齊藤 孝祐 (さいとう こうすけ/Saito Kousuke)

2021年着任 准教授 博士(2011年 筑波大学)
オフィス: 2-614
MAIL: saitouk@sophia.ac.jp

担当科目

(博士前期課程)国際安全保障研究1, 2
(博士後期課程)国際安全保障専門研究1, 2

研究関心

国際政治学、安全保障論、科学技術、イノベーション
科学技術の発展が国内政治においてどのように推進され、あるいは規制されていくのか、またそれが国際安全保障にいかなる影響を与えるのかという問題について、政治学的なアプローチで研究を進めています。とくに近年は、米国と日本の事例を中心に、イノベーションエコシステムの構築や保護をめぐる政策の展開を、安全保障との関連性や技術の多義性に着目して分析しています。

主要業績

(1)『軍備の政治学―制約のダイナミクスと米国の政策選択―』白桃書房、2017年。
(2)「デュアルユースの政治論―科学研究と安全保障はいかに向き合うか―」川名晋史編『安全保障の位相角』法律文化社、2018年、106-126頁。
(3)(共編著)『日本外交の論点』法律文化社、2018年。
(4)「5Gの普及をめぐる安全保障上の課題」『海外事情』67巻4号、2019年、40-52頁。
(5)「イノベーション・エコシステムの拡大と投資規制―「安全保障」をめぐる価値対立とその変容―」『国際安全保障』49巻1号、2021年、18-34頁。

学生へのメッセージ

科学技術の発展は人々の暮らしを豊かにする一方、国と国との力関係を変える原動力にもなり、時には戦争のあり方を一変させるなど、国際政治に無視できない影響を及ぼしてきました。安全保障政策の観点からは、一義的に国家の安全や国際秩序の安定に資するよう、科学技術の利用や管理が模索されるようにも思われがちです。しかし当然ながら、すべてのアクターが同じ価値観を共有して行動するわけではありません。実際には、他国との利害調整はもとより、国内でも経済・産業・学術といった分野を含む現行の利害構造や社会規範との折り合いをどのようにつけるのかといった問題に直面します。現代の安全保障を理解するには、国家間の軍事的対立を考えるだけでなく、こうした多様多層な政策領域・ステイクホルダーの関与をふまえつつ思考することが重要です。目まぐるしく動いていくトピックであり、歴史的に研究蓄積のあるトピックでもあり、関心の置きどころによっていろいろな切り取り方ができるはずです。みなさんと議論を深めていけるのを楽しみにしています。