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学部長の挨拶

ようこそ、上智大学外国語学部のサイトへ!

幡谷学部長

外国語学部長 幡谷 則子

 

コロナ禍の1年を経てようやく大学の学びも対面授業を組み入れながら、新しい体制に移りつつあります。新入生はもちろんのこと、2年生以上の皆さんも、2021年の春は不安と期待が入り混じった気持ちで、このサイトを訪れたのではないかと思います。高校生の皆さんは、このような状況下で外国語学部ではいったいどのような学びができるのか、疑問をおもちのことでしょう。
 
本学に外国語学部が創設されて、60年以上が経ちました。この間、私たちを取り巻く社会は大きく変容し、外国語を学ぶ目的も意義も変化してきました。AI(人口知能)を駆使した翻訳アプリが開発され、その一部が教育にも導入されると、「そもそも外国語を学ぶ必要はあるのか?」という疑問さえ生まれることがあります。しかし、真のヒューマン・コミュニケーションは、文法の正しさや語彙の豊富さだけで決まるものではありません。いくら言語運用能力が高くとも、それを介して相互に交わされる内容そのものの意味や、それが発せられる文脈における意味づけについて正しく理解するためには、言語に関わる文化、思想、歴史、地理、政治社会、経済、芸術などなど、多岐にわたる分野における幅広い知識と考察が伴わなければならないのです。言葉を通して地域を研究し、そして地域を理解することで言語の深い意味を知る、この相互作用を通して、世界をさまざまな視点から理解することが、本学部の目的です。
 
外国語学部には、英語・ドイツ語・フランス語・イスパニア語・ロシア語・ポルトガル語の6学科があります。学生は、それぞれの専攻語をしっかりと身につけるとともに、英語あるいはさらにもうひとつの外国語の運用能力と、日常的に使う母語の言語としての認識とコミュニケーション能力の向上に努めます。これが本学部の「3言語主義」です。
 
外国語学部には、このほか、学科横断的に専門性の高い9つの研究コースが用意されています。世界を俯瞰的にとらえ、対象地域をはじめとした異文化を理解し、そこから日本を再認識する「3視座」を重視した学びを展開しています。ここで身につく力は、世界の異なる地域が直面する課題が日本社会とどのようにつながっているかを知り、共に課題を解決する方法を導き出すための力となるものです。そのためにも、是非興味あるテーマを見つけて分析し、そこから自分の考えをまとめ、ひとつの論文に仕上げるプランを低学年のときから作ってゆきましょう。
 
ところで、ICT(情報通信技術)の浸透によって、あらゆる外の世界へ瞬時に移動したような錯覚に陥る、こうした疑似体験は皆さんも経験済みではないでしょうか。それでも、「その地に身を置き、そこに生きる人たちと直に接すること」は全く異なります。外国語学部では短期研修や長期の留学プログラムによって多くの国々へ学生を派遣し、実践的な言語能力の研鑽と、その言葉が話される言語圏の文化や社会に生活者として触れることで豊かな地域理解を育む機会を提供しています。皆さんには、近い将来是非「五感に訴える」現地経験を積んでほしいと思います。残念ながらコロナ禍の現在、移動制限によってこれらの多くのプログラムが停止に至っていますが、これまで培ってきた海外の諸大学との関係の基に、徐々にオンラインプログラムを開始しています。オンライン授業のメリットは、移動制限や時差の壁を乗り越えることにあります。コロナ危機というピンチを逆手に取り、今度はICTを駆使して、生き生きとした教育の提供を目指しています。
 
先の見えない今、世界のすべての人々、若者たちが将来に不安を抱えています。皆さんにはこういう困難な時代だからこそ、外国語を学ぶ楽しさを味わってほしいと思います。なぜなら、今私たちが抱えている困難は、世界の人々と共有できるものだからです。世界の人々と出会い、多様な価値観に触れ、心を通わせることで相互理解を深めることはかけがえのない喜びとなるはずです。
 
私たちはこれまで経験したことのないチャレンジを受けていますが、この困難に柔軟に立ち向かい、外国語学(Foreign Studies)の醍醐味を満喫してもらいたいと願っています。私もどのような学びのあり方を開拓してゆけば、学ぶことのモチベーションを高めることができるか、皆さんと共に考え、Blogにも折々に書いてゆきますので、是非そちらもご覧ください。

(2021年4月1日)

 

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