研究所の沿革

上智大学アジア文化研究所は、アジア地域の専門的調査・研究、アジア諸国との共同調査および教育活動を推進する機関として構想され、1982年4月に学長直属の大学附置研究所として創設されました。設立以来、本研究所は研究活動を主体としながらも、大学全体の教育活動に重要な役割を果たしてきました。創設当初、所長、所員あわせて3名という小規模な組織でしたが、2020年度現在では正所員16名に成長し、客員所員、共同研究所員も大幅に増員されました。

本研究所、または所員が中心となって、「イスラーム地域研究」(文部科学省1997〜2002)、「イスラーム地域研究」(人間文化研究機構プログラム 2006〜継続中)、「地域立脚型グローバル・スタディーズ」(文部科学省COEプロジェクト:2002〜2007)、「イスラーム地域研究機構」(文部科学省 特色ある共同研究拠点の整備の推進事業2008〜2012)など、いくつかの大型プロジェクトを実施し、各分野の最先端の研究活動を担ってきました。

研究組織の面では、アジア文化研究所を母体として2002年10月に「上智大学アジア人材養成センター」、2010年4月に「上智大学イスラーム研究センター」が誕生しました。これらの研究機関は、人的にも研究活動の面でも本研究所と密接な連携を保ちつつ、それぞれの活動を進めています。

近年の研究活動の特徴としては、地域社会に固有の条件と歴史を踏まえつつ、現代的でグローバルな課題にも組織的に取り組んでいる点が挙げられます。上智大学地球環境研究所と共同で取り組んだプロジェクト「環境と開発に関する地域比較研究 ―IT化とグローバル化の進展のなかで」(日本私立大学振興・共済事業団 学術研究振興資金2002−2003)、「ナショナリズム復興のなかの文化遺産」(日本私立大学振興・共済事業団 学術研究振興資金2009−2010)がその例です。

これらの研究活動の成果は、本研究所や所員の出版物を通じて公表されています。