ウズベキスタンで経営学を学ぶ(ロシア語学科3年 菰田一陽さん)

Assalomu alaykum! Привет!

みなさん、こんにちは。ロシア語学科3年の菰田一陽です。

昨年の10月からウズベキスタン国立大学 (National University of Uzbekistan) 経済学部地域経済経営学科に私費留学し、今年の6月に帰国しました。今回のブログでは、ウズベキスタンという少し馴染みのない国での生活を通じて感じた文化の多様性、そして留学を通して得た視点を皆さんと共有したいと思います。

まず、なぜウズベキスタンを留学先に選んだのか?という質問にお答えしたいと思います。ウズベキスタンは「シルクロード」の中心に位置し、古代から多くの文明が交差した地です。テュルク系文化を基調にイスラム文化、ペルシャ文化など、様々な文化が混ざり合っています。それに加えて、ソ連時代の文化や遺産が残っており、これらの文化に「ロシア語で」触れられるところが魅力です。

サマルカンドにある「レギスタン広場」

15世紀から17世紀にかけて建てられた3つのマドラサ (イスラム教の学校) に囲まれていて、鮮やかな青のタイルがとても美しいです。

しかし、首都のタシケントでさえ、特に若い世代のウズベク人はロシア語が通じないことが多いと感じました。また、大学の書類や博物館にはロシア語の説明が無く、ウズベク語だけの場面もありました。これは一番ウズベキスタンで驚いたことですが、若い世代では英語の学習熱がとても高く、日本人よりも流暢な英語を話す人がたくさんいました。また、ロシア語が話せる若者とそうでない若者では、性格や考え方、触れている情報が大きく異なることも興味深い点でした。

このような英語の塾がタシケントには数多くあります。

ロシア語学科の学生は、語学をメインに学ぶロシア語留学をするのが一般的ですが、私は「ロシア語で」経営学を学びたかったので、学士4年間のプログラムに外国人入試で入学し、1年生の途中で中途退学しました。経営学専攻のクラスは15人で、教員と学生の距離がとても近く感じられました。日本の学生とは異なり、授業では議論が飛び交い、教員に対しても躊躇なく鋭い質問を投げ、議論が発展していくので、とても刺激を受けました。また、議論を通してアカデミックなロシア語能力を身につけられたので嬉しかったです。

これはСеминарという種類の授業で、事前に与えられたテーマについてプレゼンをします。私は日本型経営や日本企業のマーケティング戦略についてプレゼンをしました。

マクロ経済学の授業。教員から当てられて黒板で問題を解くので、緊張します。

現地での生活について。タシケントのBeruni駅近くの寮に住んでいました。寮は3人部屋で、交換留学生としてロシア語を学んでいるドイツ人のレオン君とフィンランド人のエミール君と一緒に住んでいました。今でも2人とは、よく連絡を取り合っています。僕たち3人以外の寮生はウズベク人、アフガン人、トルクメン人、キルギス人などで、ロシア語も英語もなかなか通じず、また価値観が大きく異なるので大変でした。寮母がとても厳しく、エミール君がくれたお土産のウォッカはあえなく没収。また、門限20時を破った時には逃れられないお説教タイムが待っていました。タシケントは夜に散歩しても治安が悪くなかったり、ATMやお店、地下鉄でも日本のカードが使えたりと、日常生活で困ることはありませんでした。

寮の部屋です。部屋はきれいですが、水回りにはGがたくさんいます…

タシケントの物価について。年々物価は上がっていますが、日本と比べると日用品や食料品は安いです。特に交通費が破格で、地下鉄やバスはどこまで乗っても1700スム(約20円)。学生にはありがたい値段設定です!食事は大学近くの食堂でプロフ(中央アジアの炊き込みご飯)を毎日食べていました。羊肉、ニンジン、ひよこ豆、卵がお米と油で一緒に炊かれ、素材の味が生かされていて、とにかく美味しいです。具材のバランスも腹持ちも抜群だったので、勝手に「ウズベクの完全栄養食」と呼んでいました。今でもプロフが恋しいです…

大学前の食堂のプロフ。ウズベク風お新香も付いた、このボリュームで26400スム(約310円)と激安。

タシケントで一番有名なプロフ専門のレストラン「プロフセンター」

プロフはQozonと呼ばれる巨大な鍋で調理されます。

以上、簡単に私のウズベキスタン留学についてお伝えしました。

ウズベキスタンはカザフスタンやキルギスほどロシア語が広く使われていませんが、中央アジアの中でも、近年急速に経済成長を遂げており、社会の変化を現地で身をもって体験できます。そのため、将来のキャリアにも活かせる、一生ものの経験ができると思います。また、フレンドリーな人が多いので、おしゃべり好きな人にはおススメの国です。この記事を読んで、ウズベキスタン留学に興味を持ってくれたら嬉しいです。ここまで読んでくださりありがとうございました。質問などありましたらお気軽にご連絡ください。

サマルカンドは本当に綺麗な街で、人もとても優しいのでぜひ訪れてみてください!

サマルカンドで偶然知り合った、日本語がとても上手なBobirさん(右から2人目)