哈爾濱学院記念碑祭に行ってきました。


ロシア語学科
秋山 真一

 4月15日(月)、東京都八王子市にある高尾霊園・高乗寺にて第20回哈爾濱(ハルビン)学院記念碑祭が行われました。本学ロシア語学科にはハルビン学院顕彰奨学金という奨学金があって毎年学業成績優秀者3名に授与されていますが、その名にある哈爾濱学院とは旧満州国ハルビン市にあったロシア問題のスペシャリストを養成するための学校(一時期は国立大学として扱われました)の名前なのです。その学校の同窓生や遺族の方々が集まり、今はなき学校に思いをはせ、亡くなった同窓生たちのことを思い出すための集いが哈爾濱学院記念碑祭です。その記念碑祭に縁ある者としてロシア語学科の歴代教員・関係者が招待されており、今年は外川名誉教授、宇多名誉教授、井上名誉教授、ムヒナ准教授、元学科事務の茂木さん、卒業生で哈爾濱学院顕彰奨学金の授賞者である青木緑さん(NHK勤務)、そして私の7名が参加しました。

哈爾濱学院25期生の中村誠一さんか開会の挨拶をされました。

哈爾濱学院25期生(中村誠一さん)が開会の挨拶をされました。

 今年の寒さの影響で、この時期でも一部ソメイヨシノが咲き残り、桜吹雪が舞い散る中での記念碑祭となりました。参加者は総勢98名、この1年間にお亡くなりになった哈爾濱学院同窓生は9名、哈爾濱富士高等女学院の同窓生は3名とのことでした(判明者を含む)。現在ご存命の同窓生66名のうち、ご本人が記念碑祭に参加されたのは5名。ご高齢であることを考えれば無理もありませんが、少し寂しくなりました。

 来年2020年は哈爾濱学院の前身である日露協会学校が満州・ハルビン市に1920年に設立されてちょうど100年の節目に当たり、元号も大正・昭和・平成・令和と改まっていくことになります。平成最後の記念碑祭に参加し、遠い地でロシア語やロシアについて一生懸命に学び続けた先輩たちの思いを引き継いだものとして、身の引き締まる思いでした。

高尾霊園高乗寺では花がきれいに咲き、ウグイスが鳴いていました。

高尾霊園高乗寺では花がきれいに咲き、ウグイスが鳴いていました。

【哈爾濱学院メモ】
・創設は1920年、当時の名称は日露協会学校。
・1932年、哈爾濱学院と改称。
・1940年、満州国立大学哈爾濱学院となる。
・1945年、日本の敗戦と共に廃校。26期生が最終学年。
・卒業生、在校生総数は1400名余り。
・哈爾濱学院で教鞭をとられた染谷茂先生、ポツターヴィナ先生は廃校後、本学ロシア語学科の教授として着任。
・本学ロシア語学科・元教授の内藤操先生も哈爾濱学院の21期生だった。