sorw/
本講演では、深層ニューラルネットワークによる統語論に対するアプローチを紹介します。具体的には、深層ニューラルネットワークに統語構造を融合することで、深層学習時代においても統語論が重要な役割を果たすことを示します。また、深層ニューラルネットワークを形式言語で評価することで、最先端のトランスフォーマーがチョムスキー階層において正規言語しか処理できないことを示します。最後に、昨今の大規模言語モデルが統語論に対して及ぼし得る学術的なインパクトについて議論します。 皆様のご参加をお待ちしております。
英語教育に関わる皆様を対象としました第1回のオンラインセミナーを下記要領にて開催をいたします。(例年12月に実施しておりました上智大学・ベネッセ英語教育シンポジウムを、今年度は、オンラインセミナーとして実施をいたします。) 当日は、デジタル端末と紙を用いた指導を考えた実践研究をもとに、英語の表現活動におけるICTの効果的な活用について、参加者の皆様と考えます。ぜひご参加ください。
上智大学国際言語情報研究所 (SOLIFIC) では、海外の著名CLIL研究者を招聘したSophia CLIL Lecture Seriesを9回開催してきました。今回は趣向を少し変え、フィンランドと香港から現職のCLIL小学校教員を招き、海外のCLIL教育事情、使用教材、授業実践を体験的に学ぶワークショップを行います。通常の検定教科書を使った小学校英語指導にも生かせるヒントもあります。また、中学校や高校でのCLIL実践にも共通して役立つ内容も含まれています。豊かで楽しい日曜日の午後をご一緒に過ごすことを楽しみにしております!
音節とモーラ 第37回年次大会シンポジウムは、音声学・音韻論分野の企画である。中でも,音節という音韻的単位にまつわる研究を深く広く追求してきた研究者を招いて,それぞれの研究成果を発表していただいた上で,全体の討論を行う. 音節は言語普遍的に存在すると言われている単位であり,その機能については近代的な言語学のはるか以前から言及されてきた.1970年代以降,生成音韻論においても音節の研究が盛んに行われるとともに生理学的・調音的・音響的・認知的な側面からの研究も進展してきた. 音韻論においては,音節という単位がなければ到達できないさまざまな一般化がある.強勢・アクセント・トーンの分布について,代償延長や短縮といった現象,最小単語の制約,単語の規範形,そして形態的な制約など,言語が音声として形を成す上で立ち現れるパターンの多くが音節を基盤に据えることで捉えられる.一方でモーラという単位も,特に日本語を母語とする話者にとっては極めて当たり前に存在している.1980年代の音韻論においては,モーラを「量(quantity)」の単位として音節に取り込んだ理論が発展し,韻律理論や自律分節音韻論の発展と相まって,多くの言語にまたがる成果を産んだ. また,音声学においてはPVI(pairwise variability index)という時間長の比率を用いて,強勢リズムと音節リズムの違いを定量的に捉えようとする研究(Grabe & Low, 2002)を嚆矢として,何らかの単位が等間隔で現れることを検証しようとする研究が多く現れた.ここでも音節という単位はさまざまなアプローチの基盤となっている. 本シンポジウムでは,日本において音節とモーラの研究の第一線にあって数々の成果を上げてきた窪薗晴夫氏,1980年代から音節研究において極めて包括的に多数の現象を扱って重要な一般化を提示してきたStuart Davis氏,そして,Davis氏との共同研究を通じて静岡方言におけるモーラの役割を明らかにする一方で,現在は日本音声学会の会長を務める上田功氏に登壇していただき,音節・モーラ研究の広がりとその展望について検討・討議する.