こんにちは。研究休暇でロシアに滞在中の秋山真一です。先日、ノヴゴロドという地方都市に1泊2日で行ってきました。ノヴゴロドには上智大学と交換留学協定を結んでいる大学がないため、留学生ブログでも紹介されたことのない都市ですが、ロシア史を語る上で重要な古都です。サンクト・ペテルブルクから南南東に約200キロ離れたこの街を今回は紹介しようと思います。
実はロシアにはノヴゴロドという都市が2つあります。1つは今回私が訪れたノヴゴロド。こちらは人口20万人あまりの小都市ですが、歴史上大事な都市なのでВеликий Новгород(ヴェリーキー・ノヴゴロド:偉大なノヴゴロド)と呼ばれます。もう1つはモスクワの東約400キロにあるНижний Новгород(ニジニ・ノヴゴロド:低地のノヴゴロド、下流のノヴゴロド)。こちらは人口およそ130万人、ロシアで5番目の大きさを誇る大都市です。
ノヴゴロドにもкремль クレムリンがあります。クレムリンというとモスクワにあるものと思うかもしれませんが、実は城塞という意味の名詞で、ロシアの様々な都市にクレムリンはあります。ノヴゴロドの観光名所はこのクレムリンの内部とその周辺に点在しています。
クレムリン内部の見どころは聖ソフィア大聖堂とロシア建国一千年記念碑でしょう。聖ソフィア大聖堂は1052年に完成したとされています。一方、ロシア建国一千年記念碑にはヴァイキングの族長・リューリクがこの地に招聘された862年から1862年の間に活躍した皇帝や軍人、作家などがレリーフで紹介されています。
クレムリンの周辺にはこじんまりした教会が点在しています。あるものは博物館に転用され、あるものは現役の教会として地域のロシア正教徒の信仰の支えとなっています。
いずれの教会も白亜の壁が象徴的ですが、一部の教会は修復が追い付かないのか、レンガ色のままだったり、木造部分が傷んだまま佇んでいる教会もありました。
観光名所を中心に街歩きを楽しんだだけではありますが、モスクワやサンクト・ペテルブルクのような大都市と異なり、ゆったりとした時間が流れているように感じた、風情と趣のある都市でした。