4月21日(金)ウグイスの鳴き声も高らかに響く中、東京都八王子市の高尾霊園にて哈爾濱(ハルビン)学院記念碑祭が行われました。ハルビンという中国・黒竜江省の地名を聞いて、ロシア語学科との関係を不思議に思う人もいるでしょう。本学ロシア語学科には哈爾濱(ハルビン)学院顕彰奨学金という奨学金があります。その冠名である哈爾濱学院とは旧満州国ハルビン市にかつて存在したロシア専門家を輩出するための学校(国立大学として扱われた時期もありました)の名前なのです。その学校の同窓生や同窓生家族・遺族の方々が集まり、亡くなった同窓生たちのことを偲ぶための集いが哈爾濱学院記念碑祭です。その記念碑祭に縁ある者として本学ロシア語学科の教員・関係者が毎年招待されています。
今年は例年よりも気温の高い日々が続いたせいで、いつもは八重桜が満開の時期なのですが、今年はギリギリ残った花弁が風に吹かれて桜吹雪になってしまうような天気の中で行われました。参加者は60名程度。学院の同窓生でご出席された方が、ついにお一人となってしまったことは何とも寂しいことでした。そのお一人も昭和3年生まれということで95歳。学院が閉校した1945年の4月に26期生として入学された方だそうです。本来ならば学院創立100周年を2020年に祝う予定でした。しかしコロナ禍で2020~2022年には記念碑祭が行えず、2019年以来4年ぶりの開催でした。同窓生たちにとってコロナ禍がさぞかし恨めしかったことでしょう。
今度は哈爾濱学院顕彰奨学金を受賞した学生や卒業生たちとこの地を訪れ、先輩方への感謝を伝え、先輩方の思いを引き継ぐ決意を報告したいと考えつつ、高尾からの帰途につきました。
(秋山真一)