第52回全国ロシア語コンクール(2年生:小松桃子さん)

7月14日、東京ロシア語学院で第52回全国ロシア語コンクールが開催されました。コンクールには2年生の小松桃子さんが参加をしました。以下に、コンクールの参加に関して小松さんに記事を書いてもらいました:

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 今回私は二月に短期留学をしたカザフスタンでの、ロシア人とカザフ人のすみ分け、アイデンディティについてスピーチをしました。旧ソ連のカザフスタンでは公用語はロシア語ですが、住民の約二割しかロシア住民はいません。私はカザフスタン南部のアルマトイという町にあるカザフ国立大学、通称カズヌにてたくさんのカザフ人と知り合いました。彼ら曰く、カザフスタンではロシア人コミュニティとカザフ人コミュニティのすみ分けがあるといいます。例えば、大学入学前に生徒は授業をロシア語かカザフ語、どちらの言語で受けるか選択しなければならないといいます。

ある学生は就職の幅を考えロシア語を選択し、またある学生はカザフ人としてのアイデンディティからカザフ語を選んでいました。私たち日本人は日本に住み日本語を話すため、自身を容易に日本人であると断定できる人が多いのではないでしょうか。しかしカザフスタンでは、民族的にはロシアであるけれど環境的にカザフ語が得意な人、民族系とはカザフ人であるけれどカザフ語よりロシア語が上手な人と様々な人がいます。

世界が多様化していく中で、自身のしゃべる言語、あるいは育った環境、民族系統、自身のアイデンディティは一致するとは限らないでしょう。しかしいくら自身の考えるアイデンディティが多様になっていくとはいえ政治的問題はすべてパスポートに帰属してしまいます。日本のパスポートでは容易に様々な国へ行けますが、ロシアのパスポートでは現在難しい状況にあります。たとえいくらカザフ人あるいは日本人としてアイデンディティがあったとしても、ロシアの国籍を持っていたらたくさんの困難があるでしょう。グローバル化していく中でさまざまな問題がありますが、日本を出て海外へ行かないと分からないことはたくさんあります。今私はロシア語を学び中央アジアやバルカン諸島の国際情勢に興味があります。今回はこうしたカザフでの体験や知見をスピーチしまだまだではありますが、努力賞をいただくことができ非常にうれしいです。

本番当日の朝まで毎日発音練習や質問対策に協力してくださったスヴェトラーナ先生には感謝しかありません。これからはロシア語能力をより高め、将来的には大使館などで働き国際協力に貢献したいです。