今年3月15日に発売されたものの、年度末であったために大学の研究費で買えず、4月になってから購入しました。(価格.comによれば、4月17日の最安値は税込み¥12,374)
ハード面、ソフト面での長所・短所を挙げてみます。
【ハード面】
◎Windows専用のソフトです。Macでは使えません。ちなみに、Windowsタブレット(9インチ・ドスパラDG-D09IW2SL)も買ってインストールしてみましたが、無事に動いて使えています。これで持ち運びが可能になりました。インストール回数に制限があるか否かわかりませんが、少なくとも研究室・自宅・タブレットの3つの端末にインストールして使うことができています。
◎LogoVistaの辞典ブラウザには用例・成句の検索機能があるのに、研究社露和・和露のソフトが対応していません。к тому же「その上」にたどり着くには、тотの項目を延々とロールダウンしていかないといけません。ここは是非改善していただきたい!
◎「ё」はёと入力しないとヒットしません。трёхэтажный「3階建ての」を「трехэтажный」と入力するとエラー音が鳴り、何も表示されません。
◎動詞の完了体、不完了体はジャンプ機能があるため引き直すことなく、スムーズに検索できます。прочитать 「→ читатьを見よ」でчитатьが緑色になっており、クリックすればすぐにчитатьにたどり着けます。
◎写真の左上「前方一致」というプルダウンの右側に検索語彙を入力するのですが、ここにロシア語の語彙をダイレクトにキーボードから入力することはできず、左下の項目1/2という箇所の入力補助というところにロシア語を入力してから検索ボタンを押します。不便です。和露の日本語語彙は「前方一致」の右側にダイレクトにキーボードから入力できます。
◎全文検索という機能があるので、例えば「急がば回れ」という諺はロシア語でТише едешь … つづきは何だっけ?と思った時にедешьを指定して全文検索すればТише едешь — дальше будешь.という諺にたどり着くことはできます。ただし、紙辞書で2000ページ以上の膨大なデータをくまなく検索するため時間がかかります。しかも!全文検索するための別ウィンドウにダイレクトにキーボードから入力できないため、別にWordなどのソフトを立ち上げ、ロシア語を入力し、コピー&ペーストをしなければならないという極めて不可解な構造になっています。この作業をタブレットPCで行うことは面倒くさすぎて断念しました。
【ソフト面】
◎露和辞典の方は少しばかり改訂・増補されています。российскийの見出し語で検索すると、Российская Федерацияは「ロシア連邦」と紹介されています。ただし、Совет Федерации「連邦院=ロシア議会の上院」やГосударственная Дума「国家院=ロシア議会の下院」などは掲載されていません。
◎PC関連の用語としては、планшетが紙辞書では語義1~3までしかありませんが、LogoVista版では4番目の語義として「タブレット型パソコン、タブレット」と紹介されています。приложение「アプリ」、щёлкать – щёлкнуть「クリックする」なども掲載されました。しかしприкреплять – прикрепить「(メールにファイルなどを)添付する」は掲載されていません。
◎口語・俗語もあまり改訂・増補されていません。круто「凄い」は小学館のプログレッシブには載っていますが、LogoVista版 研究社露和辞典には載っていません。Да ты[вы] что!「冗談じゃない!」も、блин「ちくしょう!」も掲載されていません。
結論!
待望の研究社露和辞典の電子化ですから、その道の方は買うべきでしょう。紙辞書2冊をそろえる金額よりも安いですし、複数の端末にインストール可能なのは魅力です。買って損はないはずです。ただし、ハード面、ソフト面共に改良の余地は大いにありそうです。Macへの対応も急務でしょう。